Archive for 2 月 27th, 2011

Allez! Kiwi!「Christ Church Crisis」

Christ Church2008年10月、お気楽夫婦はクライストチャーチに滞在していた。ガーデンシティと呼ばれるその街は、広大なハグレー公園を中心に、街路樹、家々の生垣などの緑で被われた潤いと歴史ある都市だった。中心部にある大聖堂の周囲にも緑が溢れ、昔ながらの路面電車がのんびりと走り、パンティングを楽しむ観光客が川岸に並ぶ由緒ある建物や庭を愛でる。日本より時間がゆったりと流れ、きっぱりとした日射しが降り注ぐ。塵が少なく乾燥している空気は街の輪郭をくっきりと浮かび上がらせ、古い建物の存在感を際立たせていた。2011年2月22日、そんな美しい街を襲った突然のクライシス。尖塔が崩れ落ちた大聖堂の映像。跡形もないレンガ造りの建物。記憶にある風景との余りのギャップにおののいた。

Regentーウィ(Kiwi)と呼ばれるニュージーランド人たちはとても人懐っこくフレンドリーだった。無謀にもワールド・マスターズ・スカッシュという大会に参加したお気楽夫婦も、「グッダイ!」と気軽に話しかけてくるキーウィたちにすぐに親しみを覚えた。自らをもキーウィという呼び方をする彼らは、9,000kmを飛んできたスカッシュ仲間としてホスピタリティ溢れる扱いをしてくれた。自分たちの国を愛し、「ニュージーランドを楽しんでいるかい?」と尋ねては微笑み、ええ良い国ですねと答えると「それは良かった。楽しんでくれ!」と満面の笑みで握手をしてくれた。短期滞在での印象ではあるけれど、人種に対する偏見も少なく、アジア系の顔で街を歩いても居心地の悪さを感じずに済む国でもあった。そんな理由からか日本からの留学も多く、今回の地震での消息不明者の多くはそんな留学生たち。

NZ Wine興への支援の仕方はいろいろある。ストレートに義援金を出すのも良いだろう。僅かな期間ながらもクライストチャーチに滞在し、心地良く過ごせた経験を持つお気楽夫婦には何ができるだろう。こうして記事を書きながら、無責任な書き方はできないなとキーボードのタッチは重くなり、いつもの何倍も時間がかかっている。そうだ、敢えてお気軽に書こう。例えば、ニュージーランド(NZ)のワインを買おう。この記事で紹介しよう。ほとんどのワインがスクリューキャップのお気軽NZワインは、滞在中からお気に入り。昼から飲むカジュアル・ワインとして最適。帰国してからは意識してNZワインを買いこんで楽しんでいる。独りで飲み残してもスクリューキャップは保管が簡単。白ワイン好きの私には、ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネが中心のNZワインが普段飲みにぴったり。

Japan vs Franceころで、スカッシュの世界大会と言いながら、クライストチャーチの各会場の雰囲気はカジュアルだった。試合を終えた選手たちがワインを片手に仲間の試合を観戦。日本代表のナショナル・コーチであり、お気楽夫婦のコーチである山ちゃんと元世界チャンピオンであるリンコウの兄、パスカルとの対戦の時もそうだった。「Allez! Pascal!(行け!パスカル!)」そんな掛け声のフランスチーム。ワイングラスを掲げながらの大声援。日仏どちらのプレーにも公平な応援で意気投合し、試合後に記念撮影。そんな思い出もある、実に良い大会だった。Allez!という声援は、Go!と同意。スポーツ観戦の際に、元気の出る、そして前に進むことのできる声援として、心地良い響き。そうだ、スポーツ好きのニュージーランドに声援を贈るなら、Allez! Kiwi! だ。 Allez! Kiwi!

うだねぇ。またニュージーランドにも行かなきゃね」と妻。そう言えば、妻の集めているショップカードコレクションに足りないものがある。オークランドのシーフードレストラン。ショップカードを切らしていて、用意しておくからまた来てよというスタッフに、残念ながら今日がNZ最終日なんだと伝えると「あぁ、じゃあまたNZに来た時に寄ってもらえば良いさ!」と返された。そんなKiwiたちが住む国に、ショップカードを受け取りに、いつかまた羊の国を訪れよう。

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