愛人たちとの夜♡「遠藤利三郎商店 神泉」

Lovers1Lovers2谷駅で待ち合わせ、道玄坂を一緒に並んで上る。道玄坂上の交差点を右に折れるとホテル街だが、その日は交番を行き過ぎ、右斜めの緩やかな坂を下る。坂の両側にはこぢゃれた店構えのビストロや立飲みバーが並ぶ。「ここも良さそうな店だね」愛人Aが呟く。じゃあ次はその店に行ってみようかと答える。彼女と向かったのは「遠藤利三郎商店 神泉」というワインバー。カウンタ席に並んで座り、顔なじみのスタッフに最初の一杯をお願いする。吹抜けの2階の天井まで続くワイン棚を眺めながら乾杯。「良い店だね。来てみたかったんだ」と愛人Aが満足気に微笑む。私が妻と通っていることを知り、興味を持ったらしい。ふふ、愛いやつ♡「料理もオシャレで美味しいね」と、何杯目かのワインを味わっているところに妻が登場!束の間の愛人TIMEは終了だ。

Lovers3Lovers4ンナさまをホントにお借りして良いんですか」愛人Bが念を押す。春に忙しい妻。ひとり飯が嫌いな私。そこで妻が深夜残業で遅い日に、ご一緒していただくお相手を探すのが恒例。その日はスイートな見た目とビターな言動のギャップが魅力の愛人B。向かった店は「ビストロ・トロワ キャール」という馴染みの店。「今日はお2人ですか」とシェフの聡ちゃん。後から妻が来るまでの愛人飲みだと答えると、マダムのまゆみちゃんのツボに入って大笑い。む、やはり行きつけの店で女性を口説くのは不可能だ。先日の愛人Aとのエピソードを話題にすると、「奥さまの話は良いけど、他の愛人の話をしちゃいけません」と、ぴしゃり。愛人道(?)を説かれる。ふぅむ、なるほどとメモ。そこに正妻登場。「愛人飲みからの正妻合流、ハマりますね」と良いノリだ。

Lovers5Lovers6泉の店は行ったことがないんで、行ってみたかったんです」と愛人C。私に社交辞令は通じない。さっそくお誘いして愛人飲み。押上にある「遠藤利三郎商店」本店に行ったことがあるという彼女は、お酒が大好きで、堂々たる酒豪。センベロの店から小洒落た店まで守備範囲も広い。「きゃあ、ステキな店ですね」しっかり者なのにテンションも高い、お誘いし甲斐のある愛人C。「わぁ、嬉しい」料理を取り分けサーブすると、ストレートに喜んでくれる。ふふ、オヤヂのツボを心得ている愛人の鑑。さすが可愛い後輩だ。そこに遅れてやって来た彼が登場。「俺の女に何をする!」的な小芝居を期待していたのだけれど、店の雰囲気にやや押され気味。3人で改めて乾杯。アウェイ感溢れる彼、店の雰囲気を楽しむ余裕の彼女、見ていて飽きないカップルだ。

Lovers7Lovers8しかったねぇ。またバドやりたいね」愛人Aが再度登場したのは、愛人らしからぬ健康的で健全な場。アリーナ付きのスポーツクラブでバドミントンを楽しんだ後に、スカッシュでダメ押し、シャワーを浴びた後のビールは旨いぞ!という企画だ。二子玉川の老舗ヴェトナム料理屋「ジャンズ」で乾杯。先日の愛人飲みの話題になり、「1ミリも艶っぽい雰囲気にならなかったね♬」と朗らかに笑う愛人A。2人の時間はとても楽しかったし、話題は健全なモノばかりではなかったけれど、しっとり系の空気感が生まれる気配は全くなかった。だから、大勢で(妻も含めて)ワイワイと楽しめる。みんなで一緒に美味しいお酒が飲める。その日も全員で2軒めに突入!仲間と一緒に嬉しく、スポーツの疲れが心地よく、愉しい夜が更けていった。

れにしても、マメだよね」と、半ば呆れたようにお気楽妻が言う。そう、誰かがマメに動かないと、繋がるモノも繋がらない。誰かが誰かに会いたいと、強く思わないと会えない。何時でも会えると思っていたら、愛する人たちともう二度と会えずに終わるかもしれない。会いたいと思った時に会えなくなるなら、会える時に会っておきたい。年齢を重ねる度に、そう思う。きっと2人で会うなどという貴重な機会など、そうそうはない。“愛人”ごっこは、その象徴。「でも、会っておきたい男性はいないの?」あれっ!? …そして、愛人飲みを許せる妻に感謝。

Grazie tante ! Ci vediamo !「イル パッツィーノ」

IlPa1IlPa2近所にあって嬉しい店がある。「IL Pazzino イル パッツイーノ」という小さなトラットリア。2015年にオープンして以来、お気楽夫婦が普段着で通うお気に入りの店。店の名前はイタリア語っぽいけれど、実はシェフの髪が太くパッツンとしていることから名付けたらしい。*イラスト看板の画像参照 休日には何度かランチで伺った。気取らず普段着であるだけではなく、堂々とすっぴんで出かけるお気楽妻。自宅から歩いて2分。知り合いにあったとしても、気にすることはない、というスタンス。「だってご近所だもん」と妻。気軽に伺えるカジュアルな店で、何を食べてもキチンと美味しい上に、お値段もお手頃。まさに近くにあって良かった、という店。

IlPa3IlPa4して、髪パッツィーノでイケメン*画像参照 シェフのキャラクターも好感度が高いのだ。ある日、オーダーしたトリッパの酸味に、すごく美味しいけど、何の味だ!?と疑問符の嵐。すると「実は自家製の塩レモンなんですよ。良かったら小分けしますからお持ちください」と、瓶に詰めていただいた。「自宅でビストロやられてるんですよね。ぜひ何かの料理に使ってください!」むむっ、ブログまで読んでいただいている。嬉しい限り。それにしても何と気さくで大らかなシェフなんだ!ではと、さっそく鶏ととゴロゴロ野菜の温サラダで使用。「美味しぃ〜っ!どんな味付け?」ご来店いただいた友人たちにも好評。ふふふ、美味しいでしょう?秘密だよ。度量が狭い素人シェフ。

IlPa5IlPa6菜がフレッシュでシャキシャキして美味しいんだよね♬」というコメントが、野菜サラダ好きの妻のこの店に対する評価。確かに、地元の世田谷野菜をたっぷり使った定番のサラダ、旬のタケノコを使った季節のサラダ、甘くて元気なトマトを使ったブルスケッタなど、どれも野菜の美味しさがストレートに伝わって来る。そして盛り付けの美しさが食欲をそそるのだ。決して豪華なアレンジではないのだけれど、センス良く爽やかな盛り付けはいかにも美味しそうでグッと来る。食材のビビッドな色の組合せも繊細で、盛り付けの技と相まって絶妙。どの料理も食べたい!と思わせる見目麗しさなのだ。このセンスは「ビストロ808」の料理にも参考にせねばと頭に刻む。

IlPa7IlPa8タリアンだから、もちろん炭水化物系の美味しさもこの店の魅力。例えば、「岩ノリと腰越シラスのリゾット」など、コメの美味しさと食材の組合せが、お気楽夫婦にどストライク!そして、パスタ。ある日のランチメニューは、「天然エビのビスク風トマトクリームパスタ」「薫り高いポルチーニ茸の贅沢パスタ」など4種からのセレクト。それに前菜とドリンクが付いて1,000円〜1,500円。お得感満載。さらに、ティラミスなどのデザートが絶品なのだ。と、ここまで読んでいただき、行きたい!と思っていただいた方がいたら申し訳ない。この店は、本日(2017年4月30日)をもって閉店し、6月にお隣の仙川駅に「Resutaurant cozy」として移転して再OPENすることになった。

IlPa9念だけど、新店おめでとう!」そんな情報を知り、パーソナルトレーナーのNちゃんを誘い、慌てて営業期間の少なくなった店に伺った。聞けば、店が狭いため客を並んで待たせることも多かったため、今よりも広い店舗を探して移転することになったのだと言う。う〜ん。つくづく残念。隣の駅とは言え、今のように歩いて2分とはいかない。「でも食べに行くよ!」この店のファンだった妻が元気に宣言。短い期間だったけど、ホントにありがとう。Grazie tante ! Ci vediamo ! 〜そして今後は、すっぴんでは伺えなくなるけれど(電車乗るしね)また新しい店にも伺うよ!

春に逢い、春に酔う「Din’s 鼎」

Spring1Spring4が咲き始めた頃、前職P社の後輩と「魚の寄り処 てとら」へ。同じ沿線に住む彼とは、何年か越しにこの店で飲もうと言い合いながら実現できなかった。それが、年初の大同窓会で久しぶりに彼と会い、今度こそはと実現した。P社入社早々の若手の時代、当時から料理好きな彼は、応募した『danchu』のオリジナル料理コンテストで入賞。発行元のプレジデント社(P社のご近所にオフィスがあった)には、前々職の会社の同期(私より先に転職した)I崎くんがおり、3人で一緒に食事をしたりという不思議な縁があった。現在も“食”に深く関わる仕事をしているナイスガイは、食に関する拘りをブレずに持ち続け、新たな担当事業も抱えている。何よりも楽しそうに仕事をしている様子が嬉しく、頼もしい。春らしくフレッシュな話題で飲む酒は、楽しい酒だった。

Spring5Spring6卒で入社したS百貨店の同期会が開催されたのは、3分咲きの頃。何と入社35周年だと言う。かつて入社式が行われた4月1日に開催するという心憎い設定。集まった総勢30名ほどのメンバーの半数は、会社に残ってはいない。それでもこうして集まることのできる嬉しさ、声を掛けてもらえるありがたさ。わずか数年の在籍だったけれど、社会人として初めてビジネスの基本を叩き込まれた場でもあり、百貨店が元気だった時代、S百貨店が時代のフロントランナーだった頃に過ごした仲間たち。あっと言う間に当時にタイムスリップ。入社当時の懐かしい画像を流す企画では歓声が上がり、幹事も思わず感涙の盛上り。もうすぐ定年を迎えようとする仲間たち。けれど、まだまだ新たなチャレンジをしたり、枯れることなくお洒落で元気だ。嬉しい酒だった。

Spring2Spring10台に住む友人カップルが訪ねて来てくれたのは、自由が丘の桜が満開の頃。震災後に仙台で会社を興し、かの地で出逢い、数年間過ごした街から一足先に東京に戻って来た彼と、後を追うように仙台を離れようとしている彼女。それぞれに紆余曲折があり、周囲に心配されながら、それでも温かく見守られながら、ようやく満開のサクラのような笑顔になった2人。彼らを包む空気が、前回会った時よりも、柔らかく濃密になった。良い感じのカップルになった。元々東京にベースがあった2人だけれど、東京での生活は久しぶり。お気に入りの店「天天厨房」で一緒に台湾料理を食べ紹興酒を飲みながら、「BAR808」でスパークリングワインを飲みながら、杜の都仙台で育んだ温かな関係を、花の都TOKYOでも続けて欲しいと、つくづく思う春の宵。

Spring7Spring8由が丘のサクラが散り始めた頃、前職の後輩であり、自由が丘の仲間でもあるTくんの店を訪問。GACKTとタッグを組んで新規開店した「Din’S 鼎」という焼き小籠包の店。彼はミスチルなどのアーティストと一緒にコンサートツアーを周り、アーティストグッズを企画販売する会社の経営者。家業の惣菜屋を継ぎながら、ケータリング領域に事業を拡大し、グッズまで手がけるやり手社長。学生時代からの体育会(彼はアメフト)気質そのままに、好奇心旺盛で、エネルギッシュな会社を経営してきた。地元自由が丘で彼が初めて手がける“大箱”の飲食店の様子を見に出かけると、本人登場。お祝いの握手と記念撮影、そして乾杯。既に行列ができる人気店。この勢いをそのままに、元気に全力で走り続けて欲しい、誇らしい後輩のひとりだ。

Spring9は新たなスタートの季節。その季節の象徴はサクラ。日本人の誰もがサクラの開花を心待ちにし、サクラをを愛でる。“花”見と言えばサクラを指す。そのサクラは新たな季節の“生”の象徴でもあり、散り行く“死”の象徴でもある。サクラの花と共に、春に逢った友人たちは、みんな良い顔をしていた。新しい仕事やプロジェクトをスタートさせたり、ポジティブに新たな生活設計をしたり、それぞれが新たな季節を迎え、その喜びに目が輝いていた。春に逢い、春に酔う。そんな季節が過ぎていく。

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SINCE 1.May 2005