パン好きの妻と「VIRON(ヴィロン)で朝食を」渋谷
2009年 3 月28日(土)
お気楽妻の朝は遅い。毎朝、早起きの私がのんびりと新聞を読み、かんたんな朝食の準備を整え、妻を起こす。私の朝が早いだけなのかもしれないけれど。特に休日の朝、妻の目覚めは遅い。朝食の準備どころか洗濯も終わってしまう場合もある。私よりも仕事が忙しいだけなのかもしれないけれど。ところが、ある週末の朝、そんな妻が平日よりも早い時間に(自主的に!)起き出した。理由はかんたん。大好きなパンを、それもかなりのお気に入り、VIRON(ヴィロン)のパンを朝からたっぷり食べるという目的のため。年度末の忙しい日々に突入した妻に元気を注入しようという計画だ。妻は前日からウキウキ遠足前の子供状態。余り感情を表に出さない彼女には珍しいことだけれど、それだけパンが好きだということでもある。
Boulangerie Patisserie BRASSERIE VIRON渋谷店は2003年にOPENして以来、ずっと人気のブランジェリー:パン屋であり、パティスリー:ケーキ屋で、ブラスッリー:カジュアルなレストラン。1階はパリにそのままありそうなこぢゃれたショーケースが並び、店の2階で食事ができる。開店時間は9時。出遅れてしまうと並ぶことになる。「さぁ〜っ、行っくよぉ〜っ♪」ふだんと違い朝から妻のテンションは高い。はいはい。休日の早朝、空いている電車に駆け込む。なんとか開店直後に並ばずに席に付くことができた。それでも禁煙席には空きがなく、カウンタ席の端に並んで座る。VIRONの朝食メニューは2種類。妻はパンを何種類か選ぶことができる「ヴィロンの朝食」。私はサラダやゆで卵が付く「パリの朝食」。さすがに朝シャン(パン)のオーダーは自制し、紅茶を啜る。
この店がこだわるレトロドールという小麦粉を使ったバゲット、雑穀を使ったセレアルが木の籠にたっぷり盛られて供される。妻の目が輝く。6種類のコンフィチュールやはちみつが瓶のままパンと一緒に登場する。これが実に美味しそうなのだ。迷いつつも何種類かをパン皿に乗せ、パンとコンフィチュールのそれぞれを味わう。カリカリのクラスト(皮)と、もっちりしたクラム(中身)のどちらにも合う上品でシンプルな味。パリそのままの美味しさ。妻が幸せそうに微笑む。「やっぱり美味しいねぇ♪ヴィロンは。この気泡がたっぷり入ったバゲットが好みなんだよねぇ」彼女はハード系のパンが大好き。「PAULやメゾンカイザーも好きだけど、やっぱりヴィロンが一番好きかなぁ。愛してるって言っても良いぐらい♪」そこまで何かを(それがパンだとしても)愛せるというのは幸せなことだ。
「パンが皿にあると残せないんだよねぇ」しかしどう頑張っても、あと2つ残っているヴィエノワズリーを食べるのは無理じゃないか。「えっ!そうなんだ」と妻が驚く。確かに彼女はごはんであれば小さな茶碗一杯も食べられないのに、水分含有率の少ない穀物系の食物を与えてしまったら最後、残らず食べ切ってしまう。チーズフォンデュ用に買って残りは朝食用と思っていたバゲットや、大きな袋入りのポップコーン、お徳用サイズのポッキー、非常用に備蓄してある乾パンの類いまで。「お客さま、よろしければこちらのパンはお持ち帰り用にお包みしましょうか」ナイスなタイミングでスタッフが声を掛けてくれる。ひゅう〜、助かりました。
昼食用となったパンを抱えて階下へ降りる。するとそこは席を待つ人の列。凄い。OPENから6年近く経つというのに、飽きやすい日本人にこれだけ支持されているのは、やはり美味しいという証拠。早く起きた朝は、ヴィロンで朝食を。お薦め。