Larryは何しに日本へ?『わが心のジェニファー』浅田次郎

AsadaJiroTV東京の「Youは何しに日本へ?」という番組が妙に気に入っている。毎週月曜日、早めに帰宅してこの番組を視るのが1週間の始まりのルーティーン。“インバウンド”というワードが広く浸透した今年、この番組の人気も一役買っているに違いない…のかな。知らない方にこの番組をかんたんに説明すると、“You”とは日本に来ているガイジンさんたち。成田空港や街角で文字通り「Youは何しに日本へ?」と質問し、同行取材したり、その場で(ダンサーだったりしたら)踊ってもらったり、というユルい設定(バナナマンが司会だしね)の低予算番組。これがツボにはまるのだ。日本人なら当然と思って生活している習慣が“You”にとっては不思議だったり、日本人がフツーに使っているグッズが関心するモノだったりという、そのギャップにクスッと笑ったり、大笑い、時々苦笑いというお気楽な内容。

Jennie田次郎の『わが心のジェニファー』を読みながら、このTV番組を思い出した。日本びいきの恋人にプロポーズしたところ、OKする条件として「日本に行って来て!」というミッションを受け、アメリカから来日した主人公Larry。成田空港に到着したくだりから、まさしく「Larryは何しに日本へ?」の旅が始まる。番組スタッフたる浅田次郎が空港でラリーにインタビューをして、密着取材の了解をとって一緒に付いて回っている感じ。少し大げさなくらい、ガイジンの視点で語られる。成田空港に到着した日系航空会社の“わずかな”到着遅れを詫びるアナウンスに始まり、清潔でオートマチックなトイレ、ズラっと並んだバス停に整然と列を作って待つ人々、歪みなどなくピカピカに磨き上げられた窓ガラス、凹んでいないピカピカな自動車、都心に向かうリムジンバスの中はささやき声しか聞こえない。ふむ。フツーなことだね。

Iga崎美子のすずらん本屋堂」というBS11の番組からお誘いがあり、公開収録に参加した。以前、番組スタッフが私のブログで浅田次郎の作品を取り上げていた記事をを読んだとのことで、インタビュー撮影を依頼され、無事に放送された。そのご縁で、早々に新刊本をお送りいただき、感想を語る役回りをいただいた。その新刊本が『わが心のジェニファー』だったのだ。「Youは何しに日本へ?」のYouのように、アメリカ人ラリーの目を通して描かれ語られる日本。日本人にとって嬉しかったり、恥ずかしかったり、誇らしかったり。日本を再発見し、表面的な側面と内包された側面との日本文化の二面性に気づかされる。そんな過程がおもしろ可笑しく描かれる浅田次郎の作品は、電車の中で読んではいけない。爆笑ではなく、我慢できずにクスッと笑ってしまう分、周囲の人に奇妙な目で見られてしまう。気をつけなければ。

MiyazakiYoshikoTV用に、そんな話を盛って語ってしまった。電車で読むのを止めて、自宅に帰って読んだと。はい、嘘ついてました。読み始めたら面白く、自宅で一気に読んでしまったのは事実で、電車の中で読んではいかん!と思ったのも正直な感想ではあるけれど。…それにしても、番組の司会である宮崎美子さんは知的で、気遣いができる、魅力的なオバさんだった。学生の頃、彼女はミノルタのCFで「今の君はぴかぴかに光ってぇ〜♬」という曲にのって、木の下でジーンズを脱いで、水着に着替える(その下に履いていた水着になる)姿で鮮烈に登場した。その前は、週刊朝日の表紙で企画された女子大生(当時は熊本大生)を篠山紀信が撮る、というシリーズで話題になった、はず。あれ?なんだか詳しいぞ?俺。番組の公開収録に喜んで参加したのは、浅田次郎に会いたかったからではなく、宮崎美子に会いたかったから?自問自答する。

IGAは何しに公開収録へ?」楽しく、貴重な体験でした。

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