シェフは修行中!?「トロワキャール料理教室」

TQ1TQ2IGA−IGAはもちろん参加だよね♬」半ば強引にスカッシュ仲間の奥さまに誘われたのは、馴染みのビストロ「トロワキャール」で開催を依頼したという料理教室。私はすでに何度かカウンタで食事をしながら、料理のアドバイスをしてもらっていたので、すっかりシェフの聡ちゃんの弟子のつもりだった。だから、まぁ参加しないでもないよとエラそーに答えると、意外なことに妻が「私も行く!」と参加表明。だったら一緒に行くかと何人かのスカッシュ仲間と参加が決定した。週末のランチタイム、店を貸切にしていただき、カウンタでシェフの料理のデモを見ながら解説を聞き、その後に実食というスタイル。料理のレシピは、店のマダムまゆみちゃんが準備してくれていた。

TQ3TQ4日は肉料理、サラダ、魚料理とひと通り作って行きます」聡ちゃんの挨拶で、料理教室スタート。最初に時間がかかるレンズ豆を煮る。どこの豆が使いやすいかなど、実践的なアドバイスに生徒たちは頷き、メモを取り、写メを撮る。ふんふん、レンズに似ているからレンズ豆なのではなく、レンズ豆に似ているから“レンズ”と呼ばれるようになったんだ、“豆”知識も面白いぞ。ヴィネグレットソース、キャロットラペ、紫キャベツのマリネなど、ビストロ808でもすぐに使えそうなノウハウを伝授される。そうか、色落ちしないようにするには蒸し煮か。目から鱗のアドバイスだと関心したところで、そろそろビールください!メモは妻が丁寧に取っているからお気楽な受講生。

TQ5TQ6杯!楽しかったねぇ♬」さっそく教えてもらった料理の“お手本”を味わう。パテと一緒に供されたマリネの調理過程を詳しく見て、コツを聞いているから、今までと同じ料理なのに味わいが違う。さらに美味しい。なるほど!と頷きつつ、頭の中で復習をしながら味を確かめる。「前に行った店のキャロットラペが美味しくなくって、というかこの店が基準になってるからね」スカッシュ仲間の発言に全員が頷く。白身魚のポワレに合わせるのはフキノトウのソース、新玉ねぎのピュレ。絶妙な味付けと組合せの、春の味と香りが口の中に広がる。途中でそれぞれの味見はさせてもらったが、完成した料理のハーモニーは一段と素晴らしい。さすがプロ!さすが師匠!

TQ7TQ8ペ作ってみた!ワックスなしオレンジが欲しいなぁ」「レンズ豆洗わずに煮ちゃったけど、火を通すから大丈夫だよね」帰宅した受講生たちが、さっそく実践した報告のメッセージを交わす。何しろお土産にレンズ豆とヴィネグレットソースをいただいたのだから、参加メンバーは作ってみたいモード全開だ。妻が残業の夜、ビストロ808のシェフ(私のことです)も自主トレ開始。キャロットラペ、紫キャベツ、レンズ豆のサラダとひと通り作り、ひとり味見をしてみる。ん!んまいぞっ!特に秘伝の紫キャベツはなかなかのものだ。クミンシードが良く効いている。カレーに福神漬けの代わりに紫キャベツのマリネを食べると言っていたシェフのコメントを思い出し、深く納得。

キャベツ、なかなか良いんじゃない」相変わらず上からコメントだけれど、お気楽妻の評判も上々。これで次回のビストロ808開店に、ヴァージョンアップした料理をお出しできる。ちょっとしたアドバイスで、ステップアップできるのは料理も仕事も同様だ。「最近、料理や家事が仕事みたいだよね」と妻。まぁ、お代金をいただく仕事にはできないけれど、それも楽しいかもしれないね。

IGA別邸?「パークハイアット東京」

PH1年、“私の”誕生日には都心のホテルに宿泊し、友人たちと一緒に食事をするというのが妻からのプレゼント。誕生日にかこつけて、ホテルジャンキーの“妻が”楽しみにしているイベントでもある。今年の妻のチョイスは新宿の「パークハイアット東京」。開業当時から「NYバー」などに足繁く通い、何度か宿泊もし、結婚パーティも行ったお気楽夫婦のお気に入りホテルだ。お気に入りの理由のひとつは、スモール&ラグジュアリーであること。密やかにこぢんまりとしたエントランスから、シュッとしたデザインのエレベータホールを通り、41階でエレベータを降りると、最初のサプライズ。ピークラウンジの天井から差し込む自然光。そして植栽。週末の午後、賑わっているけれど、客室数が全177室と少ないこともあり、某国の団体客はいない。ここもポイントが高い点。ジランドールを横目に歩き、スタイリッシュなライブラリーを通る頃には、誰しもこのホテルの魅力に虜になっているはず。

PH4さなデスクと椅子が3セットほどあるスペースがフロント レセプション。隠れ家ホテル的な佇まい。小さな規模のホテルだからこそ可能なラグジュアリーな演出。チェックインの後は、地道に貯めたハイアットのポイントを使ってアップグレードしたパークスイートへ。部屋の広さは100㎡!自宅の倍近くある、ゆったりとした間取り。「IGA-IGAん家の別邸みたいだね!」「ほんと、ゼータクだけど、何だか落ち着く感じ♬」お招きした役員秘書と酒豪女子が声を揃える。それは嬉しい。自宅のリノベーションを行った際のキーワードのひとつは、ホテルのスイートルームのような…というものだった。そこでイメージしたホテルがこのパークハイアット。豪華なホテルにありがちなデコラティブな装飾はなく、クールなデザイン。リビング、ベッドルーム、バスルームと歩いてぐるっと回れるレイアウトは我が家と同様だ。

PH5の日の食事は、部屋のダイニングテーブルで。ホテル1階にある「デリカテッセン」で買い込んで、支払いは部屋付でとお願いしたところ、「よろしければ時間をご指定いただければ、お皿に盛り付けてお部屋にお持ちしますよ」とスタッフの嬉しいおことば。天使降臨!紙皿などを持参し、自分たちで盛り付けをしようと思っていたところに、堂々とオフィシャルな(?)部屋飲みができることになった。素晴らしい。ルームサービスのスタッフが、温かい料理は器を温め、サラダは冷やした皿の上でシャキシャキ状態で運んで来てくれる。その上、ホテルのダイニングやルームサービスでいただくよりもリーズナブル。時間もゆったり。せっかくの広い部屋も大勢でたっぷり味わえる。これこそがホテルの部屋飲みの醍醐味だ。「乾杯!ひと月遅れの誕生日おめでとう!」乾杯のスパークリングワインも持ち込みだ(笑)。

PH7ラダ美味しいよ♬」買い込んだデリに加え、酒豪女子が持参してくれた手料理でテーブルの上はいっぱい。フォークなどのカテラリーや取り皿も事前にお願いしてあったから、正しいホテルセッティング。ワイングラスもキチンと揃っている。レストランでのディナーと比べても遜色なし。さらに、同じ2月生まれの役員秘書が、自らバースデーケーキを買って来てくれた。キャンドルに火を付け、一緒に吹き消す。スイーツ番長の彼女が選んだケーキだから、文句なしに美味しい。部屋にはBGMにと持ち込んだ、最近お気に入りの「バックナンバー」の曲が繰り返し流れる。ラグジュアリーな部屋と、美味しい料理と、何よりも友人たちとの愉しい時間。なんだか嬉しい夜だ。楽しい夜だ。声に出してそう言うと、「さっきから何度も言ってるよ」と妻から突っ込みが入る。どうやら幸福に酔っ払ってしまったらしい。

PH8はよー♬エッグベネディクトだよ!」翌日、妻が友人たちに画像入りのメッセージを送る。ルームサービスにお願いした卵料理とサラダ、昨夜食べきれなかった(持ち込んだ)イチゴが朝食メニューだ。2日酔いもなくすっきりと目覚め、窓の下に広がる景色を眺めながら元気に朝食を摂る。ゼータクな時間だ。「さあ、ジムで走るよ!」さらに元気な妻がそう宣言する。このホテルのもう一つの魅力が45階にあるスパ「クラブオンザパーク」だ。高いガラスの天井と360度全ての方向がガラス窓という、実に開放的な施設。プール、ジム、スタジオがあり、そのいずれからも“下界”を眺めることができる。まさしく日常を忘れることができる、ハレのスペースだ。前日に続き、1時間ほど汗を流す。気分爽快。また頑張って仕事して、来年も来なきゃねと妻に問うと、「うん、仕事してなくても来たい!」まぁ、そうなんだけどね。

マダム!還暦♡「ビストロ トロワキャール」

60−160−2暦とは、干支が一回りして産まれた年の干支に戻る歳を指す。十干十二支が一巡する(10と12の最小公倍数)60年が経つと、生まれ年と同じ干支になる。今年の干支は丙申(ひのえさる)だから、60年前の1956年が同じ丙申だった訳で、つまり暦(こよみ)が還る=還暦という訳だ。生まれた時に帰るという意味で、かつて魔除けとして赤い産着を使ったことから、還暦には赤い衣服を贈って祝う風習が残ったらしい。母方の祖母が還暦のお祝いをした頃、私は小学生だった。母は長女で、私が長男だったから、祖母にとっては初孫。小学生の私にとって、還暦の祖母は堂々たる“おばあちゃん”だった。60歳という年齢は途方もなく先だった。果てしなく生きた後に訪れる年齢だった。ところが…。

60−360−42月生まれの合同誕生会をやろう!そんな企画が持ち上がった。裏には、スカッシュ仲間の“マダム”の還暦をお祝いするというメインテーマ。会場は「ビストロトロワキャール」。2月生まれのスカッシュ仲間5人が週末のランチタイムに集まり、お互いにお祝いしようという体裁。飲んべメンバーは抜栓代を支払い、泡、白、赤と担当を決め、自分の好みのワインを1本持ち込んだ。そして還暦のマダムに敬意を表するため、サムシングREDを身に付け集合。赤いセーター、腕時計のベルト、赤い石のリング、赤のストライプのシャツ。「何も見つからなくって!」というメンバーには、店から赤いチェックの膝掛け。その日の主役は、息子さんからのプレゼントの真っ赤なストールを纏って。

60−560−6杯!誕生日おめでとう♬」2月生まれが5人!偶然とは言え、すごい割合だ。お祝い気分が倍増。料理はと言えば、相変わらず絶品のオードブル盛合せ、メインの厚切りローストビーフも感涙ものの美味しさ。ランチメニューだからお得でもある。「ところで、皆んなはそれぞれ幾つなの」最年長のマダムからならそれが聞ける。「私はIGAIGAと一回り違いで…」「私は…」スポーツをやっていることもあり、みんな年齢よりずっと若々しい。が、何と言っても驚異の60歳、マダムだ。悩むこともあるけれど、基本はポジティブ。大酒は飲むけれど、体型維持を心がける。子供たちは独立したけれど、家族の絆は強い。大らかだけど、気遣いの人。そのバランスの良さが若さの秘訣か。

60−760−8ダム、おめでとうございます♬」デザートは、店のマダムまゆみちゃんにお願いしてあったバースデーケーキ。誕生日の方の名前を教えて欲しいと言われ、書き切れないと思うけどと全員の名前を伝え、メインは60歳のマダムだと言ってあった。後はお任せ。そして、その結果は、大きく「60」と形取ったパイ生地の巨大なケーキだった。お願いしたお気楽夫婦にとってもサプライズ!その上、ケーキを乗せたプレートに全員の名前が。素晴らしい!そのタイミングでメンバーからは赤い石の付いたペンダントをプレゼント。当日出席できなかったメンバーにも参加いただいたメッセージカードを添えて。「わぁ〜、ありがとう!嬉しいなぁ」そして皆んなで記念撮影。愉しい会だ。

暦すなわち60歳は、20歳×3ということで、3度目の成人式、新たなスタートだと言う人もいる。マダムを見ていると、その通りだと思うことがある。彼女は新たな場所で、夫婦揃って新たなスタートを切った。彼女は言う。「100歳までは40年もあるね。何かをはじめたらその頃はプロ級だね」かつては定年、引退の歳だった60歳は、今や新たに何かを始めることができる歳なのだ。「IGAちゃんもすぐだね。早くおいで!」う〜っむ、そうなのだ。還暦まであと2年。永遠に巡って来ないと思っていた60歳は、すぐ目の前にある。年齢を重ねることは決して悪くない。楽しみでもある。区切りの歳で私は何をしているんだろう。何をしたいと思っているのだろう。「呑んだくれてんじゃない?」お気楽妻の予言は正鵠を射る。

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