Archive for 12 月 24th, 2011

北京ダックの謎「全聚徳」

Zenshutokuる週末、なぜか突然どうしても美味しい北京ダックを食べたくなったお気楽夫婦。それではと、急ぎ北京に向った。成田空港に…は向わず、地下鉄に乗る。北京で1864年に創業、147年の歴史を誇る北京ダックの名店「全聚徳」新宿店は、新宿三丁目駅から徒歩2分。店内は真っ赤なカーペット、テーブルクロス。スタッフは流暢な日本語と中国語を話す。客も中国人が多い。まるで北京。店の看板には焼き上がったダックの写真。席に着いて周囲を見回すと、各テーブルではすでに北京ダックを食べ始めていたり、目の前でシェフがダックを捌いていたり。大半の客は、お気楽夫婦と同様に、北京ダックを食べるために、この店にやって来る。2人もさっそく前菜、豆苗炒め、そしてダックを半羽オーダー。ビールを飲みながらダックの飛来を待つ。

PekingDuckPekingDuckwithsugarころで、「北京ダックは皮だけ食べる」「広東式の北京ダックは肉も食べる」というのが、日本ですっかり定着した知識。ちょっと前までは、あるいは私のような半可通の情報では、その通りではある。ところが日本の常識で言えば北京式であろう、この老舗料理店での食べ方は違う。最初にかりっと焼き上がった胸肉の皮だけ削ぎ、少量しか取れない貴重な部位に白砂糖をまぶしいただく。黄金色に輝くかりかりの皮と、皮の裏に付いている脂、砂糖の甘さが絶妙なハーモニー。これぞ北京ダック。ただし、飽きない程度に、少量で充分な濃厚な味。

DuckLadyBunsに食すのは、皮付きの肉。つまり北京式と広東式の良いとこ取り。荷葉餅(カオヤーピン)に甜麺醤を塗り、細切りネギ、キューリ、サンチュと一緒に巻いて食す。ダックの脂が染み出さないように、餅の端をていねいに折り畳み、スタッフの女性が巻いてくれる。巻いた餅の口が空いている端の方からがぶり。う〜ん、旨い!ダックの脂と野菜の味と歯触りが一気に口の中で混じり合い、広がる。この味だ。これを食べに北京まで来たのだ。「新宿だけどね」…今日は妻の突っ込みも速い。満足そうに頬張る妻。笑みが零れる味わいだ。あっという間に美しく巻いてもらった北京ダックを平らげた2人。スポーツジムで汗を流した後でもあり、今日は余裕の食欲だ。

MangoAnninDofuこで炭水化物を選ばず、デザートを選択する2人。パパイヤとタピオカ入りココナツミルク、杏仁豆腐をチョイス。熟し加減が絶妙のパパイヤに、ココナツミルクの風味が絶妙。「これ、すっごいよ。今まで食べた中で一番美味しい杏仁豆腐だよ!」珍しく興奮気味に、妻が杏仁豆腐を絶賛。意外なところで評価が上がる。思えばこの店、北京ダックの名店とは知らず、数年前に来店。「この店、北京ダックで有名らしいよ」と恐れを知らず宣わり、以来北京ダックと言えばこの店!と食べに来ること数度。小食の2人はデザートまで行き着かず、初のご対面。大正解だった。

京まで行かなくても、この店で充分だね」全聚徳の北京ダックが食べたくなると、作家の浅田次郎は北京に飛ぶという。お気楽な夫婦は北京ダックが食べたくなれば、電車に乗って新宿3丁目の北京まで。分相応の贅沢である。…それにしても突然食べたくなる衝動に襲われる北京ダック。自らは飛ぶことなく、丸々と太り、あの浅田次郎をして北京に飛ばせてしまう料理。魔性の一皿。謎の料理。あぁ、また…。

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