オリジナルケーキでお疲れさま♬「Take it easy ! Madame !」

MadameCakeダムと呼ばれる女性がいる。お気楽夫婦憧れのオトナの女性であり、飲み仲間であり、大切な友人。妻にとって彼女は目指すべき高みにいて、彼女のように年齢を重ねて行きたいと思わせる先達的な存在。そんな彼女がご主人の海外赴任に伴いワシントンDCに渡航。年末に何度も壮行会を開催し、一緒に飲み、泣き、笑い、歌を歌って見送った。それから半年近くが経った。Facebookやメールのやり取りで淋しさの一部は埋まるけれど、会いたいと思っても会えない距離は埋められない。何とも言えない喪失感に近い感情がいつも傍らにあった。「マダムどうしてるかなぁ」妻が思い出したように呟いた。

ShrimpFishしてこの春、マダムが待望の一時帰国。ただし、東京にはすぐに戻らず彼女の故郷鹿児島へ。独り暮らしの母親の介護のため。24時間態勢で母親に寄り添い、大学卒業後に家を離れてから初めての故郷暮らし。DCでの生活のために磨きを掛けようとした英会話はすっかり錆び付き、鹿児島弁が上手くなったと冗談まじりのメッセージ。いつものように、明るく朗らかで元気なコメントも、どこか疲れが滲む。介護疲れではないかと心配していた頃、2人の薩摩おごじょは大きな決断をした。鹿児島にずっと暮した母親が、マダムの兄夫婦と同居をするのだという。

EgaoCake2親の引越に合わせて、マダムが東京に帰ってきた。ご主人の転勤に合わせ長く海外に暮し、東京での生活の後、ワシントンDCに引越した後に、母親の引越。まるでマダムは引越のプロ。けれど今回は、彼女たちの原点である故郷を離れるという重い決断。この春には自分のお子さんも大学卒業、就職と親の元を巣立った。一気に家族の環境や関係がめまぐるしく変わったはず。それをスカッシュ仲間で集まり慰労しようという趣向。けれど、マダムは貯まっているはずの疲れなど見せず、輝くような笑顔で約束の店に現れた。予約した店は仲間の間でも評判の「広東料理Foo」。焼き菓子の名店プティポワソンのパティシエ、マコちゃんに依頼し、マダムの似顔絵入りのオリジナルケーキも事前に用意した。「どんな方ですか?」マコちゃんの質問に「ゴージャスな感じで、それにお酒好き!」妻のリクエストは明確。

Memorial日の夜、仕事の関係で三々五々に集まるメンバーたち。「マダムお帰りぃ」「お久しぶりっ」「きゃあ〜!マダムぴかぴかきれ〜♡」それぞれが彼女に声を掛け、近況を尋ね、ハグをする。乾杯が繰り返される。笑顔が溢れる。タイミング良く前菜を出してもらいながら、全員が揃ったところで海老の湯引き、アズキハタの姿蒸しなど、さらに笑顔になる絶品料理を味わう。ワインボトルがどんどん空いていく。みんな楽しそうだ。マダムという太陽のような女性の回りで、スカッシュ仲間の笑顔も輝く。

事も一段落、デザートのケーキはマダムにナイショのサプライズ企画。ボトルを抱え、ワイングラス片手の似顔絵のマダムのように笑顔が弾ける。そしてケーキを頬張ったスカッシュ仲間の目が輝く。「このクリーム滑らかで美味しいぃ〜っ」「何?このフルーツのソース、すっごいねぇ」見た目も味も、ゴージャスなのに繊細で、スポンジとクリームとフルーツソースのバランスが絶妙。確かに凄い。マコちゃんのケーキに惚れ直す。そして何よりマダムの雰囲気にぴったり。薩摩おごじょは気立てが良く、優しいしっかり者。そしてケーキには、ささやかなメッセージ。マダムを姉と慕う一人っ子の妻が、頑張り過ぎないで!との気持を込めた。

ダム、Take it easy !

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