Archive for 6 月 25th, 2006

ほんとは怖い?「ジャックと豆の木」

0ちょっと前に(私は読んでないが)『本当は怖いグリム童話』という本がベストセラーになった。日本でも童話や童歌は怖い内容が多い。『通りゃんせ』とか、『ずいずいずっころばし』『かごめかごめ』などは、歌詞の意味をどう解釈するか諸説あるが、不穏な空気が間違いなくある。だって、“行きはよいよい、帰りは怖い”って、そのままだし。『かごめかごめ』の“後ろの正面”に至っては、いろいろな解釈があるけれど、未だに私は歌詞の意味を考える度に鳥肌が立つ。

『ジャックと豆の木』は、好きな童話だった。天まで届く“豆の木”は、子供の頃の私の想像力を刺激した。一夜の内に天まで伸びた豆の木・・・、天の巨人の昼寝・・・、その巨人の金貨を盗む・・・(少年犯罪か?)、金の卵を産むガチョウ・・・、最後は巨人が豆の木から落ちて死ぬ?・・・断片的にではあるが、そんなことを私に思い出させたのは、九州出張の折に偶然読んだ地元新聞の記事。博多のファッションビルの草分け「IMS」の吹き抜けに「ジャックと豆の木」のオブジェが出来たという。翌日、午前中の仕事が早く終わったため、さっそく行ってみた。・・・それにしても、この“ジャックと豆の木事件”を裁判員として選出されて審議する立場になったら、窃盗と過失致死で有罪だなぁ。

IMS(イムズ)」は完成時に、カーブのついたエスカレータとか、地下2階から8階までの吹き抜けが話題になったお洒落なビル。(そう言えば、OPEN時に仕事で訪れ、全館のレストランが終日無料という、今思えば夢のような内覧会にも出席した)相変わらずきれいな受付のお姉さんを横目に吹き抜けを望む。ほほぉっ!予想よりすごいスケール。吹き抜け一杯に伸びた豆の木。白い雲も浮かんでいる。ジャックが豆の木にへばりついて登っている。ふぅむ、なかなか良い感じ。子供の頃に実現できなかった夢を、大人になったアーティストがつい作ってしまったという“大人買い”にも通じるオブジェ。

昔読んだ本をつい読み返してみたくなるのは、こんな時。同時にいろんな童話や子供向けの作品を思い出す。『星から落ちた小さな人』は佐藤さとるさん作のコロボックルの童話集。心温まるストーリー。イラストも好きだったなぁ。『北極のムーシカ・ミーシカ』は、いぬいとみこさん作のホッキョクグマの話。『いやいやえん』『夜の動物園』『せむしの仔馬』・・・。ん?“せむし”って、何だ?『ノートルダムのせむし男』、の“せむし”と一緒?とすると、差別用語?そんなことを知らない、というのも怖い。すると、本当に怖いのは、無自覚だということなのかなぁ。(ジャックの犯罪を楽しんで読んでいたことも?)

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