那覇ぶらぶら、まちま〜い♬「マーサンウチナー」

Naha1覇初日、ホテルの窓から街を見下ろすと、煌々と光るネオンサインが目に付いた。目を凝らすと「BARサクラザカ」と読める。ん?なんと、その日の夜に行く予定の店。まるでお気楽夫婦を呼んでいたかのようだ。その店はシモキタにある行きつけの泡盛バー「Aサインバー2号店」の姉妹店。入ってみると狭い店とは言え、ほぼ満席。んんっ?店長らしき(何しろスタッフは1人しかいない)男性の顔は覚えがあるぞ。

Naha2を伺うと、やはり彼は姉妹店「チャンプル〜」にいた事を確認。おつまみは缶詰だけ。珍しい天ぷら缶をお願いすると、「天ぷらは美味しくないから止めといた方が」とのこと(笑)。了解。3台もあるジュークボックス、「GORO」や「スコラ」などの懐かしい雑誌。何だか和める良い店だ。泡盛を2杯ほどいただき、また来ますと伝えると、「この店僕1人なんで、休みが多いから気をつけて」と、テーゲーなウチナー感満載。

Naha3良垣の視察の後、再び那覇に戻り「壺屋やちむん(焼物)通り」を散策。前回の訪沖の際ものんびり散歩した、お気楽夫婦お気に入りのエリアだ。壺屋焼の販売店があったり、窯元や工房があったり、そして足元には壺屋焼の欠片が埋め込まれていたり、見上げると蔦のからまる塀の上にシーサーが睨みを利かせていたり。戦禍を免れた古い街並みが残り、昭和にタイムスリップしたような商店街に続く、街歩きのハイライトだ。

Naha5坂中通りを渡り、土産物屋、ゲストハウスなどが軒を連ねる平和通りに入る。1980年にアーケードが作られたと言うから、かなりの“年代物”。昼呑みしている観光客たちを横目に眺めながら、敢えて怪しげな路地に入り込む。何だか既視感があると感じ、あぁ、香港やバンコクの裏通りと似た街の香りだと気付く。これこそ那覇のまちま〜い(街周り)の醍醐味だ。そしていよいよ迷宮の中心、「牧志公設市場」に辿り着く。

Naha6後間も無く、闇市の露天商を集めたのがマチグヮー(市場)の始まりだと言う。建物の中に入ると、色鮮やかな海産物が並ぶ鮮魚店、チラガー(豚の顔の皮)やテビチなどが圧倒的な迫力で迫る精肉店、島マースをはじめ何十種類もの香辛料を売る店など、市場好きのお気楽夫婦がワクワクする空間が広がる。「楽しぃ〜っ♬」と目を輝かせた妻が自分用のお土産に激辛調味料コーレーグス(島唐辛子入り泡盛)を購入。324円の幸福。

Naha10場の2階にある食堂では1階の店で買った魚などを調理して食べさせてくれるが、敢えて市場の近くにあるソーキそば専門店「田舎」へ向かう。看板メニューのソーキそばが390円、ラフテー入りの沖縄そばが450円。決して清潔とは言い難いし、愛想が良いとは全く言えないし、今まで食べた事のない美味しさとは思わないが(笑)、素朴に美味しい。2人で840円の口福。観光客に媚びない営業方針(たぶん)を貫く姿勢が好ましい。

Naha7覇の夜の掉尾を飾るのは、「沖縄料理と泡盛の店 カラカラ」と言うホテル近くの居酒屋。前回の訪沖の際に偶然通り掛かり、気になっていた店だ。ホテルの近くで沖縄料理の美味しい店を検索すると、この店に当たった。果たして私の嗅覚は?と店に入る。瞬間、当たり!と分かる店の空気。小綺麗でありながらワクワク感満載の内装、料理と泡盛(何と50種類以上!)をはじめとしたドリンクメニューも豊富。これは楽しみだ。

Naha8名にもなっているカラカラ(泡盛用の酒器)で、さっそく泡盛をオーダー。*ビールは(シャンパンも!)ホテルのラウンジで頂いて来た。琉球料理かりゆし3種盛り「ドゥルワカシー」「ミヌダル」「クーブーイリチー」という、どれも大好物のメニューに感涙。都内の沖縄料理屋ではこの3種が揃う店は珍しい。「この店に来た甲斐があったねぇ」と彼女の好物でもあるウチナー料理を味わいながら、妻が満足そうに微笑む。

Naha9覇滞在中のホテルは、瀬良垣泊の前後2泊とも「ハイアットリージェンシー那覇 沖縄」だった。まちま〜いに便利で、マチグヮーにも近い。お気に入りになった2軒の店どちらにも徒歩1分!「良い旅だったねぇ。ウチナー料理もかなり美味しかった♬また来なきゃね!」と、妻の最大級の賛辞。そこで、ふと窓の外を眺めると、うわ〜!遠く打上げ花火が上がる。と、最後までマーサン(美味しい)ウチナーの旅だった。

波を眺める宿「ハイアットR瀬良垣アイランド沖縄」

SERAGAKI1風、大変だったですよぉ。この辺は停電だったしねぇ」那覇から瀬良垣に向かうタクシーの中で、運転手さんが当時の様子を語る。当初、お気楽夫婦が「ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄」に滞在する予定だったのは、まさしく台風24号直撃の週末だった。予報では、“非常に強い勢いで”沖縄付近を通過するという。そこですかさず全ての予約を変更。1ヶ月ほど日程をずらした晩秋の訪沖となった。

SERAGAKI2害ですっかり枯れてしまいました。植え替えるまではしばらくかかりそうです」チェクイン後、ホテルのスタッフに話を聞くと、その答えにも無念さが滲む。開業から間もないにも関わらず、ホテル周辺の植栽の大半は赤茶け、枯死寸前のよう。想像以上の被害だ。ホテル内部に入ると、エントランスからロビーラウンジ、バーと一直線に結ばれ、高い天井からスクェアなフレームが下がるスタイリッシュな空間が広がる。

SERAGAKI3、ここだ!」部屋に入った後、館内を散策。妻が事前に調べていたホテルの名所を発見。東シナ海に向かって大きなピクチャーウインドウが嵌め込まれ、打ち寄せる波と、その波とぶつかり合う岩と、水平線まで延びる青と、その上の空と雲を、ずっと眺めていられる空間だ。ホテルが建つのは、沖縄の中部恩納村、万座岬の対岸にある(橋で渡れる)瀬良垣島という(元)離島。360度海に囲まれていると言っても良い環境だ。

SERAGAKI4縄県で最大瞬間風速56.2メートルを記録した台風24号の高波が、開業早々のホテルを襲った。そして島の突先に設けられていたフィットネスセンターのガラス窓を破壊した。お気楽夫婦が訪れた期間は、ちょうど改修工事が始まったタイミング。「マシンが海水に浸かってしまったんです」と嘆くスタッフ。開業直後に宿泊した方の滞在記などを見ると、最新のマシンが揃っていた。ここで海を眺めながら汗を流したかった。残念!

IMG_3455めのランチを取ろうと、「オールデーダイニング セラーレ」に向かう。朝食会場になる場所だが、明るく広々とした店内で、ここもまた外の景色を眺めながらゆったりと食事をとることができる。妻が選んだクラブハウスサンドは、添えられたフレンチフライが見事にリゾート気分。カリカリのポテトが昼飲みビールによく合う。ハイアットホテルズとしては国内初のビーチリゾート。面目躍如のポテトだ(笑)。

IMG_3450室は広いバルコニー付きのスタンダード。ワンルームタイプで38㎡と決して広くはないけれど、オープンな洗面スペースとバスルームの間の壁はガラスだし、クローゼットも扉なし。見事にフラットで開放的なリゾート仕様。ラグーンビューのバルコニーに出てみると、館内散策したルートを俯瞰して眺めることができる。さらに遠く万座岬の断崖の上に建つANAインターコンチホテルが見える。リゾート気分も最高潮だ。

IMG_3444 (1)下のプールエリアは、グスクプール、ジャグージ、波打ち際まで延びるラグーンなどからなり、インドアプールやプールサイドバーまで擁する本格的なリゾートアクティビティだ。そうなのだ。このホテルは、実に良くできたビーチリゾートなのだ。あのチャーミー(台風24号)さえ、やって来なければ。…海に繋がるラグーンの向こうには、本物の(笑)ラグーン、リーフ、そして外洋と水の色が変わる実に美しい眺めだ。

SERAGAKI8た来れば良いさぁ」お気楽妻は至ってご機嫌で、ウチナンチュのように鷹揚だ。クラブラウンジでの食事も、ホテルのロケーションも、アクティビティ施設も(改修されれば)、お気に入りの模様。「視察に来た甲斐があったね。やっぱり現地に来なきゃ分かんないね。また来るよ」ホテルフリークで、かつハイアットファンの妻が宣言する。了解。穏やかな波の季節に、植栽が回復し、ジムで走れるようになったら再訪しよう。

栗天の栗天「くりはらのてんぷら」

Kuritem1近所の住宅街に、気になっている店があった。店の名前は「栗天」。くりはら(おそらく栗原さん)のてんぷらだから、栗天。潔い店名のセンスが好き。小ざっぱりとした店の入口には、お休みの案内とショップカードが客を待つ。店主の似顔絵イラスト入り。店のサイトにも、店主の似顔絵がチラチラと登場する。このテイスト、お気楽夫婦好み。期待しつつ店内へ。清潔でさっぱりとした内装。好感度高し。料理が楽しみだ。

Kuritem2ウンタ席には客が4組、9人。休日とは言え、17:30の入りとしてはなかなかの賑わいだ。*夜は17:30と19:30の予約のみ。他の客との間に1席づつ空けてあるのも好印象。まずはビールをぐびり。ビールもヱビスの小瓶というのが良い。夜天(夜のメニュー)は6,000円のお任せコース。お通しは、添えられた菊の花びらが美しい、柿とキノコの白和え。ん、さっぱりと旨い。天ぷらの前の一皿としては好適。良い感じのスタートだ。

Kuritem3ぷらに合わせていただくワインは、勝沼醸造の「アルガブランカ クラレーザ」。和食に良く合うすっきりとした飲み口。ハーフボトルがあるのが嬉しい。ところで、店主のクリハラさんは、イラスト通りの方。どこか愛嬌がある下がり眉。「そっくりだね」とお気楽妻がこっそりささやく。店主と過剰な会話はなく、客同士の会話が適度に溢れる、良い空気感だ。揚げ油の香りもなぜか店内にこもらず、心地良し。

Kuritem4初のネタは、海老の頭と銀杏。カリカリとした海老の頭は大好物。身よりも好きかもしれないぐらい。ごく薄い衣に包まれた銀杏のルビー色と海老のオレンジが、白い敷紙に良く映える。「やっぱりこんな衣の方が好きだなぁ。揚げ油も」この店は綿実油をメインとした油で揚げる、カラッとした関西風の天ぷら。ごま油を使ってこんがりと揚げる関東風より妻の好み。天ぷらの衣が厚いとそれだけで満腹になるらしい。やれやれ。

Kuritem5ス、ホタテ貝柱などに続き、目の前にドカンと置かれたのは椎茸。丸のままで揚げられ、敷き紙の上でスパッと鮮やかに切られるというパフォーマンス付き。ハフハフと頬張り、何とも言えぬ椎茸の良い香りと、ジューシーな旨味(椎茸はグアニル酸を大量に含む旨味の塊だ)を味わう。「シイタケって、マツタケよりずっと美味しいよね」と健気なセリフの妻。松茸を食べられない負け惜しみか?でも、全く同感だ。

Kuritem6っぱだけ先に食べねいでください。この後にワカサギが来ます」と大葉の天ぷらが乗せられる。冗談なのか、お約束のネタなのか、店主のキャラがまだ判らないため、反応に困っていると、泳いでいる姿そのままのワカサギが登場した。見事な泳ぎっぷりだ。「うわ、これは美味しいね。ワカサギの天ぷら食べて初めて美味しいって思った」ほろ苦さと甘みと旨みが、サクッとした歯応えに混じり合う。これは絶品だ。

Kuritem7天の栗天です」今度は明らかにネタだと分かるコメント付きで、栗の天ぷらが供される。秋限定のネタ。そして椎茸と同様に、目の前で真っ二つ。いかにも旨そうなホクホクとした実の断面が現れ、芳しい香りを放つ。初の栗天だけれど、これは旨いだろう。アチアチと頬張ると、渋皮に包まれた栗の実は、苦味と甘みが相まって何とも言えないオトナの味。この季節にこの店を訪ねて良かったと思わせる味。

Kuritem8後は天茶か天丼ですが、どちらが…」と尋ねられ、声を揃えて「かき揚げだけにしてください」と答える満腹の2人。お隣の美味しそうな天茶を見ながら、少食の我が身を恨む。「これは季節ごとに来なきゃだね」とお気楽妻が最大の賛辞。春の山菜、夏の茗荷や小鮎、そして秋は栗!。秋の四季の味を楽しむ和食の中でも、殊に天ぷらは季節ごとの味を楽しめる。では、次回は冬の天ぷらをいただきに伺おう!

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