北京ダックの謎「全聚徳」

Zenshutokuる週末、なぜか突然どうしても美味しい北京ダックを食べたくなったお気楽夫婦。それではと、急ぎ北京に向った。成田空港に…は向わず、地下鉄に乗る。北京で1864年に創業、147年の歴史を誇る北京ダックの名店「全聚徳」新宿店は、新宿三丁目駅から徒歩2分。店内は真っ赤なカーペット、テーブルクロス。スタッフは流暢な日本語と中国語を話す。客も中国人が多い。まるで北京。店の看板には焼き上がったダックの写真。席に着いて周囲を見回すと、各テーブルではすでに北京ダックを食べ始めていたり、目の前でシェフがダックを捌いていたり。大半の客は、お気楽夫婦と同様に、北京ダックを食べるために、この店にやって来る。2人もさっそく前菜、豆苗炒め、そしてダックを半羽オーダー。ビールを飲みながらダックの飛来を待つ。

PekingDuckPekingDuckwithsugarころで、「北京ダックは皮だけ食べる」「広東式の北京ダックは肉も食べる」というのが、日本ですっかり定着した知識。ちょっと前までは、あるいは私のような半可通の情報では、その通りではある。ところが日本の常識で言えば北京式であろう、この老舗料理店での食べ方は違う。最初にかりっと焼き上がった胸肉の皮だけ削ぎ、少量しか取れない貴重な部位に白砂糖をまぶしいただく。黄金色に輝くかりかりの皮と、皮の裏に付いている脂、砂糖の甘さが絶妙なハーモニー。これぞ北京ダック。ただし、飽きない程度に、少量で充分な濃厚な味。

DuckLadyBunsに食すのは、皮付きの肉。つまり北京式と広東式の良いとこ取り。荷葉餅(カオヤーピン)に甜麺醤を塗り、細切りネギ、キューリ、サンチュと一緒に巻いて食す。ダックの脂が染み出さないように、餅の端をていねいに折り畳み、スタッフの女性が巻いてくれる。巻いた餅の口が空いている端の方からがぶり。う〜ん、旨い!ダックの脂と野菜の味と歯触りが一気に口の中で混じり合い、広がる。この味だ。これを食べに北京まで来たのだ。「新宿だけどね」…今日は妻の突っ込みも速い。満足そうに頬張る妻。笑みが零れる味わいだ。あっという間に美しく巻いてもらった北京ダックを平らげた2人。スポーツジムで汗を流した後でもあり、今日は余裕の食欲だ。

MangoAnninDofuこで炭水化物を選ばず、デザートを選択する2人。パパイヤとタピオカ入りココナツミルク、杏仁豆腐をチョイス。熟し加減が絶妙のパパイヤに、ココナツミルクの風味が絶妙。「これ、すっごいよ。今まで食べた中で一番美味しい杏仁豆腐だよ!」珍しく興奮気味に、妻が杏仁豆腐を絶賛。意外なところで評価が上がる。思えばこの店、北京ダックの名店とは知らず、数年前に来店。「この店、北京ダックで有名らしいよ」と恐れを知らず宣わり、以来北京ダックと言えばこの店!と食べに来ること数度。小食の2人はデザートまで行き着かず、初のご対面。大正解だった。

京まで行かなくても、この店で充分だね」全聚徳の北京ダックが食べたくなると、作家の浅田次郎は北京に飛ぶという。お気楽な夫婦は北京ダックが食べたくなれば、電車に乗って新宿3丁目の北京まで。分相応の贅沢である。…それにしても突然食べたくなる衝動に襲われる北京ダック。自らは飛ぶことなく、丸々と太り、あの浅田次郎をして北京に飛ばせてしまう料理。魔性の一皿。謎の料理。あぁ、また…。

遥かワシントンへ届け!「Madame , My Love」

LungKingHeenダムと呼ばれる女性がいる。一般名詞のMadameではなく、固有名詞としての“マダム”。誰から呼ぶともなく、いつの間にか仲間内でそう呼ばれ、あっという間に定着した。彼女がそう呼ばれるには理由がある。もちろん奥さま。スカッシュを通じて知り合ったお気楽夫婦が知る限りでも、アクティブで社交的で、交友範囲が広い。知性的なのに気取らない。年齢を感じさせない若々しさがある。オヤヂのような飲み方をしても品がある。そして何より華がある。誤解を受ける場合もあるらしいが、男女問わず周囲を惹きつける魅力がある。お気楽夫婦は、そんなマダムと意気投合。スカッシュ以外でもご一緒する機会が急速に増えていた。ところが…。

YogaHonjou身時代にCAとしての勤務経験もあり、英語が堪能な彼女は海外勤務の多かったご主人を支え、2人のお子さんを育ててきた。その息子さんは社会人、娘さんは来春卒業。この夏、そんなタイミングでご主人のワシントンD.C.への赴任が決まった。いくつかの選択肢の中から、2人の子供を残しご主人と一緒に渡米することを選んだ。巣立ちも間近な子供たちのこと、親しい友人たちと過ごす充実した日々、故郷に住む親のこと、迷いも葛藤もあっただろう。「アメリカが嫌になったらすぐに日本に戻って来るわよ」笑いながら、冗談のように明るく言うけれど、周囲は突然のニュースに驚いた。さらに、赴任の日が早まり、マダム渡米のスケジュールも年内となった。

Foo3れからマダムの怒濤の日々が始まった。日本では船便で送る家財道具をまとめ、渡航手続きを行った。ワシントンに飛んでは、多忙なご主人に代わり2人の住居を選び、家具を選び、ついでにスカッシュコート付きのスポーツクラブを探した。さらについでにワシントン駐在の奥さまたちの集まりに参加し、地元交友の足場を作ったあたりはさすが。そして帰国してすぐに、以前から約束していた香港行きを決行。であればと、お気楽夫婦もご一緒し、香港の美味を堪能。香港から日本に戻った時点で渡米まで1ヶ月弱。そんなスケジュールの中で、彼女が会っておきたい友人たちと設定した食事会、飲み会の数、なんと30余り。1日に複数回をハシゴすることもあったらしい。それでもFacebookにコメントし、mixiの書込みを精力的にこなした。

Squah&Karaoke2気楽夫婦も、マダムの肝臓と胃腸を痛めつけるような、そんな日々に貢献?した。香港でご一緒したご夫婦のご自宅で手料理を味わい、スカッシュ仲間で恒例の「用賀本城」に伺い、「広東料理Foo」で深夜まで大騒ぎ。そして、渡米数日前にさすがにマダムがダウン。ご一緒する予定だった「パクチーハウス」は急遽キャンセル。渡航前日に予定していた「田中星児と歌おう!スカッシュ&カラオケ壮行会」に備えてもらった。そして当日。体調は完全ではないものの、マダムは弾けた。皆と一緒に歌い、泣き、笑った。この数ヶ月ご一緒した写真を中心にデジタルフォトフレームに収めプレゼント。そして、参加メンバー全員から、マダムに贈る歌をセットリストと共に贈った。ワシントン土産だという揃いのTシャツを着て、記念撮影。あっと言う間にマダムと過ごす渡米前最後の時間が過ぎて行った。

気楽妻は『サンキュ.』を歌い、メッセージは涙でことばにならなかった。ある友人は『キミはともだち』を歌いながらすすり泣いた。そして、斎藤和義の『ずっと好きだった』を選んだ私は、男性メンバーとともに「僕らのマドンナ〜♬」とシャウトした。

して、マダムが旅立った。

には、ワシントンに行くよ!」お気楽妻の瞳に本気の炎が見えた。

No Paxi , No Life♡「パクチーハウス東京」

NoPaxiNoLifePakuPakuPorkにはそれぞれの信条があったり、何かがなければ生きて行けない!ぐらい大切なものがある。ワーレコードのコーポレート・ボイスは「NO MUSIC, NO LIFE.」音楽がなければ生きていけない!うん、分かる。人によっては「NO BOOK, NO LIFE.」そうだね、本がなくなったら確かに困る。「NO WINE, NO LIFE.」ワイン無しの人生なんて!えぇ、いらっしゃるでしょう、そんな方。ところが、この店は「NO PAXI, NO LIFE.」なのだ。世田谷区経堂にあるパクチーハウス東京。名前の通り、パクチー料理の専門店。もしかしたら、というか間違いなく世界で唯一の店だろう。

YanpakuKimuPakuの店はビルの2階。店に向う狭いエレベーターの中は、既にパクチーの香りが充満。苦手な方だったら(そんな人は絶対にこの店に行こうと思わないだろうが)「あ、もうギブ!」と言うだろう香気。パクチー好きならウキウキ気分。この店は、そんなパクチフリークを喜ばせる仕掛けがいっぱい。例えば、料理名。「パクパクピッグパクポーク ビッグパクパクパクポーク」という柔らかく煮込んだ豚バラの上にたっぷりパクチーを盛り付けた料理がある。そしてメニューには「ちょっと長い名前ですが、ご注文は正式名称でお願いします」とコメント。注文する客は、懸命に噛まずにオーダーしようとし、まんまとつっかえ仲間内の笑いを誘う。そう、この店のコンセプトは交流する飲食店。

KakiagePaxiRice気楽夫婦は大のパクチー好き。そしてパク好きはパク好きを呼ぶ。2011年3月11日、そんな仲間たち“チーム・パクチー”が結成され、第1回の集会を開催するはずだった。ところが、震災により延期。メンバーは一時解散。雌伏すること8ヶ月。再結成の時を待っていた。そして初冬のある週末、新メンバーを加えたチーム・パクチーが再結成された。大勢で食べればいろいろなメニューを楽しめる。パクチー好きにとっては至福の時。予約カードに記された名前が間違っていたことなど気にしない。小さく追加で「十」と入れてもらう(笑)。ちなみに、来店は来パクと言い、パクチーのお茶はパクティーと呼ぶ。そんな徹底ぶりがまた楽しい。

SupaxiMienTeamPaxiんな店だから、客側もきちんと楽しむことを知っている。例の「パクパク…」をオーダーする際には、スタッフに「念のためにオーダーを復唱してもらえますか?」とお願いし、淀まず言えたら拍手を贈る。「追パク」というパクチーだけの追加メニューがあり、元気な声でオーダーしてくれたら無料だという。すると、店のあちこちから「追パクお願いしまぁ〜〜す♬」と声が上がる。そんなノリ。チーム・パクチーも「追パク」を難なくこなす有望な女性新人を迎え、ますます盛り上がる。「キムパク(パクチーのキムチ)なかなか美味しいねぇ」「やっぱりパクライスも良いっすね」「酸っパク麺って初めて食べたけど、美味しいですねぇ」「パクと季節のかき揚げは絶品っすね」「もうお腹いっパクだぁ」…何のことやらの会話が続く。

真を撮るよぉ〜」そんな声を聞きつけ、スタッフがパクチーマンのかぶり物を貸してくれる。「はい、パクチー」とポーズ。そして会計。自分の書いたブログなどの記事を印刷して持参すると5%オフ。最後までノリの良い店でメンバーもたっぷりとパクチーを楽しんだ。「ふぅ〜、美味しかっパク」妻のノリも良し。

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SINCE 1.May 2005