オトナの修学旅行「つくば/第2日」

Tsukuba1Tsukuba2学旅行と言えば、社会科見学。“学園都市”とか“研究学園”と名乗るつくば市には、社会科見学に相応しい施設に事欠かない。「JAXAに行く前に、エキスポセンターの前を通るね。HⅡロケットの実物大模型があるんだよ」社会科見学のメイン施設であるJAXA(宇宙航空研究開発機構)筑波宇宙センターまでのルートまで工夫してくれるマダムの気遣いの細やかさ。「あ、国土地理院もあるけど、行ってみる?」「おぉっ!行く行く!」地図好きのお気楽妻がすかさず食いつく。彼女は地図が大好物で、飽きず眺めることができる。国土地理院の地図と測量の科学館は、入場無料。エントランスを入るとすぐに、赤と青のメガネを使って3Dに見える巨大な日本地図が待っていた。

Tsukuba3Tsukuba4ぁ〜っ!すごい」北海道から沖縄までフロアいっぱいに広がる日本地図が壮観。地域ごとに載っている地図帳では分からない、東西南北に広い日本を実感し、その距離感を体感する。「石垣島って遠いんだね」「関東平野は平らだねぇ」時間を忘れ、真剣に見入る修学旅行生たち。その上、屋外にはタイルに詳細な地図を焼き付けた地球儀。「ここ愉しい〜」国土地理院様、さすがです。テンションアゲアゲのままでJAXAに向かう。モニターに映し出される“地球の出”、ロケットの実物大模型、これまたオトナの子供心をくすぐりまくり、実に愉しい。売店では宇宙食を販売していたり、屋外ではHⅡロケットの模型の前で記念撮影ができたり、サービス精神に溢れる施設。

Tsukuba5Tsukuba6くば、良いトコだね♬」長野LOVEの友人が呟く。ん、同感。道路は広く、数多い研究施設の前庭には芝生と植栽が配され、まるで欧米の郊外都市の風景。赤い看板も少なく、街並みも美しく整っているから、雨のドライブも車窓の風景を眺めるだけでも心地よい。と、たっぷり真剣に社会科見学を楽しんだこともあり、腹が空く。当初は筑波山に登り、蕎麦を食べに行こうという計画だったが、雨天のため中止。前夜の料理を食べきれなかったから、それをいただこうというオトナの修学旅行に相応しい柔軟な予定変更。昼からビール、そしてスパークリングワイン。満腹のため、手を付けられなかった「Coq au vin(鶏のワイン煮)」などをいただく。シミシミで旨し。

Tsukuba9Tsukuba8しくって延泊しそうな勢いだなぁ」美味しく楽しくワインがススム。心地よく酔い始め、皆んな自然にハシャギ始め、長野LOVEの友人のおふざけモードが上がってくる。すっかりびぢん台無し。「ねぇねぇ、バドミントンやろうか!」とマダムの突然の提案。え”?ウチの中で?確かに天井は高いし、十分なスペースはある。すると彼女が持って来たのは、柔らかいネットが張ってあるなんちゃってバドミントンラケット。真っ直ぐに打ってもあらぬ方向にシャトルが飛んで行く。「総当たり戦やろ〜」「長く続いた人が勝ちにしよう」皆んなノリノリで、かつ真剣に対戦するも、思うようにラリーが続かず、大笑い。…と、遊び疲れ、飲み過ぎで、ソファに沈み込む引率の先生(私)。

たおいでねぇ」「うん、すぐにでも来たぁい」改札前のハグでお別れ。結局昼過ぎから夜まで飲み続け、TXの車内でもテンション高いまま、写真を撮ったり、メッセージを送ったり。「あっ!リゾット食べるの忘れてた!」と長野LOVEの友人が叫ぶ。では、次回はリゾットを食べに行こうか。それにしても、マダムのホスピタリティの高さに甘え、楽しみ切った2日間だった。Thanks マダム♡

オトナの修学旅行「つくば/第1夜」

Tsukuba1Tsukuba2くばって意外と近いよ。IGAちゃんたち、みんなで遊びにおいでよぉ♡」ご主人の転勤に伴い、世界を股にかけて(笑)引越しを続けてきたスカッシュ仲間、通称マダムから熱烈なお誘いがあった。ジュネーブやらワシントンD.C.を経て、彼女の現在の住まいはつくば学園都市。「修学旅行に行く!」彼女を姉と慕うお気楽妻が声を上げる。「行こう行こう!JAXA行きたいし」故郷長野LOVEのスカッシュ仲間が続く。ではと、引率の先生(私)が軽い腰を上げ、メンバーの日程を調整。ある週末、TX(つくばエクスプレス)に飛び乗った。「IGAちゃん、いらっしゃぁ〜い!」改札口でハグの歓迎を受け、ご新居に向かう。駅から徒歩2分。コンシェルジュが常駐する豪華マンションだ。

Tsukuba3Tsukuba4しみにしてたんだぁ♬」リビングのドアには「OPEN」のサインプレートが掛かり、秋らしい色合いでセッティングされたダイニングテーブルには「RESERVED」のプレートが置いてある。さすがはもてなし上手のマダム。「喉乾いてるでしょ、飲も!飲もう!」さっそく乾杯。「皆んなにいくら飲んでもらっても良いように、これ買ったのよ」見ると、テーブルの横にはワインセラーにワインやペリエが収納されている。すごい!そしてパプリカのムースなど、マダム手作りのオードブルが彩り美しく盛り付けられ、次々に供される。凄すぎ。どれも見目麗しいだけでなく、繊細で美味しい。「IGAちゃんのビストロ808の姉妹店になれるかしら」って、参りました。

Tsukuba5Tsukuba6クアパッツァ出すの忘れてた!」忘れるにしては大物すぎの鯛やムール貝、アサリがたっぷりの一皿が登場。これまたゼータクに美味しい。「例のチーズもあるよ♬」出てきたのは、Tête de Moine(修道士の頭) というセミハードタイプのチーズ。ジロールという専用の削り器を使って、花びらのように薄く削いで食す。スイスに駐在していた頃に食べて気に入ったもので、この日のためにチーズをネットでオーダーしたのだという。ん、匂いは強いが旨味のあるチーズ。口の中でホロホロと溶けていく。これはワインが進んじまうぜぃ!と何本目かのワインが空になる。それにしても、細部までマダムの気遣いを感じさせる料理であり、器であり、セッティング。感激、そして感謝。

Tsukuba7Tsukuba8ぁ〜、いらっしゃい。お久しぶりです」帰宅したご主人と挨拶もそこそこに、すっかり寛いでパジャマ姿になり、カラオケ三昧。彼とは以前の赴任先のワシントンD.C.で初めてお会いして以来。そして2度目はつくばでカラオケ(笑)♬長野の友人の余りに上手な歌に、皆で大笑い。すっかりツボに入った私は吉本新喜劇並みのコケを繰り返す。「どこまでカラオケの音が響くか、ベランダに出てみたり、廊下に出たりしたんだけど、ダイジョーブだと思うよ」一緒に歌って踊りながらも、気遣いの人マダム。けれども楽観的でもあり、自分も心から楽しみ、弾けてくれる。そんな様子がゲストを心地良くさせてくれる。それが彼女のホスピタリティの真髄であり、彼女の魅力だ。

は何を歌いますかぁ♬」ご主人はすっかりカラオケの虜。と、何曲か歌っている内に、いつの間にか深夜。引率の先生も調子に乗りすぎた。「さぁ、消灯時間をとっくに過ぎてますよぉ」すっかり宿の女将に変身したマダムに催促され、マンションの別棟にあるゲストルームへ。会社帰りにつくばに向かう我々の荷物が少なくて済むようにと、タオル、パジャマなど宿泊に必要な備品をほとんどを揃えて迎えてくれた彼女。完璧。民泊ビジネスもできそう。そんな彼女に感謝しつつ、修学旅行第一夜終了。…翌日に続く。

オトナの修学旅行「長野編」

Nagano1Nagano2野にもぜひおいでよぉ〜」つくばに住む友人を訪ねようと共通の友人と日程調整をしたところ、お気楽夫婦の都合が良い日程は、ちょうど彼女が長野に帰省しているタイミングだと分かった。「IGA−IGAたちをお連れしたい場所、いっぱいあるなぁ。車で案内しちゃうよ!」う〜む。だったら長野にも行っちゃおうか?1998年に長野で開催された冬季オリンピックの際に何度か出張して以来、2人とも長野を訪ねる機会がなかった。故郷長野LOVEの友人と一緒に、彼女のオススメの場所を巡るのも楽しそうだ。*お気楽夫婦に“社交辞令”は通じない。すぐにその気になり、具体的な計画を立ててしまうからご用心。よしっ、16年ぶりの長野、行っちゃえ!と長野(北陸)新幹線に乗り込んだ。

Nagano3Nagano4光寺は初めてだぁ」新装なった長野駅に迎えに来てもらい、ホテルにチェックインの後、さっそく参道を歩き国宝善光寺へ。無宗派であること、山門の額の文字に5羽の鳩が隠れていることを聞き、全く明かりのない本堂の下を手探りで進むお戒壇巡りを体験するなど、観光ガイドさながらの友人の案内で境内を歩く。参拝後、門前の老舗七味店「八幡屋礒五郎」でオリジナルの味をブレンドしてもらったり、宿坊街や酒蔵を案内してもらったり、すっかり修学旅行モード。翌日の戸隠神社参拝は、車で訪ねられる中社だけでなく、片道2km、往復1時間の奥社の参道を歩くという本格的な行程。樹齢400年の杉の巨木が並ぶ参道は圧巻。神々しい風景の中で、厳かな気持ちになる時間だ。

Nagano5Nagano6拝トレッキングでお腹が空いた頃には、戸隠名物の蕎麦が待っていた。戸隠神社の周辺には蕎麦畑が広がり、蕎麦屋が軒を連ねている。その中の1軒、友人オススメの「そばの実」という店へ。天ざる、そば三昧(3種の蕎麦ツユが楽しめる)、おろし蕎麦を3人で食べ比べ。蕎麦や天ぷらの美味しさはオススメ通りで、中でも香り高い胡桃ダレの蕎麦ツユが絶品。こざっぱりとしておシャレな店内の雰囲気も良く、接客レベルも高い、また訪れたいと思わせる良い店だった。その後、雨雲に隠れた「北信五岳(妙高山、斑尾山、黒姫山、戸隠山、飯綱山)」の美しい山容を想像しながらドライブ。サンクゼールの丘(ワイナリー)、小布施の町並みなど、友人オススメの観光コースを巡る。

Nagano7Nagano8れてる時にまた来て!見て欲しかったな。キレーなんだよ、山並みがね…」愛する故郷の風景を我々に見せられなかったことが心残りの友人と一緒に、旅の締め括りは長野名物「馬刺し」がウリの「長野といえば、バニクマン」で打ち上げ。雨女と自称する友人のパワーは強く、旅の道中ほとんどが雨。けれども、雨ならではの雰囲気ある景色も味わえたし、何より寺や神社の参道が空いており歩きやすかった。そして目の前の料理(馬刺しの5点盛り!や信州味噌を使ったバーニャカウダなど)も、信州の利き酒も、どれも美味しいよ、そう言っても残念そう。心底、地元NAGANO♡LOVE。だからこそ伝わった。楽しかった。好きになった。良い街だった。

しいなぁ。帰っちゃうんだぁ」そう言われてもなぁ。長野駅でハグをして、それでも別れがたく、お互いが見えなくなるまで手を振る。ありがと。友人の地元愛に感化され、地元愛のガイドに案内され、またすぐにでも行きたくなった。長野LOVE。「でも、イナゴも、ザザムシも、ハチの子も食べないよ!」と妻。良いさ。長野滋味珍味を食べなくても良い。また訪れよう。彼女がおススメの長野に。

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SINCE 1.May 2005