今日も元気に営業中!「BISTRO&BAR808」

INABABEER2組のカップルが万全の準備で「ビストロ808」にご来店。ビストロ808のルールはただ一つ。会費は無料だけど、自分が飲みたい、飲める分だけの酒を持参すること。後は、マスターのお任せ料理を味わうだけ。すると、酒豪ぞろいのカップルたち、というか全員飲んべの4人、酒屋で買い込んだ大量のビールやワインを、なんとスーツケースに入れて持って来た(笑)。「泡は冷やしてもらって良いですかぁ」と、写真のワイン以外にもスパークリングが何本か。お土産ではなく、本気で飲もうとしているのだから怖ろしい。「だって、シェフの料理美味しいんですもの」とくすぐられつつ、料理の仕上げに掛かる。その日は一緒にスカッシュをした後の飲み。たっぷり汗を流した後に飲むビールも、ワインも、美味しいに決まってる。さぁ、ビストロ808、開店だ。

MENUPARTYニューはいつも通りのビストロ料理。看板を掛け替えて「居酒屋八十八」の新規開店という方向性もあったが、5度の来訪記録を持つ友人夫妻が強くビストロを推し、「キャロットラペとパテドカンパーニュが食べたい!」と言ってくれたため、ビストロとして開店。シェフとしては嬉しい限り。「わぁ〜、やっぱりパテもラペも美味しい」「真似して作ってみたら“和”になっちゃったんですよぉ」との声。ふふふ。師匠(カウンタ席に座りレシピやコツを聞き出すだけの柔な弟子だが)である「ビストロトロワキャール」のシェフ、聡ちゃんにお礼せねば。今回は、師匠にパテの固さが足りないのはどうしたら良いかと尋ねると、粗めのひき肉を使うべしというアドバイスを忠実に守り、パテも上手くできた。キャロットラペも妻の弁当用に何十回も作った成果か。

BEEFDISHES登場メニューを含むその日のメニューは「クレデュテ(キャロットラペと紫キャベツのマリネ)、パテドカンパーニュ、生ハムメロン&シャインマスカット、タイのカルパッチョ、イチジクと牛肉のタリアータ、たっぷりベーコンのシーザーサラダ、3種のチーズのサラダ、サーモンのレモンバター蒸し。シェフとスーシェフ渾身の(笑)料理たち。「どれもオシャレで美味しい♬」「イチヂクと牛肉って合うんですね」初訪問の初々しい?カップルの反応も嬉しい。なんだか可愛いぞ。いつの間にかスパークリングワインが空き、何本かの白ワインが空く。これはどう?と香港のホテルでウェルカムワインとして部屋にあった1本を差し出すと「うわぁ、これ良いワインですよ」とワイン好きのご夫婦が歓喜。分かる人に飲んでもらえれば何より。その赤もあっという間に空に。

SLEEPYBAR808も老けて、いつの間にか2人の姫はお眠♡の模様。スカッシュで走り回って、ガンガン飲んだ結果。じゃあ、こっちで飲もうか!と飲み足りない男ども用に、キッチンの横のカウンタに「立ち飲みBAR808」を急遽開店。小鉢にちょっとしたおつまみを供し、カウンタに並べる。2人が並ぶとちょうど良い感じ。とっておきのジンライムを作ると、「うわぁっ!IGAさん、これ美味しい!初めてジンを美味いと思ったぁ」と一段とテンションが上がる2人。いつの間にやら肩を抱きだしたぞ。どうやらご機嫌に酔っ払っている模様。姫たちが目覚め、飲み直し。復活して飲む酒もまた美味しい。すると、代わりに酔ってソファに沈み込んだダンナを弄る嫁。この夫婦のテンションは、実に良くバランスが取れている。今日のゲストも良い感じだ。なんだか楽しい夜だなぁ。

理もお酒も期待以上に美味しく、大満足でした。でも、飲みきれず、不甲斐ない結果になってしまい、すいません!また今度リベンジさせてください!」翌日、そこかいっ!という突込みどころ満載のメールが飲んべ女子から届いた。そんなリベンジならいつでもおいで♡来店回数TOPのご夫婦は少し離れた街に引っ越してしまうけど、またのご来店を!ビストロ808、そしてBAR808、不定期な開店ながら、元気に営業中!

ここは中国?ポルトガル?「澳門、Macao、マカオ」

Tarochonfun港島のフェリーターミナルから1時間。15分おきに出航するカタマラン(双胴)の高速船は、居眠りする間もなくマカオに到着する。10度以上香港を訪れたお気楽夫婦なのに、なぜかマカオは初訪問。1997年にイギリスから返還された香港に続き、1999年にポルトガルから中国の特別行政区となったマカオ。だから香港-マカオ間の移動もパスポートが要る。因みに、そのフェリーターミナルを比較するだけで2都市の違いが分かる。圧倒的にマカオが清潔で、香港は猥雑。2006年にカジノの売上でラスベガスを抜き、世界一のギャンブル都市となったこと、1人あたりのGDPが世界屈指の水準であることが要因なのだろう。1970年代前半に、沢木耕太郎が『深夜特急』の旅の中で、香港滞在中に訪れ、「大小」というギャンブルで大負けをしてしまった街でもある。

senado squareMercadores宿泊先は「マンダリン オリエンタル マカオ」。マカオでは珍しく、カジノを運営していないラグジュアリーホテル。雨模様ということもあり、チェックインしてすぐにホテル内の「ヴィダリカ」でランチ。ポルトガル料理と中華料理のメニューがあるメインダイニング。これが正解。アヒルを模したタロイモ揚げ、焼豚の腸粉、フカヒレのスープ餃子など、どれも優しく上品な味付けで、実に美味しい。「これは当りだね」妻もご機嫌。アヒルを頭から齧りながら、その日の行動計画を話し合う。基本的には2人とも観光にはほぼ興味がないながら、セナド広場と聖パウロ天主堂ぐらいは行こうか、ぐらいのノリ。タクシーに乗って街の中心部に向かう。ところがチャイナパワーを甘く見ていた。週末ということもあり、街は竹下通り並みの激混み。観光中止!撤収!

casinoMGMパウロ天主堂は諦め、人混みを避けながら街を彷徨う。ポルトガルを感じさせる「大堂(カテドラル)」や、香港と変わらぬ野性的な水産物市場などに出くわし、アズレージョというポルトガルの装飾タイルを使った住居表示(ポルトガル語と中国語表記)を眺め、タイル敷きの美しい歩道に感心する。タクシーを拾おうと乗場の列に並び観察すると、割り込む人もいない。もはや中国人の国なのに、まだ中国ではなく、ポルトガルの香りも残る。ホテルに戻り、スパの予約。これがお気楽夫婦流。外出は終了。とは言え、予約した時間までお隣の「MGM」のカジノでも見学しようと出かける。これがすごい。施設の中に巨大な吹き抜け、謎のオブジェ、魚が泳ぐ巨大な水槽。カジノにフリーパスで潜入。賑わう施設にびっくり。ここでもチャイナパワーに圧倒される。

goosesweetsぅ」。カジノの中で写真を撮っているところを係員に見つかり、中国語で(たぶんプライバシー保護の観点で写真は撮ってはいけない)注意され、大丈夫!大丈夫!(と、理由になっていない日本語で堂々と)答え、這々の体でホテルに逃げ帰る。カジノもショッピングモールもない我がホテルは安息の場所だ。スパでリラックスし、平静を取り戻し、いざ夕食へ。チャイナパワーに辟易としたためホテル内の「ヴィダリカ」再訪。ランチは中華料理だったから、ポルトガル料理でも、と思いつつ中華メニューを選んでしまう2人。大陸人は好きになれなくても、中華料理は嫌いになれない。大好物のローストダックの梅ソース、芥蘭(カイラン)のオイスターソース炒めなどを堪能。旨し。

LouisVittonPonte食の後、ホテルの外に出て夜景鑑賞。MGMのショッピングモールのルイヴィトンの青に目が眩み、遠景の「グランドリスボア」の異形に慄く。沢木耕太郎がカジノで大敗した「リスボアホテル」の新館であり、マカオタワーと並ぶ街のランドマーク。街のどこから見ても目立ち、かつ周囲とは調和しない独特の存在感があるフォルム。このセンスは上海の摩天楼群にも似て、金ぴかな現代中華文化の香りが漂う。観るだけで落ち着かず、妙な圧迫感を感じてしまう。ホテルに戻り、バスタブにお湯を張る。ふぅ〜。全面窓のビューバスに身体を浸し、外を眺める。タイパと結ぶ3本の橋を行き交う車、マカオタワーが闇に輝く。穏やかな眺めにホッとする。それに、香港と同様にfacebookも制限なく使えるし、香港にも似ているが、マカオはマカオだなぁとしみじみ。

の街は、中国であり、ポルトガルであり、何よりもマカオ。そう言えば、香港に向かうANAの機内で「私は香港人です。まだ日本語上手ではないので…」とCAが言っていた。彼女はホンコニーズであり、チャイニーズではないのだ。たぶんマカオも同様。中国から分離され、独自の文化を育み、本土とは違う人が生まれた。返還後も50年間は現状保全を認められたが、じわじわと制限範囲が広がっているらしい。一国二制度が香港にもマカオにも適応されているが、果たしていつまで続くのか。あるいは不健全な本土の一党独裁がいつまで続くのか。「香港やマカオが中国になったら、私はもう来ないかなぁ」妻の言い分は一貫している。Agree!

この店で味わうために♡「龍景軒(LUNG KING HEEN)」

LUNCHLUNCH2景軒、今回はランチと夜の2回予約したよ」航空券を予約した直後、妻が宣言した。初訪問の2009年以来、これまで10度の訪問。1度の香港滞在で3回も食べに行ったこともある。ミシュランの3つ星の定義は、その店で食べることを目的に旅をする価値がある、というものだから、この『ミシュラン香港』の3つ星を長年獲得し続けている店を訪れるお気楽夫婦の行動は真っ当と言っても良い。11度目の訪問はランチ。それもマカオのショートトリップから帰る週末に設定する辺りが素晴らしい。我が妻ながらやるなぁ。と言うのも、週末は飲茶メニューが豊富。小食ながら食いしん坊の2人。龍景軒の飲茶メニューのポーションは小振りで、そんな2人でもいろいろ楽しめるのだ。

LUNCH3ABALONE粉(チョンファン)は何にしようか」飲茶と言えば、腸粉。2人のお約束。日本ではなかなか食べられないが、香港では定番中の定番。「叉焼と茸の腸粉」をチョイス。季節の茸オススメメニューというプロモーションを行っており、ではと「豚と蝦と松茸の蒸し餃子」を選ぶ。どちらも香り高く、頬張れば笑顔溢れる一品。「白魚とエビの揚げ春巻き」に続いて、この店自慢の逸品「まるごと鮑と若鶏のパイ包み焼き」が登場。この店のランチで、この一皿は欠かせない。小振りのパフにカプッと齧りつく。噛む程にじんわりと鮑の旨みが口中に広がる。このひと口を味わうために、この店のランチを予約したと言っても過言ではない。絶妙に残してあったビールをぐびり。幸福である。

DINNERDUCK夜2回、この店に来なければいけない理由がある。ひとつは景色。店の名前の通り、龍景:素晴らしい眺望を日中、夜景とそれぞれを楽しむため。そしてもちろん、多くの料理を味わうため。ディナーでは飲茶メニューが限られ、ランチでは食べられないメニューがディナーにはあるからだ。最初に料理長お奨めの前菜盛り合わせをいただく。少量で何種類も味わいたい2人にはぴったり。パリパリ飴色の蜂蜜叉焼。この店は焼物も絶品。そしてメニューにないホタテの揚げ物。顔なじみの女性スタッフが妻と何やら話をし、前菜盛り合わせの内容を変更してくれたらしい。どちらも味わい深い一品。香港最後の夜だからと、奮発して頼んだ「KRUG」が美味しさを倍加させる。

SHRIMPSHRIMP SHELL蝦(茹でエビ)だねぇ、やっぱり」この店で必ずオーダーするのは、中型よりやや小振りの新鮮なエビを茹で、唐辛子醤油ダレに付けて食べるシンプルな料理。大きさの揃った美しい海老たちが艶かしく並び、食べてぇ♡と横たわる。手づかみで頭を剥き、ちゅうちゅうと味噌を吸い、殻を剥いてタレをさっと付けてワシワシと食べる。続いてもう一尾。ワシワシ。シンプルだからこそ、食材の勝負。火の入れ加減の戦い。この店の蝦は美味しいだけではなく、食べ終わりふぅと満足の嘆息をついた頃、フィンガーボウルと共におしぼりが出てくるタイミングが素晴らしい。オーダーを取る、料理を運ぶ、取り分ける、チェックをするなど、分業制を続けている老舗と違い、誰もが高いレベルのサービスを最初から最後まで提供してくれる。この店の最大の魅力だ。

See you soon!」顔なじみのスタッフに見送られて、店を後にする。12回の来訪の内、ほとんど毎回顔を見せてくれたメガネの男性スタッフ。この店のスタッフも変わらない。安定したサービスレベルを保つには大切なことだろう。毎回味とサービスに満足し、心地よく帰れる店というのは、香港では貴重だ。大概は美味しく味わうためにサービスの粗さは我慢する、という店が大半だ。「またすぐ来るよ!」鼻息の荒い妻の何度目かの宣言は、なんだか現実味を帯びてきた。

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SINCE 1.May 2005