代官山で朝食を♬「IVY PLACE」

Daikanyama1目黒での仮住まい生活も2週目。新たな暮らしのリズムができ始め、周辺の土地勘も付いて来た。ずっと住んでいるような顔で街を闊歩するお気楽夫婦。中目黒も自分たちのテリトリーに入ったな(勝手な誤解ですけど)と言うことで、ちょっと足を延ばして代官山で休日ランチ。秋晴れの心地良い陽気。こんな日はテラス席のある店に限る。向かったのは妻が前から行きたかったという「ル・パン・コティディアン」というベルギー発祥のベーカリー・カフェ。2000年にニースで、2005年にパリで、偶然系列店を訪れた2人。さっぱりとした清潔感溢れる内装、パンとコンフィチュールの美味しい店という印象。どちらもお気に入りだった。2011年に芝公園に日本での1号店が開店。表参道などにも店舗ができたが、なかなか訪れる機会がなかった。

Daikanyama2っと来れたねぇ」満面の笑みでサラダランチを頬張る妻。パンにはコンフィチュールなどのスプレッドを自由に選べるサービスも付いている。これがこの店のウリ。ご機嫌の妻が油断している隙にグラスワインをオーダー。キッシュを肴にきりりと冷えた白ワインをぐびり。幸福の昼酒、ランチワイン。テラス席は飼犬の散歩のついでに立ち寄りましたという風情の客たちが、犬を媒介に自己紹介し、(正確には犬同士の名前紹介、自分たちの名前は名乗らない)相手のワンちゃんたちの名前を呼び合っている。残念ながら飼犬のいないお気楽夫婦。地元住民の空気感が不足。帰りはのんびり歩いて帰ろうか。途中の店でパンを買込み、抱えて歩く。短期間とは言え実際に住んでいるのに、地元住民を装う感が溢れてしまう。何となく心情的にアウェイ。

Daikanyama3きたい!便乗する♬」中目黒の仮住まい中に行きたい店、やっておきたいことを妻がリストアップ。その中に「代官山で朝食」という項目があることを知ったスカッシュ仲間の2人。休日の朝、T-SITEの「IVY PLACE」のカフェで待ち合わせ。ところが、8:30で既に満席。あわわ。「しまった(^^;;飛び乗った電車が特急だった。もどるので少し遅れます(^^;;」と相変わらずのおとぼけキャラ炸裂の役員秘書をのんびり待つ。「自転車か迷ったんだけど、酔っ払い運転になるからタクシー乗っちゃった」とご近所に住む酒豪女子。代官山の朝食の後には中目黒の仮住まいでランチ&ワインの企画。飲む気満々のスタンスが彼女らしく、ホスト側としても嬉しい限り。「お待たせぇ〜」役員秘書が揃ったところで、間もなく席に案内される。

Daikanyama4いテーブルで良かったね」案内されたのは相席になると言われた大テーブル。けれども10人用の長いテーブルの反対側で4人(顔の相似から明らかに)家族とは適度に離れたゆったりとした席。休日のんびり気分にぴったりの開放的な空間。フレンチオムレツ、フライドエッグ、グリーンサラダ、それぞれ好みのメニューをチョイス。テラス席に向かってガラス窓が高い天井まで広がる明るい空間。窓の向こうの大きなシンボルツリーを眺めながら取る朝食は、まるで高原のリゾートホテルで食べる朝ご飯。友人たちのテンションも上がりつつ、穏やかな時間が流れる。まさしく高揚した気分で過ごす旅の日の朝気分。心地良い時間が流れて行く。まだ1日は始ったばかり。ゼータクな時間。…そして満腹のお腹を抱えて店の外で記念撮影。楽しいぞ♬

うか。これは逆に地元住民では味わえない、ハレ(非日常)の日の気持。日常(ケ)になってしまわずに、毎日“ハレ”気分で楽しめば良いんだ。再自覚。浮き足立つような楽しい毎日を、日常という名に埋没させずに味わう。ハレの場を毎日楽しむ。毎日がお祭り(笑)気分。生涯の中でそれほどあるとは思えない、ハレの街での暮らし。終の住処をリノベーションするために生まれた貴重な時間。「まだまだ行きたい店があるんだよねぇ」妻の目が輝いた。

裏メニューあり〼「麗郷 渋谷店」

Reikyo1谷の道玄坂小路にある台湾料理の名店「麗郷」は、創業昭和30年。もうすぐ還暦を迎える老舗。お気楽夫婦は約30年前から頻繁に通い続けているお気に入りの店。オーダーすべきメニューTOP3は、1に腸詰め、2にシジミ、そしてダイコン餅。「えぇ〜っ!知らなかったぁ。初めて来た」流行に敏感でアンテナもぴんと張っているスカッシュ仲間の役員秘書。職業柄お店もいろいろと知っているのに、なぜかこの有名店は知らなかったという。席に着く前にテンションが上がり、店の前の写真を撮り、腸詰めのスダレを撮影。「取材に来ると皆この角度で撮影してるわよって、オバちゃんに指導されちゃった」ニコニコと席に着く。一見愛想のない(ことで有名な?)仕切りのオバちゃんと、初見でコミュニケーションが取れるとは、さすが秘書。

Reikyo2の初めはこんな感じかな。今日なんか暇よ」腸詰めとシジミのニンニク炒めをオーダーしながら、オバちゃんに話しかけるとそんな返事。確かに客と話をする余裕もある。無愛想に見えて、細やかな気遣いがある方だと分ったのは数年ほど前。カウンタ席に2人で座ったお気楽夫婦に、脱いだ上着が汚れるからと新聞折り込みの広告を掛けてくれたり、紙が落ちないようにと調理場に入ってクリップを探してくれたり。その時から「麗郷」は美味しいけれど粗い接客の店から、美味しく居心地の良い店に変わった。「腸詰め美味しいねぇ♬」役員秘書もすっかりお気に入りの模様。パリパリの皮、ジューシーで香り高き絶品の腸詰めは辛みそを付けて、生ビールと共に。脂が甘く、噛めば絶妙な歯応えの良さ。定期的にふっと食べたくなる癖になる味。

Reikyo3日こそは麗郷で食べたい!って思ってたから、良かったぁ」と、酒豪女子。彼女とは渋谷区の体育館でバドミントンをやり、帰りに渋谷で一杯という企画がスタート。その日は2度目のバドナイト。前回は練習の後に店に立ち寄ると、臨時休業のため入れなかったという曰く付き。「ウチもあの後、腸詰め食べたい!って店に来たけど、混んでて止めたんだよね」やはりこの店の腸詰めは魅惑的で中毒性がある。「そろそろ紹興酒にします?」酒豪女子の提案に頷く。彼女が尋ねたのは、ボトルで頼みますか?という意味。異論なし。常温でグイッといだだけば、シジミに浸みたニンニクの香りが中和され、また次の料理に箸が動く。すると隣の席で異変が。体調が悪そうな壮年男性が一瞬意識を失い、冷や汗をかき、結局救急車のお世話になり、退場。

Reikyo4かったわねぇ」オバちゃんがほっと一息付いた頃にやって来る。「びっくりしましたぁ」視線の先に担架で運ばれた男性がいた酒豪女子と役員秘書。顛末を全て見ていただけに心配もなおさら。飲もう飲もう!と紹興酒を飲み直し。「このシジミのスープをね、ご飯と混ぜると美味しいのよ。ちょっと待ってらっしゃい」とオバちゃんが秘伝のシジミご飯を目の前で作ってくれる。「うわぁ〜、これ美味しぃ〜い♫」シジミとニンニクのエキスが染み込んだホカホカご飯。間違いなく旨い。30年通って初めて食べた裏メニュー。これを初見で食べられた役員秘書の幸運。「この店、かなり良いねぇ♡」満足な様子もごもっとも。「またバドミントンやろうね!」すっかり渋谷バド企画がお気に入り、ご機嫌な役員秘書だった。

小さい秋みつけた♬「用賀 本城/鮎尽くし」

をこよなく愛するお気楽夫婦。いつかは新橋の鮎の名店「鮎正」でと思っていたところ、「鮎尽くしだったらウチでやりましょか」と本城さんの嬉しい一声。そうして昨秋初めて実現した「用賀 本城」での鮎尽くし料理。来年はぜひ一緒に!という友人たちの声に応え、第2回目の開催。*同行した役員秘書が料理のメモを残してくれた(ほぼ原文)ので、全皿のご紹介。これを一度やってみたかった(笑)

GomadofuAnagoChawanmushiいちじく ごまどうふ ゆずみそ・そうめんうり 穴子の燻製 なすのゼリーよせ・茶碗蒸し とうもろこしのすりながし 蟹味噌しょうがいり

HonjouSanSegoshiIchiyaBoshi・鮎の背ごし 酢味噌でどーぞ 下に水ナス、みょうが・鮎の一夜干し 日本酒が進んでしまう“うるか”鮎の塩辛

ShinkoShioyakiKoubainiめじまぐろ 皮を炙っためじまぐろ 追加で出していただいたしんこ・鮎の塩焼き・子持ち鮎 紅梅煮

TenpuraAyumeshiOhagi・鮎のてんぷら 頭は二つ 舶来松茸・赤だし 鮎ごはん おつけもの・かぼちゃのぷりん ソフトクリーム おはぎ もも ぶどう

れはやっぱり日本酒行くしかないですねぇ」アスリート系女子が“うるか”を箸先にちびちびとつまみながら嬉しそうに零す。「これで何杯も行けそう」酒豪女子は余裕の発言。一夜干しの鮎のかりっとした歯応えと香ばしさ、うるかの艶かしい舌触りと絶妙な塩味と、辛口の日本酒が合わないはずがない。

道の塩焼きは、腹の香りと苦みが実に旨い。小振りの鮎を頭から齧る幸福は、終わる夏を楽しむ一品。子持ち鮎の紅梅煮は秋の訪れを味わう一皿。琵琶湖の鮎は小振りのままで秋を迎え、琵琶湖の稚鮎を他の川に放流すると大きな成魚となるとのこと。初夏のごとき小鮎と、秋の子持ち鮎を同じ時期に食す贅沢。

め押しは、鮎の天ぷら、鮎の混ぜご飯。背越しで切り落としたものも揚げるから頭だけ2つ。さくっとした薄い衣と、かりこりとした頭、旨味と苦みが絶妙な肚を一緒に食す。塩焼きとはまた違った味のハーモニー。焼いた鮎を解して、炊きたて土鍋ごはんと混ぜた鮎メシで鮎料理のシメ。香魚の香りに包まれた薄味のごはんと京都のお漬け物と赤出しと、これがまたむせび泣いてしまうほど良く合う。

Member2memberの時点で満腹中枢はもうダメだと言っているけれど、ちんまりとしたおはぎと、フルーツはペロリとお腹の中に収まる。「う〜、美味しかったぁ」「なんだかとっても幸福だぁ」「やっぱり本城さんの料理はすっごいね」満足げな仲間たち。夏の川魚の代表格「鮎」は夏の季語。そして「落ち鮎」は秋の季語でもある。夏の終わりに秋を楽しみ、鮎尽くしで夏と秋の味を堪能した。「来年もまた皆と一緒に鮎を食べに来なくちゃね」妻が嬉しそうに呟いた。

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