馴染みの宿で「グランドハイアット香港」

livingroombedroom港にずいぶん行ってないねぇ。今年は行くよ!」と、年明け早々さっさと航空券とホテルを予約したお気楽妻。以降、「香港、早く行きたいぞぉ!」と、指折り数えて過ごした半年余り。ようやくやって来た夏のヴァカンス。2013年の12月以来、11度目の香港に出かけた。妻の調査によると、ほぼ全室のリノベーションが終わった馴染みの「ホテルグランドハイアット香港」にあって、なぜかいつも指定する「ハーバービュースイート*」だけが古色蒼然とした内装だったのだけれど、ようやく全面改装したらしい。これも楽しみだった。*ハイアットのポイントを貯め、ポイントを使ってスイートルームにアップグレードする、という技を駆使する妻。さすがである。

gympoolニンシュラ、マンダリンオリエンタル、リージェント(現在はインターコンチ)、シャングリラと、綺羅星のごとく極上ホテルがある中で、それらに全て宿泊した上で、お気に入りはグランドハイアット。11回の香港滞在の内、なんと8回目(1滞在で複数ホテルの宿泊もあり)の宿泊。通算宿泊数も今回で20泊を超える。お気に入りの理由はいくつかあるが、ひとつはホテルのロケーション。ヴィクトリアハーバーに面し香港らしいビューが楽しめること、市場巡りなどの街歩きに楽しい灣仔(ワンチャイ)が最寄りで、中環(セントラル)や銅鐸灣(コーズウェイベイ)にも出かけやすいことが魅力。さらには、コンパクトながら充実したジムがあり、何よりもスカッシュコートがあることだ。

loungegardenップグレードした客室に入るなり、「うわぁ♡」と妻が声を上げる。この短い感嘆詞は、感情体温の低い彼女にとっては最大級の賛辞。同じ間取りなのに、格段に機能的になり、リンビングルーム、ベッドルーム、バスルームと回遊ができるレイアウト。デッドスペースや無駄な装飾がなく、すっきり。「おぉっ」と妻が続ける。大きくなったバスタブはベッドルームに向かって壁がなく、部屋越しに夜景を眺められるビューバスになった。素晴らしい。クローゼットは2ヶ所にあり、ジムで走った後に洗ったウェアを干す場所にも困らない。これはかなり嬉しい。TVも大型の壁掛けタイプに変わり、バスルームにも3台目が追加された。読書にぴったりの大きめのソファも◎。

cityviewgrandhyattWellcome back!」チェックインした直後にジムで汗を流し、クラブラウンジに向かうと、馴染みのスタッフが笑顔で挨拶してくれる。長年スタッフが変わらず、彼らとの会話も嬉しい。小食の2人は、このラウンジのカクテルタイムで供されるオードブルで夕食を済ますことも多い。飲み干そうとする絶妙のタイミングでニコニコとやって来て、「Enjoy!」と言いながら、シャンパンをグラスに満たしてくれる。この“わんこシャンパン”が嬉しいこともある。料理のレベルも高く、毎晩メニューも変わる。朝食のヴァリエーションも豊富で、何日かの滞在でも飽きさせないどころか、食事の時間が待ち遠しくなる。「食べ過ぎちゃうからジムで走るよ!」と妻がいつも通りに宣言。

ラブラウンジは、ちょうど今回の滞在では改装中で、仮のスペースでサービスを行っている。「いつ完成するの?」スタッフの1人、いつも忙しそうに動き回るMr.スコットが一息ついた頃を見計らって、妻が彼に尋ねると、9月中には完成とのこと。「きっとエクセレントなスペースになるよ」と彼も嬉しそう。彼のようなフランクで慇懃ではない接客もこのホテルの魅力。「あぁ、それは楽しみ。またすぐ来ます!」という妻のことばは、決して社交辞令に聞こえないのは何故だろう。

リカバリー成功?「iMacとテニス肘」

iMac2008iMac2015候はあった。自宅で作業しようと会社から送ったエクセルのファイルが開かなくなった。仕方なく画面の小さなMacBookAirで作業。老眼には辛い。画像を開こうとすると、通称「レインボーくるくる」が画面に現れて、ずっと回り続ける。再起動もできず、電源をぶちん!と抜いて起ち上げる。それでもレインボーぐるぐるは続き、ぶちん!を繰り返す。ストレスが溜まる。そんなiMacを買い換えようかと話題にしだしたのは2、3年前。それでも何とか使い続けてきた。見た目(システムには余り関係なし)は元気そう。愛着もある。とは言え、余命わずかかなとも思っていた。そしてある日突然、起ち上がらなくなった。ご臨終か。我が家にiMacがやってきたのは、2008年8月。そうか、7年間もの間、健気に頑張ってくれたのか。とは言え、ピンチだ!

New iMacRecoveryゃあ、買いに行こう!」そんな時の妻の決断は早い。その日のうちにビックカメラでiMacを購入、翌日には到着。データはタイムマシンで取り込めば…。すまん!外付けのHDの起動音が煩くて、最後にデータのバックアップをしたのは去年だったと告白。「むむっ」と唸る妻。今度は壊れたiMacと一緒にタクシーに乗り、アップルストアのジーニアスバーに向かう。いろいろ診てもらうが起ち上がらない。HDが壊れている訳ではなさそうだが、最新のファイルが救えない。Macの師匠に助けを求めると、ファイルを救うアプリがあるという。さっそくアマゾンで「データレスキュー」というアプリを購入し、何とかデータを復旧することができた。(←今ここ)ふ〜う。「これからはマメにデータ更新しなさいね!」と妻の厳しいおことばに頷く。

PRP2012PRP2Wじ頃、長年患っている右肘の痛みが悪化していた。最初は2008年の春、テニスで痛めたのがきっかけ。鍼灸院や整体院に通ったり、整形外科での治療で完治しないどころか、余りの痛さに右手を使うことができず、半年程は左手でプレーしていた。その後しばらくは痛みも緩和していたものの、2012年夏に再発。仕事にも支障をきたすようになり、PRPという治療に踏み切った。自分の血液を採り、血小板を取り出し、組織の活性化を図るという再生治療の一種。CT、MRIなどで検査を行い、保険が使えない自費治療ということもあり、10万円近くかかった。それでも痛みはほぼなくなり、投資した甲斐はあったと満足していた。あれから3年。肘の痛みに、また痛い出費が必要なのか。前回の病院に行き相談すると、他の大きな病院を紹介するとのこと。

PRP2015BeforeAfterPRP治療のご経験があるんですね。切ったり注射したりするよりも、再生するというポジティブな治療だから、私はオススメしてるんですよ」紹介先の病院の担当医は明るく宣言。「じゃあ、今からやりますか?」え???確か前回は患部を固定し、2週間ほど安静にしている必要があったはず。仕事の調整が…。「固定は必要ないです。固定しても余り結果は変わらないですね」は?前回苦労したあの日々は。「あ、料金は」そう、それが大事。「10,000円です」え?「あ、違った」やはり。「10,800円でした」はい。では、すぐにお願いします。5分後、左手から血液を採り、遠心分離器にかけ、血小板を取り出し、患部に注射。「余り注入し過ぎても、腫れるだけだしね」はい、前回はすごく腫れました。「これで効果が出なかったら、またやりましょう」軽っ!

後1週間後、経過を診ていただくために再訪。「痛みはいかがですか」断続的に患部や手首に痛みが走ると伝えると、「再生の過程で痛みが出ることもあります。ダイジョーブですよ」相変わらず軽いノリ。スカッシュはいつ頃からできるでしょう。「まずは様子を見ながら、右腕のリハビリで軽い運動をしてみてください。スカッシュはそれからですね」と言われた2日後、ボールを打ってみると、ボールがラケットに当たる度に痛みが走る。さすがに無理か。前回の術後の様子を自分のブログで確かめてみると、スカッシュができるまで1ヶ月かかっている。そりゃそうだね。主治医の軽いノリに、つい先走ってしまった。ではスカッシュはしばらく封印。とは言え、前回と大きく違い、パソコンを使ったりする日常生活に支障がないというのはありがたい。こうしてiMacと肘が壊れた夏。何とかリカバリーは上手くいった模様。これで思い煩うことなく、来週からのヴァカンスに突入だ。

健全な夜遊びは、夜遊びじゃない?「マデュロ」

CycloBánh xèo本木に17:30。だいたい、この待ち合わせ時間からして健全である。ましてや待ち合わせの場所は、日比谷線六本木駅から直結の「あおい書店」だ。高校生か。待ち合わせの相手は、スカッシュ仲間の役員秘書。店に入るとすぐに視線が合い、思わず笑顔になり、互いに大きく手を振り合う。密やかさなど全くない。まぁ、妻が一緒だから当然なのだけれど。3人で向かったのは「ヴェトナミーズ・シクロ」という名前の通り、お気に入りのヴェトナム料理の店。同じ六本木のピラミデビルの1階にあった店舗が、2014年1月に移転。以前の店舗には何度も訪れたけれど、新店舗は初の訪問。万全に店の場所を確認してきたはずの妻が迷う。スマホで確認して店の入口を発見。地下に向かう階段の前に看板だけ、確かに分かりにくい場所ではある。

Ricepaxiぁ〜っ、ステキ」店の扉を開けると、一気に南の島のリゾート気分。役員秘書が小さく歓声を上げる。オシャレで豪華な内装は前の店と同様。家庭的な内装が多いヴェトナム料理店が多い中、異色とも言える。早い時間にも関わらず、半分以上の席が埋まっている。バンセオ、アサリとハマグリのバジル炒め、蓮の葉蒸し焼飯などをオーダー。「パンセオって何?どれも美味しそう♡」感情体温が低いお気楽妻とは対照的に、高めのテンションの役員秘書がきゃいきゃいと喜ぶ。さすがの女子力の高さ。これが妻なら、例えば知らないメニューがあっても、何だろうと思いつつも、たぶんこんな料理だろうと類推し、出てきた料理が想像と違っていても即座に頭の中で情報を修正し、だと思っていたという顔をし、自分の気持ちをコントロールする。好対照な2人。

mimietmemestage事の後、そんな2人と一緒に向かったのは、友人の娘が出演するライブ。桜の頃に開催された企画の第2弾。前回同様にヴァイオリン、チェロ、ピアノ、サックスの演奏とダンスパフォーマンス、映像のコラボレーション。ワインを飲みながら鑑賞。前回と同じメンバー、同じ会場、観客も半数は前回と一緒?ということもあり、パフォーマーも観客もリラックス。安心して楽しんでいるという雰囲気。それにしても、楽器を自由に操る才能(あるいは努力、おそらく両方)には頭が下がる。心から尊敬する。実は、私にはここで初めて明かす秘密がある。中学の入学祝いに買ってもらったクラシックギターを独学で弾き始め、1曲も最後まで弾けぬままに終わってしまった暗い過去を持っているのだ。そう言えば、縦笛もあまり得意じゃなかったなぁ…と遠い目になる。

maduroginう少し飲んで帰ろうか、という提案は却下されると思っていた。酒を飲まない妻、ビールか梅酒を1杯程度の役員秘書。時間は9時を回ったところ。食事は済んでいる。自分だけが夜遊び気分だと思っていた。だから、2人のOK!が、かなり嬉しかったのだと思う。何しろお気に入りのバー「マデュロ」を選んだのだから。場所は「グランドハイアット東京」の4階。なのに一度6階のレストランフロアで降り、中庭を通って4階まで専用のエレベータで降りるという秘密クラブのような店。合言葉は必要ないけれど、大きな木製の扉を前にすると初めての時は躊躇する。音もなく(自動ドアだから当然だけど)開いた扉の向こう側は異空間。天井が高く、巨大なフロア、ステージではジャズライブ。香港の蘭桂坊(ランカイフォン)辺りにありそうな、不埒な香りがする店だ。

ンアルコールのカクテルください」2人が声を揃える。あちゃあ。カラフルな2種類のカクテルが登場し、わーきゃー喜ぶ役員秘書。ふふふ。このメンバーで過ごす時間は、いい意味で気を遣うことがなく、心地よい。不埒な気配は露ほども漂ってこないけれど、リラックスできる時間と空間だ。ボンベイサファイアをぐびり。健康的な話題を交わしながら、ドライフルーツをつまみ、ミックスナッツをかじる。不埒なバーで健全な時間を過ごす、という快楽もある。何だか久しぶりに夜遊びを楽しんでいるご機嫌な気分。2杯目のジンをぐびり。いい夜だ。

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SINCE 1.May 2005