ラックシステムの「お○○」
2005年 5 月09日(月)
中島らもさんが亡くなったのは2004年の夏だった。らもさんらしい、と言ったら失礼かもしれないが、それでもやっぱり最後までらもさんだなぁ、と思わせる最期だった。その、らもさんの秘書もやっていた、わかぎゑふさんという女性がいる。頭の良さが気持良く、切れ味が嫌味じゃない、とても男っぷりが良い関西の女性。ラックシステムは、そんな彼女がらもさんと一緒にやっていた「リリパット・アーミー」という劇団に飽き足らず?作った劇団だ。その芝居が、良い。実に、良い。
ラックシステムは、「お正月」「お祝い」「お願い」…という「お○○」シリーズの芝居を演ってきた。この劇団は私と妻、友人夫妻2組の合計6人で観に行くのが恒例になっていた。友人の一人は、コング桑田という怪優が癖になっている。妻は野田晋市という役者に熱を上げている。私はわかぎゑふの才気溢れる脚本と(リリパとうって変わった)しっかりした構成、しっとりした演出に織り込んだ笑いが気に入っている。「お正月」は、何度も観てしまったほどだ。毎回3組がそれぞれ1冊パンフを買い、芝居が終った後にサインをもらう列に並んだ。…みんなで楽しみにしている、ちょっとしたイベント。
それなのに、みんな良い大人なのに、友人の5人乗りセダン1台(!?)に、こっそり6人の男女が乗り込み、一緒に会場に向かう。帰りの車の中では、劇中のエピソードに関わるカルトクイズで盛り上がる。食事をしながら大笑いは続き、芝居の後に二度美味しい観劇。(しっとりした演出じゃなかったのか!)
現在、残念ながら1組のご夫婦はNYC赴任となり、2組でこの観劇は続いている。けれど、彼らがいなくても一緒に観ているような暖かで穏やかな気持になる。そうなのだ、そんなラックシステムの舞台は、きっと「お○○」に良いのだ。