35年目のサザン♬「SAS SUPER SUMMER LIVE 2013」

DatenoGyutanGyutanザンのチケットあるけど、誰か一緒に行かない?」スカッシュ仲間のFacebookへの書込みを読んですぐに、行きたい!と連絡をした。とは言え、会場は宮城スタジアム。既に公演の2週間前。当日の宿も、新幹線も手配しなければ。「ノーアイディアでした」と、のんびりモードの肉好きカップル。では!と2人に代わって会場までのバスや新幹線のチケットを手配。ダンドリは任せて!のお気楽夫婦。一足先に仙台入り。前日に石巻を訪ね、仙台在住の友人と楽しく飲んだ。そして公演当日、「伊達の牛たん本舗」でランチの待ち合わせ。周囲はSAS公演Tシャツを着たファンでいっぱい。「街中にサザンファンが溢れてますよ」当日のホテルが予約できないはずだ。ともあれ、久しぶりの、妻にとっては初のSASライブに向けテンションが高まる。

SASHirobaめに向かった会場は既にファンでいっぱい。グッズを買うのに1時間待ちと聞いて諦めるほど。並ばずに買えるポンチョとCDをゲット。空模様が気になるだけに雨対策にもなる。会場で指定券を受取ると、なんとアリーナ前方中央寄りブロックの最前列。席の前には広い通路。観やすく動きやすい席。素晴らしい。それぞれの椅子には大きめの腕時計大の謎のグッズ。これが後ほど良い仕事をすることになる。間もなく開演というアナウンスの声に、大きな拍手。おぉ〜という地鳴りのような声と共に、スタンドからウェーブが起きる。1周廻ってアリーナにも波は及び、2周、3周と大きな波が続く。一段と高まる興奮。会場全ての観客が一体感に包まれる。だからライブはステキだ。

PonchoGspotテージにサザン登場。巨大なスクリーンに桑田圭介がアップになる。1曲目の前奏が始る。『YaYa(あの時代を忘れない)』。うぉー!という会場の声。「胸に残ぉるぅ〜♬」最初の一声で、あぁ、桑田さんの声だ!と、目の前で本人が歌っているのに、嬉しく不思議な思いが込み上げてくる。ついでになぜか目が潤んで来る。1982年発売のこの曲は、翌年から始まった『ふぞろいの林檎たち』で挿入曲としても使われた。ちょうど大学を卒業し、社会人になった頃。2曲目『My Foreplay Music』。前妻と出会った1981年発売。「見つめ合って髪にTouchぅおぉおっ♬」。スクリーンに映し出される歌詞を見ずに、一緒に歌うことができる嬉しさ。「両手で君の背にScrachぅおぉおっ♬」。13曲目のシングル『栞のテーマ』のB面。どちらも好きな曲だ。

CMCDぁららぁららぁらららぁ〜♬」会場全体が大合唱。3曲目は『勝手にシンドバット』。サザンがデビューした1978年に大学に入学。1979年夏、江ノ島のヨットハーバーで開催された『JAPAN JAM 1979(サザン以外にハート、ビーチボーイズなどが出演)』に当時好きだった女の子と出かけた。6曲目『涙のキッス』は1992年の発売。サザン初のミリオンセラー。お気楽妻と出会った頃。28曲目『マンピーのG★SPOT』が発売された1995年、お気楽妻との生活が始った。サザンはいつも傍らにいた。そしてその頃の記憶に強く結びついている。続いてアンコール1曲目は、宮城公演スペシャル曲『青葉城恋唄』、アンコール3曲目『Pacific Hotel』で会場大盛り上がり。MCが続いている間に、残念ながら席を立つ。何しろ当日中に帰らないと、野宿かカラオケBOX朝までサザン縛り!の運命の4人。急いで仙台行きのシャトルバス乗り場に向かう。

泣かせたこともぉある♪急ぎ足で会場を出ると、アンコール4曲目『いとしのエリー』が聞こえてくる。「エリ〜マイラァブソォスィート♫」大声で歌いながら歩いて行くと、花火が夜空を照らす。最後の曲『希望の轍』を聞きながら出発。♬夢を乗せて走る車道 明日への旅 通り過ぎる街の色 思い出の日々… Let me run for today ♫:今日のために走ろう…。エンディングを飾る良い歌詞だ。3時間余りのライブは、新旧の楽曲が実に良いバランス。嬉しい選曲だった。35年間の彼らの活動と楽曲と観客の記憶。復興のために節目節目で東北でライブを行ってきた桑田さんの思い。実は、この会場だからサザンのライブに行ってみたかった。ずっと被災地を訪ねたいと思いながら実現できなかった。そのきっかけにしたかった。そして思いは叶った。そんないろいろな思いが詰まった、実に良いライブだった。

*かつてサザンを取り上げたブログ記事を併せてご紹介♫

・「重大過ぎる発表 サザン活動休止」2008年5月24日

・「27年目のSAS KILLER STREET」2005年10月10日

前へ進めっ♬「石巻・仙台紀行」

SpecialTrainIshinomakiStationの列車に出逢えたのは偶然だった。仙台駅に到着してすぐにバスに乗換え石巻へ。JR仙石線の石巻駅前に到着したのは、予定時間に遅れること20分。1時になろうかという時間。駅前ロータリーに降り立ち、ふと駅舎を見れば、石ノ森章太郎の作品のキャラクターが溢れていた。なんだ?入口には『サイボーグ009』の唯一の女性キャラ003(フランソワーズ)の像が建ち、屋根には002(ジェット)が飛び、駅舎の入口のステンドグラスにはサイボーグたちが勢揃い。その時、石ノ森マンガのキャラクターたちで溢れた電車がやって来た。な、なんだ!?後で確認すると、毎週土日に1日2本だけ運行されている「マンガッタンライナー」という列車だという。なんという幸運♬

LunchInformation巻の街を歩けば、ロボコンがいる。サイボーグたちがいる。仮面ライダーがいる。メインの通りはマンガロードと呼ばれている。故石ノ森章太郎は宮城県登米郡石森町(現、登米市)の出身。2001年に縁があった石巻市に「石ノ森萬画館」が建てられ、町おこしに活用された。そして10年後に被災。ボランティアたちにも助けられ、2012年11月に復活したという。駅からそこまで歩いてきた周辺全てが津波に襲われた石巻。復活した石ノ森萬画館も旧北上川の水位から驚く程近い場所に建っている。川を遡行する波を想像し背筋に冷たいものが流れる。「プロショップまるか」という鮮魚店でランチ。この店のオーナーが被災して店を失くした店主たちにスペースを貸し、共同で運営している店。「人って強いなぁ」美味しいサンマを食べながら妻が呟く。同意。

LabyrinthSukezo台に戻り、ホテルにチェックイン。そして、震災後に単身仙台にやって来たスカッシュ仲間と待ち合わせ。指定された場所はおよそ観光客が立ち寄りそうもない、ビルの1階にある居酒屋密集地帯。ラビリンスのような通路を歩いていると、迎えに来てくれたスカッシュ仲間と遭遇。分かりにく場所だからと聞いてはいたが、確かにその通りの迷宮のどん詰まり。細やかな気遣いに感謝。いつもは口数の少ないスカッシュ仲間。早い時期から私のブログを読んでもらっており、ネットでは繋がっていたものの、リアルでは大勢で1〜2度飲んだことがあるだけ。ネットでは饒舌な彼なのに、リアルでは長い会話をした記憶もない。そんな彼がFacebookで仙台に移り住んで仕事を始めた様子を知り、会ってみたいと思い連絡を取った。

GyuTanSanmaしいですよ」東京にいた頃よりもネットワークが広がって、楽しそうだねと尋ねると即答。「皆にそう言われてるよね」誘って連れてきてくれた彼の友人(女性)も激しく頷く。仙台出身の彼女。東京で働いていたところにお誘いを受けて、故郷に戻って働くことになったという。2人が働いているのは「いざなみ」というベンチャー企業。「食と農業による東北支援」を標榜し、IT技術を活かした農作物の新品種を育成、販売する会社。勤務していた大手IT系企業を辞め、2012年に創業した経営者との縁で仙台にやって(戻って)来た2人。仙台での新たな人との繋がりを楽しみ、仕事も充実している様子が伝わってくる。良いことばかりではなかった東京、さらば!の心情も今は笑って語れるようだ。初対面(に近い)の飲みの場で、なんだかずっと親しい友人だった気持になる。楽しい宴だ。嬉しい縁だ。

て良かったなぁ♬会えて良かったね♡」帰路、妻のひとことが嬉しい。これで仙台にも飲み友だちができた。嬉しい限り。そうなのだ。年齢を重ねるに連れ、チャンスがあれば人に会おうと意識してきた。古い友人にも、新たな友人にも。間口を閉じず、開こうと思ってきた。会いたいと思う気持と会えるタイミングを大切にしながら。そして、自分たちなりに、ポジティブに、少しずつでも前に進むことを意識しながら。そうだ。みんな、さぁ、前へ〜っ、進めっ!

待望の鮎尽くし「用賀 本城」

IchiyaBoshiMatsuTake特の香りを持つことから「香魚」とも呼ばれる鮎は、初夏から夏が旬。秋にも落ち鮎、子持ち鮎が楽しめる。けれど、清涼感がある季節の食材として、やはり鮎料理を楽しむには夏が良い。お気楽夫婦は大の鮎好き。初夏の稚鮎の天ぷらに始まり、年に何度も鮎を味わう。特に今年は行きつけのビストロ「トロワキャール」で鮎のコンフィをいただいたり、いくつかの店で鮎の一夜干しを食べ比べたり、鮎を堪能した年だった。そんな2人は、いつか新橋の「鮎正」で鮎尽くしの料理を食べることが夢だった。

AraiCaviar夏の頃、「用賀 本城」を訪ねた2人に幸運が舞い込んだ。店主の本城さんと鮎の話題になり、「鮎尽くし料理ならウチでやりましょか」という願ってもない展開になったのだ。小躍りした2人。さっそく晩夏にいつもの席を予約。先付けは雲丹、生湯葉、茄子を使った小鉢。もちろん美味しいが今日の主役は鮎。続いて登場したのは一夜干しの鮎とウルカ。待ってました!の美味しさ。この一皿だけで何杯も酒が飲める。ちびちびと大切に味わう。逸る気持を抑えつつ松茸を味わうが、次の鮎料理に気持が移る。

ShioYakiTempura城さんが跳ねる活き鮎を掴み損ねる演出?を経て、鮎の背越しと刺身の登場。骨ごと味わう背越し、そぎ切りの刺身とどちらもぷりぷりと文句なく美味しい。次はお約束の塩焼き。小振りの鮎を頭から丸かじりで頬張る。絶妙な塩加減の鮎の香りが鼻孔をくすぐる。肚の苦みと繊細な身、香ばしい皮のバランスを堪能。あぁ、日本の夏だなぁと震える美味しさ。そして天ぷら。刺身で使わなかった頭や尾までカリッと揚げて盛付けられている。王道の塩焼きと甲乙つけがたい鮎料理の定番。淡白な鮎の味に奥行きを付ける味。

UmeNiAyuMeshi都出てから初めて作りましたわぁ」本城さんが笑顔で鮎尽くし料理の裏話を披露してくれる。そしてこれでもか!と鮎の煮浸し。仄かに梅の香りが漂う、これまた絶品の一皿。ほろほろと口の中で蕩けるダシの染み込んだ鮎、旨いに決まってる。そしてシメは鮎メシ。土鍋で炊いた上品な味付けのご飯の中に、焼き鮎の味と香りが絶妙なハーモニー。ほとんど満腹のはずなのに、ついお代わりを差し出す始末。京漬物をかじりながら、その日の鮎料理たちの味を噛みしめ、反芻する。実に幸福な時間だった。

の日の心残りは1点だけ。急遽決めた日程だったため、スケジュールが合わず仲間たちと一緒に伺うことができなかったこと。ダメ元で声を掛けた友人たちはいずれも「えぇ〜!鮎ぅ〜食べたい♡」「えっ!行きたい!」と、皆身悶える。予想以上の反応。オトナの舌には鮎が合うらしい。鮎好きとしては嬉しい誤算。来年の鮎の季節に、ぜひご一緒に♬

■「食いしん坊夫婦の御用達」 *「用賀 本城」詳細データ、過去の訪問記

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SINCE 1.May 2005