食欲の、そして「上海がにの秋」

Photo_2Photo_3「IGAさん、今年はどうするの?」秋口にその店を訪れると尋ねられるのは、何人で、いつ上海がにを食べにくるのか。日頃どんなに季節感がない食生活をしていてもこれだけは譲れない。そう言いながら、カワハギの肝など譲れない季節ものは多いけれど。ご近所の友人夫妻と4人で下見し、他のメンバーを召集。わいわいと食す。今年はスカッシュ仲間の1組が加わり、計6人が集合。 まずは<鶏の山椒炒め>から。粒山椒がぴりぴりと心地良い痺れ。これがビールに合わないはずがない。文句なしのオードブル。うまうま。

Photo_4Photo_5次に<ピータンと蒸し鶏の辛味和え>で鶏の食べ比べ。生姜が効いてこれまた旨い。「この店は外れがないよねぇ」と友人(夫)。翌週は同僚たちを招いてこの店で食事するのだという。「何も2週続けて食べなくてもねぇ」と零す友人(妻)を意に介さずニコニコと料理を食す。

さらに<ほたてと花ニラ炒め>に続いて<蒸し上海がに>が登場。柿色の濃厚な内子を口に含むとつくづく幸せになる。カニ脚の身を丁寧に取り出し、味噌と内子をからめて食す。幸せ×2。甕だし紹興酒がこれまた旨い。しかしこの料理を酒と一緒に味わわないなんて、もったいない。人生の半分は損をしていると言うと、「そんなことないよぉ、お茶でも美味しい♪」すかさず妻が反論。「それに私が飲んだら誰が酔っ払ったあなたを連れて帰るの?」・・・まぁ、それもそぉだね。

それでも酒の味を、美味しい料理との組合せを、心地良い酔いを、妻と共有したいという気持も残り、ちょっと淋しくもある。「大丈夫。酒の味は分かるし、酔っ払って気持良さそうなのはあなたを見てれば分かるよ」・・・あ、そうですか。

そしてこの店の名物<麻婆豆腐>がやって来る。「入荷したての山椒なんです。この前は食べてくんなかったから今日は食べてって!」おじちゃんにそうまで言われたらいただきますとも。「旨っ!」「ひぃ~辛っ!」「やっぱ旨いっすねぇ!」「おばちゃん、ご飯ちょうだい!」それぞれが勝手に反応する。「北京のヨーカ堂で買ってもらうんです。日系の店の方が良い品が入るんですよ」なるほど。山椒のフレッシュな香りと痺れる旨さ。頭のてっぺんから汗がたらりと滴り落ちる。

Photo_6 「最後にチャーハン食べよう!前に食べた餡かけチャーハンが美味しかったよ♪」無謀にも友人(♀)の提案を全員が「食べるっ!」と賛同。ぱらぱらのチャーハンに甘辛い餡がとろりと掛かり食感も絶妙。うん、確かに旨い。でも、ちょっと食べ過ぎ。「大丈夫。その分は明日たっぷりスカッシュやるから」美味しく食べるためにスポーツをするのか、体重をキープするために運動するのか。「結果的にはそうかもしれないけど、何かのためにじゃなくて、スカッシュも食べることも楽しいからだよ」・・・妻の人生訓は分かり易い。

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