シュッとしたホテル「アンダーズ東京」
2015年 2 月15日(日)
都内のホテルに宿泊すると言うと、「えぇ〜っ!なんで?」と驚かれることがある。1泊2日の旅行なら、わざわざ東京で過ごすことはないじゃないかという反応。ごもっとも。けれど、例えば東京−大阪の新幹線料金は、往復で約30,000円。2人なら60,000円。所用時間は往復で6時間。この代金と時間を都内のホテル滞在に充てると、ラグジュアリーなホテルに宿泊でき、たっぷりと余裕のある時間を過ごすことができる。お気楽夫婦は元々どんな街や場所に出掛けても、観光よりも滞在するホテルで過ごすことを優先する。と言うよりも、宿泊したいと思ったホテルを訪ねるために旅に出るというのが正しいかもしれない。だから、都内のホテル滞在はコスパ良しの旅なのだ。
とは言え、さすがに何かのきっかけ(自分たちへの言い訳)がなければ、お気楽夫婦と言えども散財は出来ない。そこで10数年前から実行し始めたのが、誕生日のお祝いという免罪符を使った企画だ。“妻が”行きたい!と思うホテルをセレクトし、“私の”誕生日お祝い企画として予約をする。そして、せっかくゼータクな部屋に宿泊するのだから、友人たちをお招きして一緒に過ごしてもらえれば、同じ料金で2人で過ごすよりもお得な気持になるという発想だ。そして2015年の誕生日に妻が選んだのは、「アンダーズ東京」。2014年に開業した虎ノ門ヒルズの47階から最上階の52階に位置する、客室数わずか164室というハイアット系のスモール&ラグジュアリーホテルだ。
ホテルの入口は、かなり分かり難い。ベルスタッフに案内され、秘密クラブへの入口のような狭い通路を通り、専用エレベータで52階へ向かう。エレベータ内部にはスタイリッシュなデザインの魚のレリーフ。最上階に降り立ってもフロントは見当たらない。ラウンジの椅子に座り、ウェルカムドリンクをいただきながらチェックイン。客室専用エレベータで階下に降り、光のコリドーを通り、部屋に向かう。ゲストルームの部屋番号は、目立たないように足下に、けれども分り易いように大きく表記されている。部屋に入るとワイドなビュー。マッカーサー道路も、お台場も、スカイツリーも、皇居さえも眼前に広がる。曇っているのがちょっと残念だけれど、実に爽快な眺めだ。
お気楽夫婦のホテル選びの基準のひとつ、充実した設備のジムに向かう。37階にある「AO(アオ)スパ&クラブ」は、文字通りの天空のジム。トレッドミル、クロスウォーカーなどが、全て足下に広がる都心の風景に向かって設置されており、走っていると窓の向こうまで飛び出して行けそうな心地良いレイアウトだ。フィットネスマシンは全て最新で、操作部の画面はタッチパネル。高画質で撮影された映像のランニングコースを選ぶことができ、例えばサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジを眺めながら海岸線を走れたりする。実際に走っているように映像が動く!のだ。こりゃすごい。「ここでずっと走っていたいなぁ」ジムおたくの妻の呟きも納得。
朝食はメインダイニング「アンダーズタバーン」のビュフェ。オープンキッチンのカウンタの上に、出来立てのホットミール。どの料理も盛付けがオシャレで食欲をそそる。ご飯は炊いた土鍋のままで置かれ、コールドミールの上には乾燥を防ぐために濡れた紙が乗せられている。デニッシュなどのパンも種類が豊富で、しかも少量しか出されておらず、減るとスタッフがどこからか現れ、すかさずパンを補充する。だからいつも美しい状態が保たれる。洗練され、スマートな、シュッとした演出。そんな朝食をつい食べ過ぎた妻は「食べた分、また走るよ!」と宣言。こうして“私の”誕生日のお祝い企画でエンジョイする妻なのだった。