シメはビストロメシ三昧♬「ビストロ・トロワキャール」

TroisVin用納めの夜、独りビストロのカウンタ席にいた。すっかり馴染みになった松陰神社前の「ビストロ・トロワキャール」。年末最後の仕事を終えた後、妻の故郷浜松に向かうのがお気楽夫婦の恒例。けれど妻の務めるP社では、その日に全社忘年会があるのだという。私も在籍していた頃のP社は、7月の創刊記念日と年末に派手なパーティを開催していた。けれど、業績不振だったこの数年間は開催されてもいなかった。それが久々の復活。徐々に業績が回復している証しか。嬉しいことだ。ということで、帰省の新幹線の時間に合わせ、忘年会を抜けて来る妻とは品川で待ち合わせ。私はと言うと、車内宴会用のビストロ弁当と、義父母宅での忘年会用のオードブルの出来上がりを待つ間、カウンタで独り飲みという作戦だ。

TroisBen年もお世話になりました。最初の1杯、ヒューガルデン・ホワイトで、ひとり乾杯。「こちらこそありがとうございました」木下シェフと奥さまのまゆみちゃんから笑顔のお返し。豚肉リエットと自家製パンが、この店のいつもの名物アミューズ。その日のリエットは挽き方の違う、すなわち舌触りと味わいの違う2種類の豚肉が絶妙に絡み合う。旨い。こりゃあワインでしょ。「白、行きますか」と、まゆみちゃん。グッタイミン。2杯目は、アラン・パレの白。んまい辛口。続いて絶品サラミ、友人の土産だという生ハムをスライスしていただき、3杯目はサントーバン。うまうま。おっと、危ない!新幹線に遅れちまうぜっ。鶏のコンフィ&フリット、焼き野菜、パテ・ド・カンパーニュなどがぎっしり詰まった絶品弁当を抱えて品川へ。

TroisPartyれを楽しみにしてたから、忘年会では何も食べなかったんだよねぇ♬」と妻。それは、正〜解〜っ。駅ビルで買込んだワインと缶コーヒーで乾杯。「うわぁ〜っ!美味しそう!相変わらずゼータクな弁当だねぇ」そう言いながら焼いたプティ・シューを頬張る妻。マスタードを付けたパテ・ド・カンパーニュをかじり、ワインをぐびり。「このコンフィ、冷めても皮がパリッとして美味しいね」キャロットラペをこりこり、ワインをぐびり。新幹線の座席でいただくにはゼータク過ぎる味。今年一年お疲れさまでした、そしてありがとね、と2人でミニ忘年会。すぐに買込んだハーフボトルの白ワインが空になる。妻が娘に戻ってしまう故郷の街、浜松までは1時間余り。ワインをもう1本と、思う間に到着。

SakuraebiChips日の朝食からキッチンは私の担当になる。冷蔵庫にある食材の賞味期限や鮮度を確認し、古いモノから使って行く。ささっと卵料理やサラダなどを作り、助手の妻がトーストを焼き、コーヒーを淹れる。いつもの光景。義父母と一緒の最初の夜は、トロワキャールのオードブルで忘年会。眉目麗しく盛付けて、サラダなどのサイドディッシュをちょちょいと作る。「あら、美味しそう」「2人だとこんな料理は食べないからね」と昨年も好評だったビストロメシを箸でいただく。小食の家族だからメインはなし。前菜たちが堂々たるメインディッシュだ。お酒を飲まない義父母と妻は、淡々と料理を食べ、ひとり飲み続ける私だけがのんびりと、同じ料理をつまみとして味わう。これもいつものことだ。

日もお疲れさまでした」義父母が早々に寝室に引き上げた後、妻からの労いのことばで改めて2人で乾杯。飲めない義父母が買っておいてくれるヱビスビールと地元限定のポテトチップスが2次会メニュー。毎回美味しいと誉めると、翌年にはまたどこからか違う種類のポテチを買って来てくれる。ドライブ先で嬉しそうに探してくれている姿を思うと、また大げさに誉めてしまう。これも婿殿の役回り、というか私本来の性格。それが苦にならないどころか、楽しいのだ。「トロワキャールの料理でシメた年末だったね」と妻が柔らかく微笑む。すっかり娘の顔だ。こうしていつものように、年末恒例、浜松での滞在が始った。

夢を叶える「父のステージ、娘のステージ」

YasuDishesを叶えた友人がいる。彼は外資系企業に勤め、海外出張など忙しい仕事を続けながら、チェロの演奏活動を行っていた。アマチュア演奏家として楽団に所属し、演奏会を開いたりしていた。スカッシュ仲間である奥さまに誘われ、お気楽夫婦は度々演奏会に出かけた。東京芸術劇場、三鷹市芸術文化センターなど、本格的な会場で行われた演奏会は、素人の耳には高い水準に思えるものだった。そんな彼が自分のホールを手に入れた。彼らの住む世田谷の閑静な住宅地の自宅の中庭に、演奏だけではなく、映像作品の発表、絵画の展示など、多目的に利用できるフリースペースを造ったのだ。

Stage3Stageる冬の夜、お披露目パーティが開催された。何人かのスカッシュ仲間と共に招かれたお気楽夫婦。お祝いの品を携え、彼らのご自宅に向かった。フラワーアレンジメントを教えている奥さまの教室だったスペースと、元は中庭だった場所がひとつの大きな空間に変わっていた。照明を配した階段で区切られ、時に階段上のスペースがステージになり、階下のスペースでライブを行ったりすることができる。そのいずれの時にも、幅が広く緩やかな段差の階段は、スッと座れる客席にもなる。音楽ホールに関わった実績がある建築士の設計とのことで、照明や音響にも配慮されたスペースになっていた。

Stage2Stage4らには一人娘がいる。幼い頃からヴァイオリンを始め、音楽大学に進学し、卒業後も演奏活動を続けている。けれど音楽だけで生活はできない。父親という強力なスポンサーが存在することで継続できる音楽。このスペースは彼女のステージでもあった。お披露目パーティでは、彼女のヴァイオリンはもちろん、友人のサックス、ハープ、父親のチェロ、スカッシュ仲間のギターなどの演奏が披露された。父娘共演によるヴァイオリンとチェロは、彼の夢のひとつが叶ったんだろうなとしみじみするものだった。演奏活動とハードな仕事を続けて来たことで、得られたひとつの到達点。

Stage5Stage6然、そこにゲストが登場した。娘の友人で、今はA香など、アーティストのコンサートツアーに同行するプロのチェリスト。お嬢さんとの競演後、彼のソロ演奏が始ると、全てのゲストが聴き入った。明らかに音が違う。彼の周囲にプロフェッショナルのオーラが漂う。彼の演奏も何度か聴いたけれど、ますます巧くなっており、魅力あるものになっていた。演奏が終わり、小さな会場が拍手で包まれる。すると、ひとり娘の眼が挑戦的に輝いた。そして、即興演奏が始った。エネルギッシュで魅力的な演奏。挑むような音と眼光。彼らを知る友人たちは、その姿に笑顔と拍手を贈る。

い演奏だったね。その日のステージの主役2人に、それぞれ声を掛ける。「ありがとうございます」返って来たことばは同じだったけれど、思いは違うものだったはず。音楽を続けて欲しいという父のもうひとつの夢を叶えるために、娘は次のステップを上る必要がある。会社を退職し、独立。投資コンサルタントを新たな生業としながら、この夢のスペースを地域に開放し、利用してもらうことを宣言した父。彼の夢は叶っただけではなく、次のステージに向けて始ってもいる。「続けられるって、素晴らしいことだよね」会社に活気が戻り、しばらくは仕事を続けたいという妻。それぞれの明日は、今日からずっと続いている。

楽し♬この夜「シングル♡ベル」

Reikyo2Shijimi内にもう一度くらいお会いしたいですね」小顔美女からそんなメッセージをいただいたのがきっかけだった。ではと、お互いに空いている日程を確認すると、12月24日のスケジュールが空白だった。お気楽夫婦は毎日がクリスマス♬クリスマスイブもいつもの通りどこかの店で外食をする。クリスマスだからといって特に普段と違う過ごし方をする訳ではない。特に前もって予定を入れてはいなかった。小顔美女も残念ながら予定なし。だったら、交換し合って読んだ山本幸久の小説『シングルベル』に因んで、シングルなイブを一緒に過ごそうか、という企画が成立したのだった。

PetanReikyoいてはいないとは思うけど、念のためにと役員秘書とアスリート女子を誘ってみた。…というシングルベルな企画があるけど、合流する?「合流合流(^^)」「合流合流!でもドタキャンがあったら許してね!」という明るいやり取りの結果、3人のシングル女子が結集することになった。「場所はどうしましょうか。さっき麗郷で聞いてみたら、まだ1件も予約入ってませんでした」一人暮らしを始めたばかりの小顔美女が、ご近所の台湾料理でクリスマスという荒技を提案。「良いですねぇ」と麗郷好きのアスリート系女子。「えぇ〜!行ったことない!」と役員秘書。ふむ。中華なイブ、それも良し。

KanpaiGifts詰め、しじみ、大蒜の芽、大根餅、ビーフン…。初麗郷の役員秘書に王道の味を伝える。「どれも美味しいね♡」台湾ビールで乾杯し、紹興酒を酌み交わす。店もいつの間にか満席。中華的に猥雑な大賑わい。それでも道玄坂小路の麗郷ではなく、富ヶ谷店であることが僅かにイブの夜。美味しく満足はしたものの、クリスマス気分は満ちてはこない。では2次会にと小顔美女宅へ。これからが本格的なシングルイブの夜だ。部屋に入ってみれば女子力の高い飾り付け。やはりご近所のチョコレートショップの名店「テオブロマ」のケーキを買い込み、シャンパンで乾杯。クリスマス度数が急上昇。

TheoBromaLadiesムシングブルーがその日のテーマ。本来は結婚式当日に花嫁が何か青いモノを身につければ幸福になれるというもの。3人のレディに、その幸福な日が来ることを祈っての設定。彼女たちの装いは、それぞれが青いジュエリー、マニュキュア、シャツなど。どれもオシャレで上品。続いて、5人のメンバーで交換する1,000円程度のクリスマスプレゼント。順番に選んでいく品は不思議とどれもそれぞれのキャラクターにぴったり。それぞれ温かい家庭で育ったレディたちなんだよなぁ、と感じるセンス。笑顔と会話が弾む。選んだメンバーのコメントと、もらったメンバーの歓声がシンクロする。

し過ぎて困るなぁ♬シングルイブ!」「思いがけず賑やかで温かく楽しいクリスマスイブで幸せ」「これは来年も楽しみにしそう!」「来年はどんなイブを過ごしてるかなぁ…」パーティが終わった後、Facebook上でコメントが飛び交う。楽しかったシングルベル:Belleのイブ。とびっきりに楽しかったけれど、来年はそれぞれに素敵なお相手がいますように♬

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