大阪の底ヂカラ「梅田はがくれ」
2006年 10 月14日(土)
「うどんは刺身です」と、挑戦的に言い切る店がある。「うどんは鮮度です」と、スーパードライのキャッチのような言い方もする。う~ん、刺身のような「うどん」かぁ…猛烈に美味欲求中枢(たぶん、そんな中枢はない)が刺激される。行きたい。しかし、場所は大阪。昼は11:00から営業を開始し、14:45にラストオーダー。ただし、かなり並ぶことを覚悟する必要があるらしい。そして、夜の営業は17:00から始まり、19:45にラストオーダー。この半ばアル中の私に、飲む前に食えということか…。
そんな私にチャンスが到来した。2泊3日の大阪出張。あるイベントに担当プロダクトを出展。17時に展示会は終了。うどんを食べた後に、飲むこともできる時間。これ以上のチャンスがあろうか。同行のスタッフに声を掛ける。「終わったら、旨いうどん食べに行くよ!」「良いっすねぇ」展示会場からタクシーで店に向かう。新地の入口、大阪駅前第3ビルの地下街の一角。「梅田はがくれ」。ベタな大阪の雰囲気が漂い、良い感じ。時間が早いせいか、店内も空いている。カウンタに並んで座り、それぞれ「生じょうゆ」と「かまたま」をオーダー。食べた後に飲もうと思っていたのに、我慢できずビールと天ぷらも。
「生じょうゆの食べ方はお分かりですかぁ?」「いや、初めてです」「では、こちらでお作りします。酢橘を搾って、しょうゆは2往復半が基本です」丼の中に、色白のうどん、刻みネギに、卸し大根が添えられる。ただただシンプル。どれどれ、ひと口啜る。あっ、元気なうどんだぁ。ずるっずるっぷちんと口の中で跳ね回る。生醤油や酢橘がほんのりと、うどんの味を邪魔しない。美味しいうどんを食べるために添えられている役割。瞬間的に“こりゃ旨中枢”に届く。旨っうまっ♪確かに、こりゃぁ“刺身”かもしれない。
この有名店、マスコミの取材も多いが、同業者の見学やら出店要請も多いと言う。「話は聞くだけですけどね」と、店主の天谷さん。お土産はあるが、今は支店はない。これも嬉しい。その地に、その店に、その店主のいる店に行かなければ食べられない味がある。支店を出し、チェーン化することもビジネスとしては成功かもしれないが、失うものも多い。その道を選ばず、カウンタだけの小さな店で“揚げたてうどん”にこだわる店があることは嬉しい。その街の宝で、文化。さすが食い倒れの街、大阪。「旨かったですね~」ふふふ、夜はこれから。次は餃子だっ!「良いっすねぇ」…その時まだ二人は大阪の底ヂカラに触れてもおらず、粉もん地獄が待っているとは知る由もなかった。(明日に続く)
坂内
『はがくれ』行かれたんですねぇ♪坂内も昔は毎週のように行列に並んで食べに行ってました!!あの喉越しが病みつきになるんですよねぇ。
IGA
坂内さん、コメントありがとうございます。
そう言えば坂内さんは関西出身でしたね。
旨いですねぇ、あれ。東京のうどんとは別の食べ物。
麺の一本一本が長いので、どこで噛み切ったらいいのか、
タイミングが難しい。途中で噛み切るのも勿体ないような。
そんな“快感うどん”ですね。・・・また行きたいと思ってます。