誰と一緒に?「ボストンの歩き方」

BeaconHillBeaconHill2シントンに住む友人、“マダム”を訪ねた旅。ワシントンでの食事などのアレンジメントは全て彼女にお任せ。そして旅の後半、共に旅するボストンは任せておいて!と街の案内を引き受けた。とは言え、1999年に訪問して以来2度目のボストン。街は変わっていないだろうか。アメリカで最も古い歴史を誇る街に、そんな不安は全くの杞憂だった。ホテルにチェックイン後、街の散策に出かける。アメリカ最古の公園であるボストンコモンを抜け、ビーコンヒルを歩く。18〜19世紀に建てられたレンガ造りの街並は、どこにカメラを向けても絵になる高級住宅街。「ステキぃ♡」初めてボストンを訪れるというマダムも、2度目のお気楽妻も優雅な風景に収まりご満悦。

FlowerShop&Carーコンヒルは名前の通り、坂道の多い丘の街。その坂の街をのんびり歩く。青い空とレンガ色の壁、街路樹の緑を眺めているだけで幸福な気分になる。エレガントで豪奢な街並の午後は、通る車や人も少ない。喧噪とは無縁の街を歩いていると、現実からはみ出てしまい物語の世界にでも迷い込んだ気分になる。あぁ〜、旅に出ているんだというしみじみ感が溢れる。2人の奥さまはと言えば、坂道を下りる途中でオシャレな花屋と出会っては微笑み、通りで可愛いチョコレートショップを見つけるとすかさずプレゼントを探す。この街には、どうやら女子力をアップさせる効能があるらしい。

BeaconHill4CharlesRiverーコンヒルからチャールズ川沿いの遊歩道に向う。ヨットのセールが川面に映える。カヌーが行き交う。遊歩道を走る人、犬を連れて散歩するカップル、日光浴をしながら読書をする女性。遠くにロングフェロー橋を渡る電車が見える。市街地のすぐ傍らに豊かな自然が寄り添い、人々がその風景の中で伸びやかに暮す。お気楽夫婦が大好きな風景だ。初めてこの街を訪ねた際に、この風景に一目惚れ。老後に住んでみたい街のひとつになった。再びこの風景を眺めたかった。そして13年を経ても、同じだけ歳をとったはずなのに、その風景は色褪せていなかった。

ShoppingShopping2ックベイを歩く。ビーコンヒルの土地を削り、チャールズ川沿いに埋め立てられて出来上がった街。ボストンコモンに続くパブリックガーデンから西に、Arlington、Berkeley、Clrendonと、ABC順に通りの名前が付けられている。ブランドショップが並ぶファッショナブルな通りを、2人の奥さまが仲の良い姉妹のように話し続け、寄り添って歩く。この旅の間ずっと、お気楽妻は実に楽しそうに良く笑っている。とは言え、ずっと歩きづめ。疲れた?と尋ねると、声を揃えて「疲れた!」と返ってくる。街の風景を飽かず眺めながら、うっかり長い距離を歩き続けてしまう。困った程に魅力的な街だ。では、この街を高いところから眺めてみようか。

BostonOverView面ガラス張りのハンコックセンターに続く高さのプルデンシャルセンターの50階に、ボストンの街を360度見渡せる展望フロアがある。その日歩き続けたルートを見下ろす。右奥の緑がボストンコモン、その左がビーコンヒル、チャールズ川には白いセールが点々と浮かび、手前にはバックベイの街並が整然と佇む。チャールズ川の向こう岸は、ハーバード大学やMITがあるケンブリッジの街。翌日訪れる予定の“グリーンモンスター”や、ボストン美術館も見える。

い街だねぇ。さすがIGAちゃんおススメの街だよ」紅葉の秋も良いらしいよ。「うん、今度は主人を連れて来ようかな」確かにデートコースとしてもおススメの街。「そっかぁ。そしたら若いボーイフレンド見つけて、連れて来た方が良いかな♡」それもまた、おススメ?

ワシントンを味わう♬「International,Local food」

IndianDessertメリカの首都、ワシントンD.C.。地元の名物料理はあるにはある。Crab Cake(クラブケーキ)という、いわばカニのハンバーグ。「別に食べなくても良いんじゃない」とマダム。「前回食べたけど、美味しいって言ってなかったじゃない」とお気楽妻。はい、はい。分かりました。では、ワシントンでは何を食べるべきか。首都ワシントンのローカルフードは何だろう。答えは、地元に住むマダムが案内してくれた店にある。お気楽夫婦が滞在中ずっと、マダムのチョイスで毎夕食事をご一緒させていただいた。ワシントン到着が大幅に遅れた初日、2人にとっては幻となってしまった店は、寿司屋。アメリカ向けにアレンジしてはいるものの、日本人の板さんが握る本格派(らしい)。残念ながらご一緒できなかった訳だが、地元でも人気の店(らしい)。

OctopusCalamari2日目はインド料理。それもインド料理店らしからぬ(失礼!)豪華で上品で、こぢゃれた内装と料理。味付けは確かにインド料理だけれど、見た目はフレンチ?という盛付け。思わず、なるほど!と唸り、目から鱗の新鮮な驚き。これは日本でもアリだなと頷く。3日目は、スパニッシュのバル。「この店は人気があるんだけど、ちょっとお高いからハッピーアワーに予約したのよ。早い時間から飲めるから良いよね♡」としっかり者で飲んべのマダム。タコやイカなどの魚介類が、これまたこぢゃれたスペイン料理として運ばれてくる。「カラマリ(イカ)フライ美味しいっ♬」「海老のアヒージョ(オリーブオイル煮)もなかなかだねぇ♡」眉目麗しいだけではなく、しっかり美味しい本格的なタパス。ワインが進む。

ApplesSuperMarket4日目。たっぷりスカッシュで汗を流した後、遅めのランチはマダム宅にて。途中で高級スーパーマーケットに立ち寄って買い出し 。これが楽しい。お気楽夫婦は料理もろくにしないのにスーパー好き。特に海外のスーパーで地元の食材を眺めるのが大好き。そんな2人がアドレナリン出まくりの店。彩り鮮やかに果物や野菜が並び、チーズの種類と量は青山の紀ノ国屋INTERNATIONALの数倍!量り売りのスタッフドオリーブやピクルスは20種類以上!ワインも、切り売りのハムも、美味しそうな料理が並ぶデリカテッセンコーナーも充実♬買い占めたい気持を涙ながらになんとか抑えて、数種類のデリとオリーブをゲット。マダム宅に向う。

MrOysterシントン郊外の瀟洒なアパートメント。マダムのお気に入りだと言うオシャレな円形のダイニングルーム。冷えた白ワインで乾杯。ん、うんまい♬夕飯もここでお願いします!ぐらいにリラックスして、あっという間にボトルが空になる。早めに仕事を切り上げていただいたご主人が帰宅。一緒にご近所のベルギー料理のレストランへ。見たこともないほどの種類のベルギービールが、壁いっぱいの巨大なショーケースに並ぶ。この店で食べるべきは、もちろんムール貝とオイスター。そしてもちろん素晴らしく美味しい。「この辺には店は多いんだけど、ついこの店に来ちゃうんだよね」昼過ぎから飲み始めたマダムは既にご機嫌。飲めないお気楽妻も実に楽しそう。

シントンのローカルフードは、世界各国の料理なんだね」と、妻。正解。世界各国の大使館が集まり、世界銀行やIMFなどの国際金融機関があるインターナショナルな街は、料理の水準が高いインターナショナルなレストランが溢れている。「これで一皿の量が少なかったらねぇ」同意。そんなお気楽夫婦の旅(の記録)は、まだまだ続く。

広い空と一緒に♬「ワシントンD.C.の歩き方」

Washingtonシントンの空は広い。市街地の内に高層の建築物はなく、主要道路の幅員は広い。これは1899年に建築物の高さを連邦議会議事堂(高さ88m)を超えてはならないという法律が制定されたことによる。*その後、改訂され建物の面する道路の幅員に6m程度を加えた高さまでに制限された。すると、せいぜい20階程度までのビルしか建たない。高いビルが建っていても、その建物が面する道路幅は広いから、空は決して狭くならない。

WashingtonMonumentの上、幅約500m×長さ3km以上の大空間「ナショナル・モール(National Mall)」が街の南側に広がる。*「I Have a Dream」の名演説で有名なマーティン・ルーサー・キングのワシントン大行進でこの広場に集まった人々が20万人と言われるから、その規模が分かる。街の主要な観光施設がモール近辺に多いから、街を歩く訪問者はなおさら空を広く感じることになる。

Sightseeingい空と広い通り。開放感いっぱいのワシントンの街を歩くのは(真夏を除けば)心地良い。けれど、注意すべき点がある。建物を高層化できない代わりに、床面積を確保するために建物が横に大きいから1ブロックが長くなる。道を間違えると随分と遠回りすることになる。どこまでも付いて来る広い空と一緒に。ホワイトハウス、連邦議会議事堂などの名建築や、統一感ある街並を眺めながら。だから、遠回りもまた楽しい♬

MetroStationい空と別れ、地下鉄駅を目指す。街の中心部にあるデュポン・サークルの駅。長いエスカレーターは実に素っ気なく、ただひたすら暗い穴としか思えない駅の入口を目指す。駅の表示は小さく、急で長いエスカレータは朝のラッシュ時などは危険だろうと思う程なのに、アナウンスもない。ひたすら徹底した自己責任の国であるのだろう。*訴訟の国でもあるのだけれど、そのバランスはいかに。

Metroして駅の内部は、節電に慣れた日本人の目にさえ停電かと思う程、暗い。電車がプラットホームに入って来ると、車内から漏れる明かりにほっとする程、暗い。高感度のカメラだから撮影もできたけれど、旧式のケータイではムリ!と言う程、暗い。ここまで日常的に照明を落とす必要はないと思うけれど、その徹底さ加減がある意味凄い。そして、広告がほとんどない。シンプルで機能美溢れるデザイン。

WorldBankシントンD.C.在住のマダムを訪ねた旅だから、ご主人の勤務するWorld Bank(世界銀行)へも職場訪問。受付で写真を撮り、IDカードを発行してもらう。そして建物内部の監視カメラで誰がゲートを通ったかが随時記録されていく。外光が注ぐ吹抜けのロビー。世界各国の料理が並ぶビュッフェスタイルの職員向けレストラン。これまで経験したビュッフェレストランの中で最強。種類が豊富でビールまである。羨ましい♬

い環境ですよねぇ」と妻も感心。「IGAちゃんも世銀で働いたら?募集してるらしいよ」とマダム。ん〜、英語で女性を口説けるようになったらね。「モチベーションはそこかいっ!」むっ、呟いたことばを妻が拾ってしまった。お気楽な2人の旅は続く。

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SINCE 1.May 2005