偶然×偶然=石ちゃん「シンクロニシティ」
2007年 2 月10日(土)
週末のある日、ぽかぽかと春のように暖かな冬の午後の陽射しに誘われて、お気楽夫婦はご近所散策に出かけた。まず目指したのは、多くの寺が密集する烏山寺町。浅草、本所、築地などにあった20余りの寺が、関東大震災後の区画整理の際に移転してきたという。この一帯は、ゆったりとした敷地の中に竹林や雑木林が残され、趣ある人気散策コース。その日は途中でこぢゃれたカフェも発見し、幸先の良いスタート。
鴨池の名で親しまれている池に浮かぶ御堂には、普段になく大勢の家族連れで賑わっていた。池には鴨だけではなく、白い鳥の姿も。「あぁ、白鳥がいるねぇ。ほぉら白鳥だよ」との声に思わず振り向くと、娘や孫を連れたオバちゃんが白い鳥を指差している。「…どう見たって、あれは白鷺でしょっ」妻が小声で毒づく。大声で語り合う母娘は、「ここもTVで映ってたね」と、謎の会話を残して去る。浮御堂に静寂が訪れる。
散策を続けるお気楽夫婦は、ある店の前で足を止めた。店の入口に「クレア婦人の蒸しまんじゅう」の垂幕。クレア婦人って誰?なぜ、まんじゅう?疑問だらけの2人。店内には国籍不明の店名通りに輸入菓子や無添加食品が並び、ショーケースには一口サイズのまんじゅう。…実にミスマッチ。可愛いパッケージに入って10個で210円。安い。黒糖、黒ゴマをお買い上げ。寺のある街へ旅し、お土産を買った気分で、ちょっと嬉しい。改めて店を観察すると、『メレンゲの気持で放映』との貼紙。ふぅ~ん、こんな場所まで取材がねぇ。街道沿いの中華料理屋の横を通る。「この店もしばらく来てないねぇ」そんな会話に突然妻が思い出した。その日のランチに行ったトンカツ屋にも、取材の貼紙があったという。
「番組は日曜?さっそく教えてあげなきゃね」ご近所の友人夫婦に連絡しようと頷きあって家に戻る。検索すると、放送日は○月○日。「…って、明日?ぇ!今日じゃない!放送したばっかりだ」ありゃりゃ。残念。そして、取材を受けた場所は、高源院、カフェMARU、とんかつさが味、中国遼菜府…全て当日2人が行った場所ばかり!その上、とんかつ屋で食べた料理レバかつも一緒。うぅ~ん、いくつかの偶然が重なりあうことは心理学者のユングも、普遍的な事象を作り出す力の連続性「共時性(シンクロニシティ)」であるとか言っているが、良くわからん。「どうせだったら、石ちゃん(石塚英彦)と取材当日に出会いたかった」と呟く“まいぅ~”モノ好きの妻だった。