ゼータク観光ハイヤーの旅「美ら海水族館・中城城跡、他」

Okinawa1Okinawa2縄は以外と広い。けれど、空港と那覇市内を結ぶ「ゆいレール」以外に電車の路線はない。とは言え、どんな島に行ってもホテルに籠り、ほぼ観光なしのお気楽夫婦。普段は空港とホテルの往復の送迎を気にすれば良く、特に問題はない。だが、久しぶりの沖縄でどうしても行きたい場所があった。前回の沖縄本島訪問の際にはまだ新館が開館していなかった「美ら海水族館」だ。那覇からは90km、宿泊したホテルからでも30km以上の距離がある。さあて、どうしようか。日常的に運転しないから、レンタカーはNG。ホテルからバスなどを乗り継いでも時間のロスが大きい。結局、ホテルから観光ハイヤーという選択となった。昼食時間の効率化のため、事前にチェックしたパン屋(人気の理由がわかる美味しさ!)でサンドウィッチを買い込み、北に向かう。

Okinawa3Okinawa4宇利島に立ち寄ったり、備瀬のフクギ並木を見学したり、黒塗りのハイヤーで本部半島をぐるりと廻る。今帰仁(なきじん)出身だという運転手さんにガイドしてもらいながらのゼータクドライブ。時間効率も良く、国道58号線は鹿児島から奄美諸島や海の上(笑)を通り那覇まで続くのだと教えてもらったり、という楽しい行程。美ら海水族館は期待通りに素晴らしく、ジンベイザメが泳ぐ“黒潮の海”水槽の前では時間を忘れ、巨大で幻想的な青い世界を見入った。それ以外のコーナーも展示方法は実に細やかに工夫されており、魅せて飽きさせない。「ウミガメ館」では空いていることを良いことに、ディズニーランドのタートルトークごっこ。アトラクションのキャラクター「クラッシュ」を真似て辛口トーク炸裂。ディズニーシーには行ったこともない2人なのに。

Okinawa5Okinawa6日は名護のホテルから那覇に向かう、連日のハイヤードライブ。2日目ともなるとすっかり慣れて、ゼータクをしてしまってスマンスマンと詫びる気持も薄まる。後輩たちのカフェでランチをする前に立ち寄ったのは中城(なかぐすく)城跡。2000年に首里城跡、今帰仁城趾などと共に“琉球王国のグスク及び関連遺跡群”として世界遺産に登録され、2006年には「日本100名城」にも選ばれた美しい城だ。琉球石灰岩を積み上げた城壁は見事な曲線を描き、海を望む南東の方角は切り立った断崖、北西側は急勾配という地形を活かした山城。東側に中城湾と太平洋、西側には東シナ海の眺望が見事だ。何層にも連なる城郭の入口は狭く、精巧なアーチ門となっている。室町時代の頃から築き始められたというからその歴史は古く、戦禍による被害が少なかったことが何よりだ。

Okinawa7Okinawa9里城跡の見学を経て、那覇到着後は「沖縄県立博物館・美術館」へ向かう。「おもろまち」という新都心地区と呼ばれる一帯の象徴的な建築物。グッドデザイン賞、日本建築学会作品選奨などを受賞している、城壁のような外観を持つ特徴的な建物だ。内部のデザインも細部まで丁寧に計算されており、案内ボードやポスターなどのレイアウトも美しく見やすく心地よい。元々「大英博物館」や「アメリカ自然史博物館」「スミソニアン博物館」など、博物館好きの2人は迷わず博物館を見学。地形学的に独自の生態系が残る南西諸島の鳥類(ヤンバルクイナ)などの展示や、沖縄の民俗風習資料の展示をじっくりと見て回る。ニライカナイ信仰から琉球王朝、アメリカ統治下など、それぞれの文化が実に興味深い。と、いつの間にか閉館時間。またいつか来ようか?

しかったねぇ♬」普段の旅は滞在型で、あまり観光地を周ったりすることはない。特に南(主に東南アジア)の島ではホテルに籠り、空港との往復以外は街に出ることもない。元々沖縄料理やエイサーなどの沖縄の文化に興味があったから、ということもあるけれど、滞在する島の文化を知ることもまた愉しいことだ。「また観光ハイヤーで周るのかなぁ」そこかっ。お気楽妻の、お気に入りの旅のスタイルが、新たに生まれてしまったウチナー(沖縄)の旅だった。

お気楽(サン・スーシィ)夫婦待望の人気店「Sans Souci」

Sans Souci1Sans Souci2縄旅行の目的のひとつは、この店を訪ねることだった。「Sans Souci(サン・スーシィ)」という“飯カフェ”。場所は中頭郡北中城村(なかかみぐん きたなかぐすくそん)という決して便利な場所でもないのに、昼時は行列のできる人気店。店のコンセプトは「琉京カフェ」。沖縄(琉球)と、奥さまの出身地である京都のコラボレーション。沖縄と京都の厳選食材を使った、和のスイーツと京ご飯が自慢の店。夜でもビールなどのアルコールはない。え?店で飲めないのに半ばアル中のIGAさんがなぜ?と聞かれれば、事前にサイトで見ていたこの店のフードメニューが余りにも美味しそうだから、と半ば本気で答える。そして実は、facebookでも繋がっている前職の会社の後輩(2人とも)夫婦が5年前に開店させた店。新天地で頑張る2人の店を訪ねたかったのだ。

Sans Souci3Sans Souci4際に訪れてみると、予想以上に分り難い場所。丘の上の住宅街、狭い道を縫うように車を走らせると、突然駐停車している車の群れに出くわす。ん?もしかしたらこれは店を訪れた客、順番待ち客の車か。これまた予想以上に人気の店だ。ウェイティングリストに名前を書き、待つことしばし。「IGAさぁ〜ん、お待たせしました」と声を掛けられ店に入る。2人とは何年ぶりかの再会。外国人向け住宅を改装したというこぢゃれた内装。案内されたのはオープンキッチンで調理する奥さまの様子が見学できるベストシート。さっそくオーナーのG太くんがやって来て、オススメメニューを説明してくれる。人気メニューの「ごまカレー温玉うどん」「京のふわとろ親子丼」をオーダー。「ホントお久しぶりです。お話させてもらって良いですか」と席に着く。勿論!

Sans Souci5Sans Souci6しいです。ありがとうございます」良い店だねと誉めると、照れながらも自信に溢れた眼差しで、開業前からのエピソードを語ってくれた。ご夫婦には縁もゆかりもない場所でスタートして5年。文字通り「ゼロ」からのスタート。ここに至るまではさぞかし大変だったんだろうと思う。「大変でしたけど、楽しかったし、今もずっと楽しいですね」いいね、楽しさが伝わって来るぞ。「サンスーシィという店の名前は、とっても好きなことばで、店を始める前から決めていたんです」Sans Souciとは、フランス語で「憂いなし」「お気楽」と訳されることば。ドイツのサンスーシ宮殿も同様の語源。「お気楽って、そこに至るまで頑張って、そこで頑張ったって言わずに、それを超えたところで初めてお気楽って言ったりできたりするんだと思うんですよ」同意!

Sans Souci7Sans Souci8はそれに乗っかてるかな」と“お気楽”妻。あれ?自覚しているんだ。お気楽妻に、お気楽生活と言ってもらえるように、そんな生活がフツーにできるように、密かに(笑)頑張っているつもりの私。このブログのコンセプトもネガティブなことをわざわざ吐くことはせず、快楽の種をSNSという緩やかなネットワークに放出しよう、というスタンス。そしてその快楽の素材になる実人生を積極的に楽しもうという暮らし方。「温かいうちに召し上がってください。席を外します」と出来上がった料理を前に記念撮影をして、オーナーはフェイドアウト。そしてその料理はと言えば、絶品の一言!読谷村はなファームの卵、京都の九条ネギと食材に拘り、硬水である沖縄の水を軟水に変えて出汁を取り、絶妙な食材との組合せで供される琉京の味。人気の理由はこれか。

いところありがとうございました」帰り際、忙しそうに立ち働いていた奥さまのMちゃんと記念撮影。いい笑顔だ。そう言えば、店で働くスタッフは一人残らずいい笑顔。温かくいい雰囲気。これも人気の理由か。CI/VIの第一人者であるN西氏を父に持つG太くんがメニューを開発し、京都の星付き料理屋の娘であるMちゃんがいい意味で商業ベースのメニューにするという、この2人の組合せも絶妙だ。「また来なきゃね」とお気楽妻。リピートするにはかなり(笑)遠いけど、この店も再訪の予感。と言うか、また伺います!

極上ウェルネスリゾート「ザ・テラスクラブ アット ブセナ」

Busena1Busena2ッスンも休みだし、どこかに行こうか?」お気楽妻がそう言い出したのは秋の初めの頃。週末のスカッシュレッスンを何よりも優先する妻は、だからこそ逆にレッスンがない場合はどこかに行きたがる。「マイルもたっぷりあるし、沖縄なら航空券も取れそうだよ」こんな時に彼女の秘書的な(実際にやっていたこともあった)能力が遺憾なく発揮される。素早く航空券やホテルの空き状況を検索し、行程を組み立てる。海外でも国内でも、2人の旅行は行きたい場所よりも泊まりたいホテル選びが最優先。「う〜ん、最低2泊だね」お目当のホテルを堪能するためには1泊では不足らしい。「えぇ〜いっ!休んじゃえ!」毎年春には驚愕の忙しさを迎える彼女の秋は、打って変わって余裕ありあり。大胆な日程で予約完了。そして、選ばれたホテルは…。

Busena3Busena4・テラスクラブ アット ブセナ」それがお気楽妻の厳しい選択基準をクリアしたホテル。ウェルネスリゾートを自ら標榜し、さらには“極上の”と自信満々に冠する。ちなみに、ウェルネス(Wellness)とは、健康な心身と生活を求めて行動するライフスタイル。ホテルには通年営業の屋外タラソプール、ジムなどの施設があり、まさしくお気楽夫婦向きのリゾートだ。客室はホテル名通り全68室がクラブルーム。お気楽夫婦好みのスモール&ラグジュアリーなホテルだが、隣の敷地に建つ巨大ホテル「ザ・ブセナホテル」の施設も共通利用できる。まさに“良いとこ取り”のホテルなのだ。通された部屋は名護湾に臨むオーシャンビュー。広いベランダから海を眺めると、泳いでいる小魚の群れまでが見える。対岸には本部半島、八重岳。これぞリゾート!という眺めだ。

Busena6Busena5屋は54㎡という広さながら、ベッドルームとの間の扉を開ければビューバス、ベランダの窓は全開可能という開放感溢れる造り。ソファと(なぜか万華鏡付きの)カウンタテーブルが配された使いやすいレイアウト。妻曰く「今までの中でもトップクラス」の居心地だ。朝食もまた素晴らしい。ビュフェのサラダはナーベラー(ヘチマ)、ハンダマ、青パパヤー(パパイヤ)などの島野菜を初めとして、沖縄の食材をふんだんに使っている。「サラダ美味しい!シークワサーのドレッシングもいいね!」と感激の妻。スタッフのサービスも柔らかく、心地よい。ラウンジサービスはティータイム、カクテルタイムとも高レベル。何種類もあるワインを遠慮なく飲み続け、フィンガーフードを楽しむ。その後はレストランで軽く食事をし、部屋に戻って泡盛をいただき、爆睡。

Busena7Busena8テル自慢のタラソプールは、滞在中何度でも無料で利用できる。10種類以上のジェットバスを周り、ジムで走った後の筋肉をほぐす。強力なジェット噴流はツボに効く。意外な程に強い水流に逆らってプールを歩くと、体幹を鍛えるトレーニングにもなる本格的な施設。ウェルネスリゾートの面目躍如。お気楽妻はすっかりお気に入り。プールから出ると南の島ではお約束のスコール。雨が降り始めた直後の甘く少し埃っぽい香り。雨が上がった後に雲から覗く青空。陽の光に盛夏の頃の勢いはないけれど、ホテル内は混んではおらず、閑散ともしていない。小規模なホテルだから団体客はおらず、ほとんどがカップルか女性グループ。スタッフからすぐに顔と名前をを覚えてもらえるぐらいのゲスト数。のんびりと過ごす秋の旅にぴったりのリゾートだ。

いホテルだよね。オリジナリティあるし、センスも良いし。また来なきゃね。いつ来る?」貝殻の欠片が美しく輝く万華鏡を覗いていた妻が、畳み掛ける。また来る!という宣言は彼女の最高評価の証。お気に入りホテルランキングの上位になるのは間違いない。確かにチェックインからチェックアウトまで、ほとんどストレスなく過ごすことができた満足の滞在だった。では、次回は長期滞在で!

002277382

SINCE 1.May 2005