絶品料理はホスピタリティと共に「パークハイアット東京」

ParkHyatt00気楽夫婦が愛してやまない「パークハイアット東京」の魅力は、料理とサービスにもある。開業当時から人気の「ニューヨーク グリル」をはじめとしたレストランはどれも粒揃いでレベルが高い。もちろん宿泊しなくとも、レストランの利用だけでもその魅力を味わえる。「でも、やっぱりパークは泊まってなんぼだよねぇ♬」と宣う妻と共に、梅雨が明けたある日、今年4度目となる愛しのホテルステイに出かけた。

ParkHyatt05日の夕食は、インルームダイニングでオードブル&ホットミールをいただく。クラブラウンジのないパークハイアットは、ワールドオブハイアット上級会員グローバリスト特典サービスとして、ピークバー(場合によってニューヨークバー)を使って会員向けのサービスを提供する。さらに緊急事態宣言発令中はお酒の提供ができないから、カクテルタイムと同様に客室に酒と料理を運ぶというサービスに変わるのだ。

ParkHyatt06室なら決められた時間内であれば、カクテルタイムとしてフリーフロー、ではあるのだろうけれど、さすがにワイン1杯づつ持ってきてもらう度胸はなく、最初に生ビールとスパークリング2杯をオーダー。少食の2人にしたら充分な量の料理がテーブルに並べられる。その合計3杯のお酒も(妻は一滴も飲まない)食事中に飲むには適量。客室で2人だけで寛いで飲む酒は、ラウンジで飲むのとはまた違ったまったり美味しい味だ。

ParkHyatt032日目、朝食は前夜同様に客室で。これもグローバリスト特典として無料!ちなみに、初日の朝食は和食と決めている。ただし、料理の種類が(必然的に量も)多すぎて、毎回添えられている塗りの器に入った湯豆腐はオーダーの際にお断り。ご飯のお代わりも綺麗な(やはりお高そうな塗りの)お櫃に入っているが、一膳で十分。と言うよりは、どれも美味しい“おかず”をいかに1膳のご飯で食べ切るかという嬉しく困る献立なのだ。

ParkHyatt04はお約束のアメリカンブレックファースト。いつものエッグベネディクトの代わりに、その日はプレーンオムレツにハムを添えて。フレッシュジュース、サラダやフルーツまで、やはりたっぷり付いてくるから、バスケット一杯のパンは昼食用にキープする。やはり会員特典のドリンクとしていただいた、ポットに入ったホットチョコレートとコーヒーも昼食用に取っておく。少食でかつ残すことができない夫婦のささやかな工夫。

ParkHyatt01の日のランチは、朝食で取っておいたパンに加え、ホテル2階にある「ペストリーブティック」のパンを追加しよう!とホテル内の散策に出かけた。客室用エレベータを降り、ライブラリーを抜け、ジランドールを横目に見ながら、ピークラウンジに至るまで、まるでパークハイアットの住人のように行き交うスタッフと都度挨拶を交わす。ゴールのピークラウンジのガラス天井から注ぐ陽射しを浴びる気持ちの良い散策コースだ。

ParkHyatt02ころが、ペストリーブティックのショーケースに並ぶ見目麗しいケーキを眺めている内に、「今日はケーキにしよう!」と妻が発し、何とその日のランチのメインはケーキになった。確かに魅惑的な眺め。そして居並ぶ美女ケーキの中から迷いに迷って選んだのは、「いちぢくのタルト」と「ブルーベリーのチーズケーキ」。これが実に繊細で上品で、見た目で想像した以上に旨いのだ。「これは参ったね」と妻が呟く。同意。

ParkHyatt072日目の夜は、「ニューヨークバー」で前夜と同様のカクテルタイムのサービスを“ノンアルコール”ドリンクのフリーフローでいただく。同じ料理でも眺めが違うと味が変わる。スタッフの笑顔と共に供されるカクテルは、ノンアルコールのはずなのに高揚する味だ。お気楽夫婦の他に客はまばらで、淋しいけれど写真は撮り放題。するとスタッフがやって来て、「IGA様、今日のあちらからの眺めは凄いですよ」と誘う。

ParkHyatt08されるままに付いていくと、そこに広がっていたのは逢魔が時の心震えるような景色だった。足元には灯りがつき始めた都庁をはじめとした摩天楼群や新宿西口公園、遠くまで続くTOKYOの街並みと空の際からオレンジの光が空の青と溶け合っている。素晴らしい。そして何より自分では見慣れているはずの景色を「凄い」と感じて客を案内するスタッフも素晴らしい。これがパークハイアットのホスピタリティだと感嘆。

ParkHyatt10ゃあ、この鰻弁当ってやつ買って帰って、今日の晩ごはんにする?」と妻。その「じゃあ」は、どこから続くのかは分からなかったけれど、きっと今回もこの愛すべきホテルの滞在に満足して、お土産で余韻を味わいたいのだ。了解。その日の夜、「」という和食レストランの豪華な鰻弁当と手毬寿司の味わいは、持ち帰った料理の美味しさ以上の満足感があった。「次、またすぐ宿泊の予約するよ!」と妻。それも了解♪

観泊接近の三部作/『王将』新ロイヤル大衆舎×KAAT

KAAT01奈川芸術劇場(KAAT)の芸術監督に長塚圭史が就任した。2011年開館時の初代の宮本亜門、2代目の白井晃に続く3代目。芸術の創造、人材の育成、にぎわいの創出をテーマに、モノと人とマチを作る創造型の劇場を目指して10年。気になっている劇場ながら(遠いこともあり)お気楽夫婦は未訪問だった。そこにお気に入りの役者が何人か出演する舞台の情報を入手。新ロイヤル大衆舎の『王将』という伝説の公演の再演だ。

KAAT02演は2017年に下北沢の小劇場楽園で上演。小さな劇場のため、狭い楽屋に入れない出番待ちの俳優たちがシモキタの街にはみ出し、出番になると舞台に踊り込んでいく、という状況だったという。その公演をホールではなく、吹き抜けのアトリウムで上演するという長塚の企みだ。そして、公演は3部作。常宿のハイアットも目の前だし、毎回通って観るより泊まってしまえ!というお気楽夫婦の職住接近ならぬ観泊接近作戦だ。

KAAT04年春に開業したハイアットリージェンシー横浜は、文字通り劇場の目の前。ホテルのエントランスを出て、小さな通りを渡って劇場の入口まで(全くの誇張ではなく)約5秒。客室から客席まで(冗談ではなく)約3分。初日に第1部を観て、2日目の午後に第2部、一旦客室に戻って休憩し、夕方から第3部を観るというゼータクなスケジュールだ。スイートルームにアップグレードしてもらったこともあり、さらに優雅な観劇になる。

KAAT03演の5分前、客室から劇場に向かう。アトリウムに設けられた舞台と客席は、幟旗がたなびく大衆演劇の芝居小屋の風情。幕が開き、狂言回しの巧みな話術で会場は一気に明治の大阪天王寺の貧乏長屋になる。主役は福田転球演じる将棋指しの坂田三吉。後援者役の山内圭哉と共にお気楽夫婦のお気に入り役者だ。その転球が良い。坂田の妻、小春役の常盤貴子がキュート♬長女の玉江役の江口のりこが巧い。これは良い芝居だ。

KAAT05言回しの大堀こういちが美味しい役だったね」客室に戻り、観劇の感激も覚めないうちに乾杯。テイクアウトの料理を堪能しながら感想をぶつけ合う。性格の違いを表現するのに履物を脱いだ後に揃える次女、脱ぎっぱなしの長女、と言う話をすると「えーっ!気がつかなかった!」と妻。「2人とも一本調子かと思っていたら、転球も山内もあんな芝居できるんだね」と妻が返す。同じ芝居を観ても視点の違いが面白い。

KAAT06浜で芝居を堪能する合間には、中華街で2人宴会。ビールが飲めないのが残念だけれど、「飲茶」と言うくらいのもので、中華料理にはお茶がある。香港で飲茶を楽しみながらビールを飲むのは日本人くらいのもので、香港人は中国茶だしね、と負け惜しみを言いながら「聘珍楼本店」に向かう。中華街では家庭的な小ぢんまりとした店を選ぶことが多かったけれど、たまには老舗大型店で!と選んだのが大正解。

KAAT07茶メニューの種類が多く、「腸粉」や「タロイモの蜂の巣揚げ」など、香港ではお馴染みで2人の大好物なのに、日本ではお目にかからない料理がきちんと揃っている。素晴らしい。「やっぱり老舗名店のことだけあるねぇ」と、お気楽妻も至極満足のご様子。「明日はどこの店に行く?」と前のめり気味。2人で食べるには大型店の飲茶ランチ、ランチであればビールもまだ我慢できると言うのが2人の結論だった。

KAAT08、次はKAATに何の芝居を観に来ようか」と妻が目を輝かせる。もしかしたら、横浜の街を堪能し(にぎわいの創出)、芝居を観客として愉しみ(芸術創造の応援)、出演者の新たな側面を発見する(人材の育成?)と、お気楽夫婦はKAATのコンセプトにぴったりの観客か。「ただ楽しいってことだけで良いんじゃない?日々の生活にエンタメは必要だよ」良い芝居を観た後の妻の発言はいつも力強い。良いじゃん!YOKOHAMA♬

禁酒法の時代に「In Room Dining」

InRoomDining11920年から1933年にかけて、アメリカ合衆国において「禁酒法」が施行された。酒の製造と販売が違法となったが、スピークイージーと呼ばれた違法な酒場が乱立し、かのアル・カポネなどギャングたちの大きな収入源となった。そう言えば、当時14歳だったジョディ・フォスターをはじめ子役だけが出演する1977年公開のミュージカル映画『ダウンタウン物語』も、禁酒法時代のスピークイージーが舞台だった。*大好きな作品で、入替制ではなかった当時の劇場で2回連続で観た記憶がある。その劇中歌に「スピークイージー」という歌詞があり、ふと思い出した♬ そして急激に観たくなり、AmazonでDVDを購入してしまった(笑)。現在到着待ち!〜と書いたところで到着。さっそく今晩にでも観ねば。

InRoomDining22021年の日本における禁酒法(笑)は、それに比べれば圧倒的に緩い。但し、酒が出せない「居酒屋」、ワインを飲めない「ワインバー」はあり得ない。飲食店にとっては死活問題だ。お気楽夫婦が勝手に応援して宿泊を続けているホテル業界も同様。しかし、この現状をネガティブに捉えているだけではなく、あるホテルは素敵な企画を始めた。クラブラウンジで夕刻から始まるカクテルタイムを楽しみに訪れる宿泊客のために。

InRoomDining3つもはラウンジで供する料理を個包装にして、客室で食べられるようにセッティング。酒なしでも良ければラウンジで食すのも可。部屋には赤ワインを1本用意し、缶ビールなどもラウンジから持ち帰ることができる。これは嬉しい。とは言え、客室の広さが37㎡からというホテルだからこそできる技。その客室の広さを活かし、翌日のランチも中華街の名店「重慶飯店」で絶品の焼物をテイクアウト。*越境がバレる(汗)

InRoomDining4たある日は、横浜で開催された(またもや越境。すっかり開き直ってしまった)PSA(スカッシュの国際大会)観戦の帰りに、やはり横浜のホテルで客室宴会。お気楽夫婦が大好きな新幹線宴会と同様に、牛すき焼き弁当、おつまみのローストビーフ、やっぱり横浜なら崎陽軒のシウマイなどを客室のテーブルに並べ、ビールをグビリ。ラウンジやレストランで飲めないのなら、自室や自宅で飲もう!というのが呑んべいの証だ。

InRoomDining6ンチにサンドウィッチ、という場合も前夜に飲み残した白ワインで乾杯。コンビニの前や公園などに屯し、大勢で立ち飲みをするワカモノたちは論外だが、食事の際に酒が飲みたいという気持は良く分かる。美味しい料理には旨い酒、美味しい酒には絶品のつまみ、単独でも成立はするけれど不可分な関係だ。それでもこのご時世、こっそり多摩川は渡っても、外食しにくく、酒は飲めない。だったらやはりIn Room Diningだ。

InRoomDining7前ならホテルの客室に持ち込んで飲んだり食べたりするのは一抹の後ろめたさがあったが、今ならOK。ホテルも推奨?だ。だいたい外食をしても、ブログで感染防止万全な店でとか、爽やかなテラス席でとか、予防線を張る自分がとても悲しい。お気楽なブログも書きにくいったらありゃしないっ!←本音。近頃ブログの更新頻度が落ちている一番の理由だ。これは禁酒法ではなく、自粛警察の摘発を怖れる禁楽法ではないか。

InRoomDining8外は行けないけど、これはこれで楽しいね」海外旅行に行けない代わりに、国内のご近所ホテル宿泊の頻度が高まった分、ホテルジャンキーのお気楽妻はご満悦。思えば酒を飲まない妻は、本来なら禁酒法に苦しむことはなく、飲めない私を慮って外食が減っているだけ。「試合観戦でスカッシュを応援して、テイクアウトでお店も応援だね」まだまだ続く禁酒法の暗黒時代、せめてポジティブに、ご贔屓の応援を続けよう。

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