海と空を眺める宿「亀や」湯野浜温泉

Ym051夏の夕方にチェックインし、部屋に入ると目の前に拡がるのは窓一杯の夕陽…らしい。(残念ながら曇天の午後早くチェックインのお気楽夫婦)ベッドと背中合わせに設えられた、たっぷり大きな皮のソファ。そこに2人並んで座り込む。ふわっと、背中に貼り付いていた日常が飛んでいく。後は、のんびりと、ただひたすら、赤く染まっていく空と海を眺める。(その日は染まらなかったが)夏の日本海は湖のように波穏やか。

Photoフローリングの室内では裸足で過ごす。スリッパは置いていない。窓際には床を刳り貫き畳が敷かれている。ごろんと寝転べる一人分サイズ。振り返ると一面の木の壁。クローゼットや入口、バスルームのドアなどが同じデザインですっきりと収まっている。お気楽夫婦が目指すインテリアの嗜好に近い。初めてなのに落ち着く部屋だ。

Photo_2右端の木の壁の一部を捲ると冷蔵庫。無料だという缶ビールとミネラルウォーターで乾杯。左端の木の壁から現れたバスルームの中には檜のバスタブ。掛け流しの温泉が溢れている。バスルームの前面はガラスの壁と扉。ドアを開いたまま、バスルームのガラス越しに海を眺めることができる趣向。洗面台の下にはバスタオルなどが収納されたボックス。引き出すと椅子になる仕組み。余計なものは目に付く場所には一切置いていない。シンプルですっきりとした空間。

Photo_3男性用の大浴場「亀の湯」では、数匹の亀が湯浴みをしている。ちょっと微妙なオブジェ。海に向かって拡がる明るい浴場には時間が早かったせいか、誰もいない。貸切風呂の趣き。2段階の深さになっている湯船の、浅めの場所に横たわると“寝湯”のようになる。身体中の力を抜いて、ふわふわと漂う。しばらくすると頭の中の力も抜けてくる。なぁ~んにも考えず温泉のお湯と一緒に雑念を洗い流す。ふ~っ。羽田からわずか45分のフライト。なのに距離以上に東京の日常から離れた気分になる。良い宿だ。

Photo_4「お湯に入るとお腹が空くねぇ♪」妻は温泉でたっぷりと時間を掛けて汗を流し、体重を気にせずに食べられるように万全の態勢らしい。食事処は龍宮殿と呼ばれる旧館。外観とは全くイメージの異なる内装は、吉村靖孝氏による設計で、吉村氏はこのデザインによってJCD2005の新人賞を受賞したとのこと。仄暗い通路からメインダイニングである千尋房に到着すると、シャープで清潔感溢れるデザインに、料理への期待感が増す。食欲をそそるデザインなのか。ただ、単純にお腹が空いているのか。 …明日の記事に続く。

【お気に入りホテルカタログ】 ■「亀や」〈山形・湯野浜温泉〉


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