健全な夜遊びは、夜遊びじゃない?「マデュロ」

CycloBánh xèo本木に17:30。だいたい、この待ち合わせ時間からして健全である。ましてや待ち合わせの場所は、日比谷線六本木駅から直結の「あおい書店」だ。高校生か。待ち合わせの相手は、スカッシュ仲間の役員秘書。店に入るとすぐに視線が合い、思わず笑顔になり、互いに大きく手を振り合う。密やかさなど全くない。まぁ、妻が一緒だから当然なのだけれど。3人で向かったのは「ヴェトナミーズ・シクロ」という名前の通り、お気に入りのヴェトナム料理の店。同じ六本木のピラミデビルの1階にあった店舗が、2014年1月に移転。以前の店舗には何度も訪れたけれど、新店舗は初の訪問。万全に店の場所を確認してきたはずの妻が迷う。スマホで確認して店の入口を発見。地下に向かう階段の前に看板だけ、確かに分かりにくい場所ではある。

Ricepaxiぁ〜っ、ステキ」店の扉を開けると、一気に南の島のリゾート気分。役員秘書が小さく歓声を上げる。オシャレで豪華な内装は前の店と同様。家庭的な内装が多いヴェトナム料理店が多い中、異色とも言える。早い時間にも関わらず、半分以上の席が埋まっている。バンセオ、アサリとハマグリのバジル炒め、蓮の葉蒸し焼飯などをオーダー。「パンセオって何?どれも美味しそう♡」感情体温が低いお気楽妻とは対照的に、高めのテンションの役員秘書がきゃいきゃいと喜ぶ。さすがの女子力の高さ。これが妻なら、例えば知らないメニューがあっても、何だろうと思いつつも、たぶんこんな料理だろうと類推し、出てきた料理が想像と違っていても即座に頭の中で情報を修正し、だと思っていたという顔をし、自分の気持ちをコントロールする。好対照な2人。

mimietmemestage事の後、そんな2人と一緒に向かったのは、友人の娘が出演するライブ。桜の頃に開催された企画の第2弾。前回同様にヴァイオリン、チェロ、ピアノ、サックスの演奏とダンスパフォーマンス、映像のコラボレーション。ワインを飲みながら鑑賞。前回と同じメンバー、同じ会場、観客も半数は前回と一緒?ということもあり、パフォーマーも観客もリラックス。安心して楽しんでいるという雰囲気。それにしても、楽器を自由に操る才能(あるいは努力、おそらく両方)には頭が下がる。心から尊敬する。実は、私にはここで初めて明かす秘密がある。中学の入学祝いに買ってもらったクラシックギターを独学で弾き始め、1曲も最後まで弾けぬままに終わってしまった暗い過去を持っているのだ。そう言えば、縦笛もあまり得意じゃなかったなぁ…と遠い目になる。

maduroginう少し飲んで帰ろうか、という提案は却下されると思っていた。酒を飲まない妻、ビールか梅酒を1杯程度の役員秘書。時間は9時を回ったところ。食事は済んでいる。自分だけが夜遊び気分だと思っていた。だから、2人のOK!が、かなり嬉しかったのだと思う。何しろお気に入りのバー「マデュロ」を選んだのだから。場所は「グランドハイアット東京」の4階。なのに一度6階のレストランフロアで降り、中庭を通って4階まで専用のエレベータで降りるという秘密クラブのような店。合言葉は必要ないけれど、大きな木製の扉を前にすると初めての時は躊躇する。音もなく(自動ドアだから当然だけど)開いた扉の向こう側は異空間。天井が高く、巨大なフロア、ステージではジャズライブ。香港の蘭桂坊(ランカイフォン)辺りにありそうな、不埒な香りがする店だ。

ンアルコールのカクテルください」2人が声を揃える。あちゃあ。カラフルな2種類のカクテルが登場し、わーきゃー喜ぶ役員秘書。ふふふ。このメンバーで過ごす時間は、いい意味で気を遣うことがなく、心地よい。不埒な気配は露ほども漂ってこないけれど、リラックスできる時間と空間だ。ボンベイサファイアをぐびり。健康的な話題を交わしながら、ドライフルーツをつまみ、ミックスナッツをかじる。不埒なバーで健全な時間を過ごす、という快楽もある。何だか久しぶりに夜遊びを楽しんでいるご機嫌な気分。2杯目のジンをぐびり。いい夜だ。

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