お気楽妻の卒業旅行記(2)「妻の好みは、フリスコ<ウィンディシティ>フィリー」

IMG_1448IMG_1436気楽妻の卒業旅行、2つ目の街はサンフランシスコ(フリスコ)。2人にとって初めての街♬とは言え、コロナ禍以降に治安が悪化し、危険な地域もあるとの情報で、ややビビりながら空港に降り立ち、ホテルへ。ハイアット修行中の2人の宿泊先は「グランドハイアットフリスコ」。設備面でやや寂しいものの、クラブラウンジからの眺望は見事。眼下に中華街、遠く「コイトタワー」、サンフランシスコ湾に浮かぶアルカトラズ島が一望できる。その北米最大の中華街に出かけた2人。それも食事のためではなく洗濯のために。長丁場の旅にはコインランドリーの所在確認が重要だ。それでも中華料理好きの2人にとって、細い路地が入り組む怪しい街の散策は刺激的で心弾む。

IMG_1462IMG_1526安が先行し、余り期待していなかったフリスコの街は意外に楽しく、フィッシャーマンズワーフにある「ミュゼ・メカニーク」というコイン式の古いアーケードゲームの博物館では本気で遊び、フェリービルでウィンドウショッピング、ケーブルカーは眺めるだけだだった(運賃がやたら高い)が、路面電車やバスなどの市内の公共交通に乗りまくった。そして最大の収穫は「サンフランシスコ近代美術館(SF MoMA)」だ。展示作品の意外なほどの充実ぶり(失礼)に加えて、中庭の造形の素晴らしさ、そして「The Visitors」というインスタレーションに感涙。この作品に出会えただけでもこの街に来た甲斐があったというものだ。*真っ赤なトイレも驚愕ものではあったけれども。

IMG_1585IMG_1613いて訪れたのはウィンディシティと呼ばれる街、シカゴ。この街には前職の友人夫妻が2人の到着を待っていてくれた。「アメリカに来るのなら、どこでも飛んでく!」と言ってくれていた彼女。宿泊先のひとつがシカゴだと伝えると、「じゃあ車で行けるから」と気軽に言うので安心していたら、何とその距離400Km!!。さすがアメリカ感覚(汗)。ともあれ、4人で乾杯しさらに部屋飲み。翌日はホテルの目の前のシカゴ川を船で巡り、建築物を鑑賞するクルーズツアーへ。川沿いに建つ「リグビービル」や「トリビューンタワー」をはじめとした歴史的建築物、かつて世界一の高さを誇った旧シアーズタワーなど、見所が満載。英語の解説が判らなくても、これが期待以上に楽しい♬

IMG_1678IMG_1660を降りて4人が向かったのは街の中心部にある広大な「ミレニアムパーク」。その公園のイチオシが通称「Bean」と呼ばれる巨大な屋外オブジェ「雲の門(Cloud Gate)」だ。鏡のように磨き上げられたオブジェに映るスカイスクレイパーや自分たちの姿に、子どもたちだけでなく大人も歓声を上げる。そして、妻の卒業旅行と言いながら、私が便乗してどうしても行きたかった「Route66」の起点へ。66歳のうちに訪ねることができたお祝い?に珍しく1人で記念撮影。それにしても、66歳からの私のRouteはどこに続くのか、いつまでどこまで(笑)続くのか。いずれにしても、シカゴが思いもかけず良い街だったと言う印象が残ったのは、友人夫妻のおかげでもあった。感謝。

IMG_1816IMG_18104番目の街はフィラデルフィア(フィリー)。4番の割には知名度が低く、かなり地味である。お気楽夫婦がこの街を訪ねた理由はひとつだけ。「USスカッシュセンター」を訪問したかったのだ。常設の観客席付き4面グラスコートが2面、ダブルスコートも含め22面のスカッシュコートを有する巨大な施設。2人にとって夢のような、天国のような場所。そこを見学するだけでなく、何とネットで予約し、グラスコートでスカッシュまで(それも2日間も)やってしまった。夢が叶った。Dreams Come True!!。内部には「US SQUASH National Headquarters」があったり、歴代の選手が紹介されていたり、まさにUSスカッシュの殿堂。日本にもこのような聖地が欲しいと涙する2人。

IMG_1874IMG_1986メリカ建国に縁のあるこの街を訪れたのは、タイミング良く「4th of JULY」。敢えて日程をそのように組んだのだが。街は熱狂的なお祭りムードに包まれ…てはおらず、パレードのルート周辺だけが関係者を中心に賑わい、終わったらささっと帰って行く、そんな観客の反応。それでも楽しもうぜ!と言う雰囲気が溢れ、ルーツは関係なく俺たちゃアメリカン!と言う参加者(世界各国をルーツに持つ国ごとに民族衣装を身に纏った参加者が多かった)が潔い。所詮(ネイティブアメリカンを除き)国民全員が移民の子孫である訳だし、と今更思う東洋の島国からやって来た2人。アメリカの自由と寛容と、良い加減さとスケールの大きさを感じることになった街だった。

「それにしても、フリスコよりもフィリーの方が危険な街だね」と妻。確かに、街の中心のオフィス街でも、交差点ごとに縄張りを持つ浮浪者が物乞いをしていたフィリー。地下鉄ではゾンビ(のように頭を垂れたジャンキー)を駅の警備員が電車から引き摺り下ろしている現場に出くわした。アンモニア臭が立ち込め、ゴミが散乱している路地も多い。「シカゴなら再訪アリかもしれないけど、フリスコも、フィリーも、もう来なくても良いかな」と妻の感想。「あ、スカッシュコートだけはまた来てみたいけど」全くの合意。そして続いての街は…。

お気楽妻の卒業旅行記(1)「不思議なご縁のバンクーバー」

Vancouver01Vancouver02年秋にお気楽妻が卒業(定年退職)した。40年間の社会人生活を無事に勤め上げ、(セミ)リタイアメント生活に入った。そこで、長年のハードワークを慰労し、人生の大きな節目をお祝いするために卒業旅行を企画した。元々はスターアライアンスの世界一周チケットを使って東回りでと考えていた計画を変更。まずは北米5都市を巡る3週間の旅とした。2人とも社会人になってから初めての超長期旅行。あぁ、本当に卒業したんだと実感する旅でもあった。羽田から大谷くんに見送られ、卒業のお祝いだから(若くはない身体に長時間フライトは厳しいからとも言う)とゼータクにもビジネスクラスに搭乗。最初の訪問はバンクーバー。2人ともカナダには初上陸だ。

Vancouver03Vancouver04港で出迎えてくれていたのは、娘(のような若い友人)夫妻。実は彼の地は、育児休業中のご夫妻が(彼の)故郷バンクーバーに長期滞在中ということもあり、最初の訪問地に選んだ街だった。空港からさっそく連れて行ってくれたのは、フィッシャーマンズワーフ。潮っ気のある生活(2人とも若い頃にヨットをやっていた)をしてきたお気楽夫婦にとっては嬉しい選択。その後にご両親の暮らす家に招かれ、行きつけだと言う中華レストランで皆んな揃って食事。ゆったりとした街並みのステキなエリア。時間がゆったりと流れ、空間も余裕があり、狭い日本と比較して少しだけ?羨ましくなる。そして何より生まれ故郷を誇らしげに案内してくれる彼の笑顔が眩しかった。

Vancouver05Vancouver06らのオススメSPOTは他にも。翌日は、ハーバー沿いにある「グランビル・アイランド」へ。かつては先住民族の居住地であり、工場地帯だった島。その後、工場の跡地が再開発され、人気のパブリック・マーケットやショップ、ギャラリー、レストラン、ホテルなどがひしめく、オシャレでワクワクするスポットになっている。ハーバーを跨ぐ大きな橋を見上げ、行き交う船やカモメ、そして何より抜けるような北の街の青空と雲を眺めているだけで豊かな気持ちになる。マーケット内のレストランでそれぞれ好きな物をテイクアウトして、明るい日差しが注ぐイートインスペースでランチ。孫娘(のような友人の娘)もご機嫌のご様子。実に豊かで幸福な時間が流れていく。

Vancouver07Vancouver08の日の午後は、彼らの運転する車で大きな吊り橋を渡り、バラード海峡を越えてウェスト・バンクーバーへ。この街を訪ねたかったもう一つの理由、ご近所に住んで(小さなパティスリーを開いて)いた、20年来の友人が新たにその場所で店をOPENさせたのだ。「わぁ、IGAさん、久しぶり♬」店に入ると変わらぬ笑顔。そして「ハグするならこっち」と、お気楽妻とハグをして、ついでに私とも。そんなところも変わらない。日本の店の何倍もある店で、何人かの人を雇い(日本ではワンオペ)、すっかり経営者の顔になり、高級住宅街であるそのエリアの人気の店になっていた。何だか嬉しく、誇らしく、そしてカナダは遠く、また次に会える日は来るのかなと寂しさも感じる再会だった。

Vancouver09Vancouver10ンクーバー名所、名物を2つ。ツーリストが必ず訪れるのが、ガスタウンにある蒸気時計。15分毎に1度、湯気が出て音が出るらしいけれど、少なくともお気楽夫婦が待っている間はその気配もなく、どこも名所とはまぁこんなものだろうと立ち去った。もうひとつはシーフード。「Joe Fortes SEAFOOD & CHOP HOUSE」という有名店に出かけた。何気なく選んだ店だったのだけど、これが大正解。大当たり。過剰なほどに明るいカナディアンのオッサンが、これは絶対に食べなきゃあかん!と捲し立てるから、思わずオーダーしたロブスターの美味しいことったら。ムール貝のワイン蒸しも絶品。店の佇まいも“古き良き”時代のカナダ。良い感じ。それだけに大繁盛。オススメです。

Vancouver13Vancouver14して翌朝、フェリーターミナルまで散歩してみると巨大な船が停泊している。船名を読めば「飛鳥II」ではないか!あらら。お気楽夫婦の渡航に合わせたように来航していた、遥か日本からやって来た同郷の友人(笑)にあったような気持ち。調べてみると、世界一周の旅の途中でバンクーバーはわずか1日の寄港らしい。これは奇遇。不思議なご縁だ。さらに街を歩いていると、大きくオシャレなスーパーに「IGA」の看板が。むむ?こんな巨大なスーパーチェーンを経営している覚えはないが、確かに紛うことのない私の名前。どうやらいつの間にか経営していたらしい(汗)。これまた嬉しいご縁(笑)だ。

「良い街だったね♬また来たいと思わせる魅力があるね」と珍しく手放しで誉めるお気楽妻。同感。街は比較的清潔で、自然がすぐ傍にあり、街も人も大らかでギスギスしていない。アジア系に対する偏見も少なそうだ。あくまで個人の感想ではあるが、几帳面な日本人でもストレスが溜まりにくいのではないか。じゃあ次は、2028年のLAオリンピック(正確にはスカッシュのみ)観戦に、この街を経由して来てみようか。「いいよ!」と相変わらず上から目線のお気楽な妻だった。

美味しさと心地良さ溢れるホテル「パークハイアット東京」

ParcHyatt20ParcHyatt21規模改修工事のため2025年秋までの長期休業に入った「パークハイアット東京(以下、パーク)は、美味しさに溢れたホテルだった。お気楽夫婦が滞在の度に楽しみにしていたのが朝食。グローバリストという会員カテゴリに属する2人は、インルームダイニングも含めて朝食は無料。それも、何をどれだけ食べてもOKというとてつもなく嬉しく豪勢な特典だ。妻が初日にオーダーするのは「エッグベネディクト」。日本は元より世界各地のホテルで彼女が食べてきた、どのレストランのものよりも圧倒的に美味しい一皿なのだと言う。そしてフルーツの盛合せ。フレッシュな旬のフルーツが見目麗しく白い大皿に盛り付けられた姿は、もはや妖艶と言っても良い。そしてもちろん味は絶品。

IMG_0356ParcHyatt23ンルームダイニングの楽しみは他にもたくさんある。ホテルからウェルカムシャンパンとしていただく冷え冷えの1杯を味わうのも嬉しいし、仲間を招いて夜景を眺めながらワイワイと飲むワインも最上の味。ジムで汗を流し、スパでのんびりとジャグジーに浸かり、さっぱりとした身体でグビリと飲むビールは何物にも代え難い。1階にある「ペストリーブティック」のショーケースの中に鎮座する美人スイーツの中から、妻が満面の笑みで嬉しそうに迷いながらセレクトしたケーキをいただく午後は、絵に描いたような幸福な時間だ。一緒にいただくコーヒーとホットチョコレートは、ポットでいただき朝食で飲みきれなかったもの。小さなところでは経済的なな2人でもある。

ParcHyatt24ParcHyatt25テルの最上階、52階にある「ニューヨークバー」と「ニューヨークグリル」は、2人のお気に入りバー&レストラン。パークのダイニングの中でも訪問頻度が最も高い。ジャズトリオとヴォーカルのライブを聞いている来店客はほとんどが西洋系の方々。日本人客は少なく、まるでNYCにいる如し。ところで、少食の2人にとって店名の通りボリュームたっぷりのNYスタイルの食事メニューは手強すぎる。そこで毎回選ぶのは「シーザーサラダ」や「アペタイザープレート」などの軽いメニュー。大きな胃袋を持つ方々が羨ましい。因みに、このシーザーサラダのレシピには変遷があり、メインのロメインレタスが大きな葉のままで出てきた頃もあり、葉が小振りになったり、盛り付けや食器も随分と変わった。そんな話をしながらいただくサラダもまた旨い。

ParcHyatt26ParcHyatt27食の名店「梢」も2人にとって大切な店。ランチメニューでいただく「梢」と言う店名の付いたメニューを選ぶのがお約束。二段重に盛り付けられた美しい旬の食材を使った料理の数々が食欲をそそる。そしてもちろん昼からビール。夜ならもちろん日本酒が必須。営業を再開したら真っ先にランチ(晴れた日なら遠く富士山を望める)で訪れたい場所だ。ホテル1階の「デリカテッセン」も楽しい店だ。この店はテイクアウトのメニューとイートインメニューが同じ。どちらも広いショーケースの中からメニューを選び、インルーム(盛り付けて客室に持ってきてもらえる)でいただくか、明るい外光の下でいただける。チェックイン前に気持ちをアゲるイートインがオススメ。

ParcHyatt34IMG_0416してパークの最大の魅力は、このホテルすべてのセクションが持つ高いレベルのホスピタリティだ。スタッフの前を通ると誰もが柔かかつフレンドリーに挨拶していただける(これがなかなか難しい)のはもちろん、ちょっと早めにチェックインした際に、予定していた客室がまだ準備できていないからと「TOKYOスイート」と言う3段階上のスイートにサラッと(本当に良いのか?と流石に驚いた)案内されたり、どこで食べているかお伝えしていなかったのにランチの席まで鍵を持って来ていただいたり…と、さり気なく的確なサービスを供していただける。これが毎回お気楽夫婦を心地良くくすぐるのだ。2024年5月初旬、休業前の最後の客になろうと出かけたパークでも…。

「持って来ていただいたスイーツ、すごいよ!」感情体温が低い妻が珍しくテンション高く告げた。どれどれと見れば、パークから頂いたチョコレートケーキの上にお気楽夫婦の名前と「We Hope to see you again in 2025」と言うメッセージが!! またやられた♬はい、もちろんすぐに来ますとも。2人の入籍、そして25周年のパーティを担当していただいたN田さんと、またホテルフリーク同士のトークを楽しむために。そして何よりノンストレスの滞在を堪能するために。

002184380

SINCE 1.May 2005