選択と集中「羊の国のスカッシュコート」

Sq 本国内にあるスカッシュコートの数は500面弱。全国で230余りの施設に平均2面程度しかないという計算になる。それもほとんどが総合スポーツクラブの中にちんまりとある場合がほとんど。スペースの割には稼働率が悪いという理由で開設当時に何面かあったコートが徐々に減らされ、いつの間にかなくなってしまったクラブもあるらしい。スカッシュ専門の施設は全国に数えるほどしかない。供給数(コート数)はニーズ(競技人口)と比例する。経済的な側面から見れば仕方がないことではある。ニュージーランドの施設数は約300。ほとんどは専門施設かテニスやラグビーなどの併設クラブ。仮に平均4面として1,200面。スカッシュプレーヤーとして、羊の国のスカッシュコート事情は涙が出るほど羨ましい。

Photo_5イトフライトでニュージーランドに到着した当日。ホテルに荷物を預け向かったのはクライストチャーチ スカッシュクラブ。ダウンタウンから歩いて10分程の閑静な住宅街の一角に建つスカッシュ専用のクラブ。コート数は5面。2階からも観戦できる構造。眠そうな顔をしていたツアーメンバーの目が輝く。お気楽夫婦が参加したこのツアー「山崎コーチと行くワールド・マスターズ・スカッシュ」の参加メンバーはほとんどが女性プロコーチ。OVER35以上のシニア大会とは言っても、現役の全日本ランキング上位者が参加するメンバーの顔ぶれは豪華だ。5人の女性プロ、アマチュアながら全日本選手権出場経験者が2人、そしてナショナルコーチの山ちゃん。素人プレーヤーはお気楽夫婦を含め4人だけ。2時間の練習とは言っても、日本では到底望めない贅沢な練習だ。

Photo_6人4人は山ちゃんのレッスン。2階からキーゥイのオヤヂたちが不思議そうに球出しやパターン練習を眺めている。時差ぼけ、寝不足の身体が急激に目覚める。心配していた右腕も使えそうだ。男前の鍼灸師の先生に感謝。そして女性プロの1人を指名してパートナーをお願いする。贅沢三昧。それにしても、羊の国は日本よりも国土の面積は狭いはずなのに、施設も、街も、街路も住宅も広々。かつて兎小屋と呼ばれた日本の住宅と比べると圧倒的に余裕がある。※羊の国の面積は26.8万㎢、兎の国は37.8万㎢と30%程度広いけれど、人口は兎の国が1億2,765万人に対し、羊の国は僅か427万人。なんと60分の1。そりゃ違うわ…。ちなみに羊の国の羊は3,000万頭以上らしい。羊と人間の数を合わせても日本の1/3。1人ないしは1頭当たりの国土面積は倍以上、人間だけだったら20倍以上ということだ。実感、納得の数字。

Photo_7れにしてもスカッシュコートの数は人口比較以上の差がある。イギリス連邦でもある羊の国で盛んなスポーツは、ラグビー、クリケット、スカッシュ、テニス、ヨット、スキー、登山など。今年の北京オリンピックNZチーム選手団は15競技の185人で、9個のメダル獲得。それに対し日本選手団は26競技の339人で25個のメダル。数字上で比較するとNZは人口の割にオリンピック代表が多く、メダル獲得数も多い。参加競技数が少ないことからも、選択と集中で各競技のレベルを高めていると言える。残念ながらスカッシュはオリンピック種目ではないけれど、NZで“選択”されたスポーツということだ。NZ滞在2日目、私の初戦の会場であるバーンサイドSQクラブに向かった。並木道を車で10分余り、広大な公園の一角にそのクラブはあった。コート数4面のスカッシュとラグビーのクラブ。クラブハウスの隣にはラグビー場が数面(何面か分からない)広がっている。ふぅ。豊かさとは何だろう。タクシーを降りる時に女性運転手に声を掛けられた。「グッド・ラック!良い試合をね!」…ほんとに、豊かさの尺度は何だろう。

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