パン食い・ワイン飲み満足コース「スモークハウスTERA」ご近所散策 祖師谷編

Hayazaki SakuraNanohana気楽夫婦の住む街の周辺には2つの川がある。目黒川の支流である烏山川、多摩川水系の野川の支流である仙川だ。烏山川の源流のひとつは、烏山寺町の高源院という寺にある(実際に鴨が渡ってくる)鴨池。お気楽夫婦の北側の散歩コース。一方、仙川は三鷹方面から甲州街道や京王線の下を流れ、祖師谷公園や成城学園の横を巡り、東名高速の下をくぐった後に野川と合流。その後、多摩堤通りに沿って流れ、二子玉川駅の下で多摩川に注ぐ。お気楽夫婦にとって普段の行動エリアの近くを流れる最も身近な川であり、南側の散歩コース。ある週末、そんな川沿いの道を非常時の帰宅ルートのひとつとしてじっくり歩くことにした。

SmokeHouse TERATERA Showcase震が起きて帰宅困難者になってしまった人々の姿を描く『HOME』という、劇団「マシュマロ・ウェーブ」の作品がある。かつて、前職の同僚が仕掛人の1人になり、その舞台をリアルな街に移し、実際に各街道をハイキングしてみるというイベントを実施した。実に先見の明があった企画。けれど、このような大震災が起きてからは再演は却って難しいと劇団関係者が3/16付けのブログで言っている。それはさておき(さて置くのか!)お気楽な2人にとって、ぐぐっとモチベーションが高まる仕掛けを散策コースに設定した。妻が大好きなハード系パンと、私の命の水のひとつであるワインを美味しくする食材をゲットするという企画だ。

L'atelier de PLAISIRBibou no pain田谷には農道から生まれた細く曲がりくねった道と、住宅街に点在する美味しい(けれど店の場所は分かり難い)店がある。迷い易い細道を辿って、探し難い美味しい店を巡るという世田谷らしいラリー企画。そこに妻の愛用するiPhoneという心強いパートナーを持参。最初に目指したのは祖師谷にある「スモークハウスTERA」という薫製屋さん。のんびり歩くと、仙川沿いには菜の花が咲き、お屋敷の庭から早咲きの桜が顔を出す。この店を訪ねるにはそんなたっぷりの時間か、迷っても良いという相当の覚悟か、ナビシステムが要る。最寄りの駅からは歩いて2〜30分。肉屋だったご主人が仕入ルートを活かして自宅で始めたというデリカテッセンの店。2人が着いた頃はランチタイムが終わり、スタッフのおばちゃんたちが賄いご飯の最中。箸を置き立ち上がったおばちゃんに「決まったら声を掛けますからどうぞ召し上がってください」と妻。「あら、どうもすみません」と食事に戻るおばちゃん。店構え、店内の雰囲気、接客の全てが、緩く温かく良い感じ。

SmokePain au Fruitぅ〜ん、迷うねぇ。どれも美味しそうだぁ♬」妻が唸る。確かにショーケースの中にあるローストビーフ、スモークした何種類もの肉、色とりどりのハム、手造りソーセージたちが「どうだ旨そうだろう!光線」を放ち、どれも視覚に訴える。迷った末、ローストビーフ、合鴨のスモーク、ピスタチオ入りのハム、ソーセージセットをゲット。ずっしりとした重量が嬉しい。「さぁっ、次は美味しいパンだぁ!」妻の足取りが軽くなる。次に向ったのは「ラトリエ・ドゥ・プレジール」という最近評判の自然酵母パンの店。祖師ケ谷大蔵駅と成城学園駅の中間、清楚な店構えの店内には“べっぴんさん”のパンが並ぶ。どれもが実に見目麗しく、どのパンからも「いかが?美味しくってよ!光線」が発せられている。ぴかぴかの輝きに参った参ったと、バゲットをはじめ何種類かのパンを購入。妻は満面の笑み。

ぁ〜っ、美味しい♡」買ってきたパン・オ・フリュイを齧る妻の目が輝く。粗挽きペッパーが効いた合鴨スモークも、涙ぐむほど美味しい。散策の最後に立ち寄った成城石井本店で買込んだワインとの相性も抜群。「ローストビーフもあの店らしい味♬」ローストビーフ好きの妻も太鼓判。ふんふん、こりゃ旨い。確かに派手ではないが丁寧な職人の味だ。片道約4kmの散策コースは、パン好きの妻にもワイン好きのアル中にも満足のルートだった。「また行かなきゃね」と妻。非常時の帰宅ルートならぬ、平常時のお気楽ルートとしておススメです。

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