中食はエコ?「東急フードショー」「東横のれん街」
2010年 4 月25日(日)
デパートに元気がない。三越池袋店、伊勢丹吉祥寺店、西武有楽町店など閉店が続いている。売上高はついにコンビニの売上に逆転された。かつて流通の花形だった面影はない。けれど、デパ地下だけは元気。2007年に全面改装された伊勢丹新宿店、新しいコンセプトで食品を扱い始めた意味では老舗とも言える西武百貨店の食品館、広くない売場ながらOLに人気の銀座三越、そして2000年にリニューアルしデパ地下ブームの先駆けとなった東急東横店の「東急フードショー」など。不況で外食を減らすという消費傾向が続き、中食(惣菜などを買ってきて家で食べる)が増えていることがデパ地下人気の理由。加えて、核家族化、個食化、家庭での料理の簡便化傾向などもデパ地下人気を支えている。
お気楽夫婦の食生活も同様。2人で働き子供がいない。帰宅してから料理を作るのは時間的に厳しい。頻度を減らしてはいるが、外食をすることも少なくない。食材を買ってしまうと賞味期限切れを起こしてしまうことが多い。2人だけであれば惣菜を買ってきて食べる方が食材にムダもなく、却って安上がり。ある日、今日は“タケノコの日”とテーマを決めて惣菜を買って帰って来たお気楽夫婦。焼いたタケノコのサラダ、タケノコと青菜の炒め煮、タケノコと鰆の揚げモノ、そしてタケノコおこわ。温め、冷やし、器に盛り付けるだけの“料理”のできあがり。こんないろんな料理を短時間に少量ずつ作れない。「美味しい♡春だねぇ〜♡」ただ食べるだけの妻も満足。
またある夕食のテーマは“バゲットの日”。ハーブ入りのウィンナとドライトマトのソテー、焼いた春野菜のサラダ、チキンのシーザーサラダ、そしてベーカリー・ドゥ・マゴのバゲット。「うへぇ〜美味しい♡♡」妻が目をハートにして喜ぶ。“タケノコの日”よりもリアクションが大きいパン好きの妻。ハーブ入りのウィンナとバゲットが良いハーモニー。確かに旨い。白ワインとの相性もよろしい。「これ全部で2,000円ちょっとでしょう。作る気は全くないけど、2,000円じゃ到底作れない」と妻。確かにこの料理を作ろうとしたら食材に4〜5,000円、調理時間に1時間以上掛けて、30分ぐらいで食べてしまうし、野菜などの食材は使い切れずに残ってしまう。おっしゃる通り。ただ、全く作る気はないという発言が気になるけれど。
「お気軽なのにゼータクだし、ある意味エコでもあるよね」デパ地下のデリを買って来て食べるだけの中食。声高にエコだと言うつもりはないけれど、時間も、食材も、効率的に使える。とは言っても、仕事帰りにデリを買って帰るのも、買ってきた料理を盛り付けるのも私の仕事。「東急フードショー」と「東横のれん街」のどこにどんな店があるかも熟知している。和惣菜のいとはん、なだ万厨房、和食屋の惣菜 えん。デリならDean & Deluca、アールエフワン、ローゼンハイム。エスニック系の惣菜やドミニク・サブロン、ドゥ・マゴなどのベーカリーも充実。そして何より庶民的。お気楽夫婦のキッチン代わり。外食と中食のバランスを取りながら、付き合っていくことになる。
「今日もバゲットの日が良いな♡」何か買って帰ると私が送ったメールに、妻から返信リクエスト。了解しました。