お気楽妻の卒業旅行記(1)「不思議なご縁のバンクーバー」

Vancouver01Vancouver02年秋にお気楽妻が卒業(定年退職)した。40年間の社会人生活を無事に勤め上げ、(セミ)リタイアメント生活に入った。そこで、長年のハードワークを慰労し、人生の大きな節目をお祝いするために卒業旅行を企画した。元々はスターアライアンスの世界一周チケットを使って東回りでと考えていた計画を変更。まずは北米5都市を巡る3週間の旅とした。2人とも社会人になってから初めての超長期旅行。あぁ、本当に卒業したんだと実感する旅でもあった。羽田から大谷くんに見送られ、卒業のお祝いだから(若くはない身体に長時間フライトは厳しいからとも言う)とゼータクにもビジネスクラスに搭乗。最初の訪問はバンクーバー。2人ともカナダには初上陸だ。

Vancouver03Vancouver04港で出迎えてくれていたのは、娘(のような若い友人)夫妻。実は彼の地は、育児休業中のご夫妻が(彼の)故郷バンクーバーに長期滞在中ということもあり、最初の訪問地に選んだ街だった。空港からさっそく連れて行ってくれたのは、フィッシャーマンズワーフ。潮っ気のある生活(2人とも若い頃にヨットをやっていた)をしてきたお気楽夫婦にとっては嬉しい選択。その後にご両親の暮らす家に招かれ、行きつけだと言う中華レストランで皆んな揃って食事。ゆったりとした街並みのステキなエリア。時間がゆったりと流れ、空間も余裕があり、狭い日本と比較して少しだけ?羨ましくなる。そして何より生まれ故郷を誇らしげに案内してくれる彼の笑顔が眩しかった。

Vancouver05Vancouver06らのオススメSPOTは他にも。翌日は、ハーバー沿いにある「グランビル・アイランド」へ。かつては先住民族の居住地であり、工場地帯だった島。その後、工場の跡地が再開発され、人気のパブリック・マーケットやショップ、ギャラリー、レストラン、ホテルなどがひしめく、オシャレでワクワクするスポットになっている。ハーバーを跨ぐ大きな橋を見上げ、行き交う船やカモメ、そして何より抜けるような北の街の青空と雲を眺めているだけで豊かな気持ちになる。マーケット内のレストランでそれぞれ好きな物をテイクアウトして、明るい日差しが注ぐイートインスペースでランチ。孫娘(のような友人の娘)もご機嫌のご様子。実に豊かで幸福な時間が流れていく。

Vancouver07Vancouver08の日の午後は、彼らの運転する車で大きな吊り橋を渡り、バラード海峡を越えてウェスト・バンクーバーへ。この街を訪ねたかったもう一つの理由、ご近所に住んで(小さなパティスリーを開いて)いた、20年来の友人が新たにその場所で店をOPENさせたのだ。「わぁ、IGAさん、久しぶり♬」店に入ると変わらぬ笑顔。そして「ハグするならこっち」と、お気楽妻とハグをして、ついでに私とも。そんなところも変わらない。日本の店の何倍もある店で、何人かの人を雇い(日本ではワンオペ)、すっかり経営者の顔になり、高級住宅街であるそのエリアの人気の店になっていた。何だか嬉しく、誇らしく、そしてカナダは遠く、また次に会える日は来るのかなと寂しさも感じる再会だった。

Vancouver09Vancouver10ンクーバー名所、名物を2つ。ツーリストが必ず訪れるのが、ガスタウンにある蒸気時計。15分毎に1度、湯気が出て音が出るらしいけれど、少なくともお気楽夫婦が待っている間はその気配もなく、どこも名所とはまぁこんなものだろうと立ち去った。もうひとつはシーフード。「Joe Fortes SEAFOOD & CHOP HOUSE」という有名店に出かけた。何気なく選んだ店だったのだけど、これが大正解。大当たり。過剰なほどに明るいカナディアンのオッサンが、これは絶対に食べなきゃあかん!と捲し立てるから、思わずオーダーしたロブスターの美味しいことったら。ムール貝のワイン蒸しも絶品。店の佇まいも“古き良き”時代のカナダ。良い感じ。それだけに大繁盛。オススメです。

Vancouver13Vancouver14して翌朝、フェリーターミナルまで散歩してみると巨大な船が停泊している。船名を読めば「飛鳥II」ではないか!あらら。お気楽夫婦の渡航に合わせたように来航していた、遥か日本からやって来た同郷の友人(笑)にあったような気持ち。調べてみると、世界一周の旅の途中でバンクーバーはわずか1日の寄港らしい。これは奇遇。不思議なご縁だ。さらに街を歩いていると、大きくオシャレなスーパーに「IGA」の看板が。むむ?こんな巨大なスーパーチェーンを経営している覚えはないが、確かに紛うことのない私の名前。どうやらいつの間にか経営していたらしい(汗)。これまた嬉しいご縁(笑)だ。

「良い街だったね♬また来たいと思わせる魅力があるね」と珍しく手放しで誉めるお気楽妻。同感。街は比較的清潔で、自然がすぐ傍にあり、街も人も大らかでギスギスしていない。アジア系に対する偏見も少なそうだ。あくまで個人の感想ではあるが、几帳面な日本人でもストレスが溜まりにくいのではないか。じゃあ次は、2028年のLAオリンピック(正確にはスカッシュのみ)観戦に、この街を経由して来てみようか。「いいよ!」と相変わらず上から目線のお気楽な妻だった。

美味しさと心地良さ溢れるホテル「パークハイアット東京」

ParcHyatt20ParcHyatt21規模改修工事のため2025年秋までの長期休業に入った「パークハイアット東京(以下、パーク)は、美味しさに溢れたホテルだった。お気楽夫婦が滞在の度に楽しみにしていたのが朝食。グローバリストという会員カテゴリに属する2人は、インルームダイニングも含めて朝食は無料。それも、何をどれだけ食べてもOKというとてつもなく嬉しく豪勢な特典だ。妻が初日にオーダーするのは「エッグベネディクト」。日本は元より世界各地のホテルで彼女が食べてきた、どのレストランのものよりも圧倒的に美味しい一皿なのだと言う。そしてフルーツの盛合せ。フレッシュな旬のフルーツが見目麗しく白い大皿に盛り付けられた姿は、もはや妖艶と言っても良い。そしてもちろん味は絶品。

IMG_0356ParcHyatt23ンルームダイニングの楽しみは他にもたくさんある。ホテルからウェルカムシャンパンとしていただく冷え冷えの1杯を味わうのも嬉しいし、仲間を招いて夜景を眺めながらワイワイと飲むワインも最上の味。ジムで汗を流し、スパでのんびりとジャグジーに浸かり、さっぱりとした身体でグビリと飲むビールは何物にも代え難い。1階にある「ペストリーブティック」のショーケースの中に鎮座する美人スイーツの中から、妻が満面の笑みで嬉しそうに迷いながらセレクトしたケーキをいただく午後は、絵に描いたような幸福な時間だ。一緒にいただくコーヒーとホットチョコレートは、ポットでいただき朝食で飲みきれなかったもの。小さなところでは経済的なな2人でもある。

ParcHyatt24ParcHyatt25テルの最上階、52階にある「ニューヨークバー」と「ニューヨークグリル」は、2人のお気に入りバー&レストラン。パークのダイニングの中でも訪問頻度が最も高い。ジャズトリオとヴォーカルのライブを聞いている来店客はほとんどが西洋系の方々。日本人客は少なく、まるでNYCにいる如し。ところで、少食の2人にとって店名の通りボリュームたっぷりのNYスタイルの食事メニューは手強すぎる。そこで毎回選ぶのは「シーザーサラダ」や「アペタイザープレート」などの軽いメニュー。大きな胃袋を持つ方々が羨ましい。因みに、このシーザーサラダのレシピには変遷があり、メインのロメインレタスが大きな葉のままで出てきた頃もあり、葉が小振りになったり、盛り付けや食器も随分と変わった。そんな話をしながらいただくサラダもまた旨い。

ParcHyatt26ParcHyatt27食の名店「梢」も2人にとって大切な店。ランチメニューでいただく「梢」と言う店名の付いたメニューを選ぶのがお約束。二段重に盛り付けられた美しい旬の食材を使った料理の数々が食欲をそそる。そしてもちろん昼からビール。夜ならもちろん日本酒が必須。営業を再開したら真っ先にランチ(晴れた日なら遠く富士山を望める)で訪れたい場所だ。ホテル1階の「デリカテッセン」も楽しい店だ。この店はテイクアウトのメニューとイートインメニューが同じ。どちらも広いショーケースの中からメニューを選び、インルーム(盛り付けて客室に持ってきてもらえる)でいただくか、明るい外光の下でいただける。チェックイン前に気持ちをアゲるイートインがオススメ。

ParcHyatt34IMG_0416してパークの最大の魅力は、このホテルすべてのセクションが持つ高いレベルのホスピタリティだ。スタッフの前を通ると誰もが柔かかつフレンドリーに挨拶していただける(これがなかなか難しい)のはもちろん、ちょっと早めにチェックインした際に、予定していた客室がまだ準備できていないからと「TOKYOスイート」と言う3段階上のスイートにサラッと(本当に良いのか?と流石に驚いた)案内されたり、どこで食べているかお伝えしていなかったのにランチの席まで鍵を持って来ていただいたり…と、さり気なく的確なサービスを供していただける。これが毎回お気楽夫婦を心地良くくすぐるのだ。2024年5月初旬、休業前の最後の客になろうと出かけたパークでも…。

「持って来ていただいたスイーツ、すごいよ!」感情体温が低い妻が珍しくテンション高く告げた。どれどれと見れば、パークから頂いたチョコレートケーキの上にお気楽夫婦の名前と「We Hope to see you again in 2025」と言うメッセージが!! またやられた♬はい、もちろんすぐに来ますとも。2人の入籍、そして25周年のパーティを担当していただいたN田さんと、またホテルフリーク同士のトークを楽しむために。そして何よりノンストレスの滞在を堪能するために。

お気楽夫婦と共に30年♬「パークハイアット東京」

ParcHyatt01ParcHyatt02ークハイアット東京が1年余りの長期休業に入った。1994年の開業時から人気のラグジュアリーホテルが、30周年を迎えて本格的な改修工事を行うのだ。お気楽夫婦にとって、パークハイアット東京(以下、パーク)はずっと特別なホテルだった。若い頃は(その頃はまだ30代だった)気軽に宿泊できなかった代わりに、ふたりに何か良いことがある度に「ニューヨークバー」で乾杯をした。仕事上のお祝いや、プライベートで嬉しいことがあった時に。予約ができないニューヨークバーは、店の受付前で待つこともあった。エレベータを降りてすぐの足下から広がる大きなガラス窓、ふっと都庁や西口の摩天楼群の光の中に降りていけそうな、そこはとてもお気に入りの景色。2人で眺めながら待つ時間も楽しかった。

ParcHyatt03ParcHyatt04宿泊できるようになったのは40代。小ぢんまりとしたエントランスに到着し、ベルスタッフに名前を告げる。「お帰りなさいませ」と挨拶され、荷物を持っていただきながら階上へ向かう。照明を落とし気味のエレベータで結城美栄子さん作のオブジェと一緒に41階に到着すると、三角形の組合せの天窓から明るい日差しが注ぐ。この開放的な空間もお気に入り。アフタヌーンティーが人気の「ピークラウンジ」だ。そして左手にオールデイダイニングの「ジランドール」を見ながら、光と影の演出が心地良いライブラリーを通ってフロントデスクへ。浮つかず、華美ではなく、上品で落ち着いた佇まいのオトナのホテル、パークの奥深くまで踏み入って、ワクワクする高揚感に包まれる。

ParcHyatt05ParcHyatt06室はいつもルームナンバー「**01」のパークスイート。正規料金で泊まるには財源不足で、宿泊や食事で貯めたホテル会員「World of Hyatt」のポイントでアップグレードしてもらうのが常だった。エントランスのすぐ右手には美術書が開かれて置かれている。廊下を通ってリビングルームへ。3人掛けの大きなソファ、1人掛けのソファが2つとオットマン。落ち着いた色合いのカバーで覆われた座り心地の良いこの場所で持ち込んだ文庫本を読むのが好きだった。ガラス天板のダイニングテーブルは4人掛け。いずれのインテリアも圧迫感がなく、機能的。書棚にはパークのインテリアデザイナーのジョン・モーフォードが選んだという和洋書が並ぶ。何より2人が落ち着く空間だ。

ParcHyatt10ParcHyatt09面の窓からは西新宿のスカイスクレイパー群や、手前に代々木のドコモタワー、遠くスカイツリーが望める。*残念ながら麻布台ヒルズ完成以降は東京タワーは窓の景色から姿を消した。新国立競技場の建築中の風景も、完成してからの威容も、ずっと楽しみに眺めていた。大手町や赤坂の新たな高層ビルをチエックするために地図を片手に東京の街を俯瞰した。左手の窓から見下ろすと、NYCのセントラルパークのような新宿中央公園が望める。春の新緑も、夏のイベント風景も、秋の紅葉も、冬の葉を落とした樹々の眺めも楽しみだった。手前にはバスケットボールコートやフットサル場があり、朝早くから汗を流すワカモノのプレーを見たり、飽きることのないピクチャーウィンドウだった。

ParcHyatt07ParcHyatt08ッドルームはスタイリッシュで快適だった。クイーンサイズのベッドが2台、寝転びながら視られる大きなTVが嬉しい。リビングルームからベッドルーム、バスルーム、洗面スペースとぐるっと歩いて回れるウォークスルーの間取り。ベッドルームから直接バスルームに繋がる動線は、2人が住むマンションのリノベーションの際に参考にした。すなわちお気楽夫婦の理想の住まいなのだ。*キッチンがないけれど、妻は別に要らないよと言った(汗)。洗面はやっぱり朝に便利なダブルボウル。これは残念ながら狭い我が家では断念。いずれにしても、ここは2人のホーム。新宿の別邸。開業30年を経て、設備は古く感じられ、不具合も目に付く。それでも、パークは我らのパークであり続ける。

2025年秋、1年半後にパークはどんな顔で2人を迎えてくれるのだろう。このブログ記事の中で…だった、と書き綴ったけれど、お気楽夫婦のお気に入りホテル、パークハイアットは、今も2人の意識(記憶ではなく)の中に変わらずにある。パークの良さを残しながら、生まれ変わってくれるだろうパーク。「早く泊まりたいね。予約しちゃう?」と気の早い妻。…まだまだ予約できないから。

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