天空のレストラン「ヴァーティゴ」バンコク
2005年 11 月10日(木)
ここは、世界でもおそらく他には存在しない、とても印象的で、良い意味でセクシーなタイ料理のレストランだ。バニヤンツリー・バンコクの61階、(穏やかであれば)風が心地よい、オープンエアのロケーション。日本だったら建築許可、あるいは営業許可が下りないだろうと思われる設計。超高層ビルの屋上に、ガラスの低いフェンスに囲まれただけの、屋根の全くないレストラン。日本でもオープンエアの店は人気があるけれど、オープンエアにも程がある。だって、六本木ヒルズ森タワーの屋上に、そんな店があることを想像してみて欲しい。…人気でそうだけど。
高いところが大好きな私達は、まだ空が明るい内に、階下の店から青空に向かって階段を昇り、ゆっくりと席に付き、沈む夕陽、黄昏時、夜景までの間を楽しんだ。自分達を取り巻く360度の世界の色が変わるロマンティックな体験。強風で飛ばないように、食器やカトラリー、メニューが異常に重くできているのは、ちょっとお茶目で笑えるけれど。…ちなみに、料理を選ぶのを迷っていると、メニューの余りの重さに腕が疲れるのでご用心。
天上まで届く「ジャックと豆の木」の蔓をよじ登って途中で休憩してるような、コウノトリが煙突の上に作る巣で休んでるような、そんな不思議な気分の、(高所恐怖症の方は、ちょっと足の裏に汗をかいてしまう)バー&レストラン。料理も美味しいけれど、味わうべきはやはり、くどいようだが、快楽の風景。(ただしスコールには注意が必要。その場合は、階下のレストランに避難することになる)
スタッフはとてもフレンドリー。オープンハートで接すると、なお楽しい時間になる。愛するパートナーと行くと、余りの幸せ気分に涙が出そうになるほど。…同行した妻は泣かなかったけれど。