収納の限界「文庫本の生涯」
2006年 12 月10日(日)
お気楽夫婦の家は、狭い。完成前に設計変更し、収納を増やしたものの、それでも限界がある。そんな事情から、2人には、モノを買う際に暗黙の了解がある。すなわち、「収納できるモノしか持たない」こと。例えば、クローゼットに入れば新しいコートが買えるが、入らなければ古いコートは捨てるか、誰かにあげる。モノが増えるのを抑えるためのルール。ところが、それが実現できないものがある。…本である。
もともとハードカバーは、収納の関係で制限されている。よほどのことがない限り文庫本限定。そして、購入した文庫本は、まずデスクの前に収納される。ここは、ウェイティングスペースであり、すぐに読まれようとしている本、読まれずに待機し続けている本が並ぶ。著者も傾向もばらばら。二人共読み終えたら、初めて正式な収納コーナーへ移動する。ハードカバー用の本棚の上には、ほぼ私中心のラインナップ。そこには、「石田衣良」「重松清」「奥田英朗」「辻仁成」「山際淳司」「景山民夫」「鷺沢萠」「村山由佳」などが並ぶ。
そして、お気楽妻中心の“一軍ラインナップ”が並ぶのは、ベッドサイドにある文庫文専用の本棚。「J・ケラーマン」「P・コーンウェル」「G・ルッカ」「G・アイルズ」「ロビン・クック」「R・パーカー」「M・クライトン」「S・キング」「D・フランシス」などが並ぶ洋書系の本棚と、「村上春樹」「村上龍」「山田詠美」「中島らも」「浅田次郎」「わかぎえふ」「椎名誠」などが並ぶ和書系の本棚。発行番号順に、カラーグラデーションを考慮して、A型の妻が几帳面に本を並べる。
そして、全著作を読もうと思わなかった“二軍落ち”本と、過去に愛読した“殿堂入り”の本たちは、ミラー扉の書棚に収まる。ここは、扉を開かなければ背表紙が見えないため、余り日の目を見ない。そして、“戦力外通知”を受けた本の行き先が、ここ。哀れブックオフに持って行かれるか、ゴミだし処分となる。
「捨てようよ、読まないって!」「いや、手放したら二度と手に入らないし、本を捨てるのはイカンっ!」…その本たちの最期を巡って、お気楽夫婦は紛糾する。最後には、改装して本棚を増設するまで、取っておこうというIGA的見解がごり押しで通る。が、その本たちの収納も限界に達している。う~ん、妻の意見に従うしかないのか…。合掌。