世田谷線の車窓から「火龍園」
2008年 8 月23日(土)
ミッドタウン、世田谷と、2日続けて広東料理を食べることで、ちょっと香港気分を味わおうというお気楽夫婦。見方によってはおバカである。自覚はしている。しかし、それほどミッドタウンで食べた海鮮が美味しかったということでもある。そんな2人が、2日目に向かった店は「中華銘菜 火龍園(ファン・ロン・ユェン)」。世田谷線の車窓から、店の外観が眺められる店。溝口肇のテーマ曲をバックに、妻が好きな石丸謙二郎のナレーションを真似て、「世界の車窓から。昨日のミッドタウンに続き、今日は世田谷、赤堤に向かいます・・・」などと呟きながら。つくづくおバカである。
六本木のお店から予約していただいたIGAですけれど。「お待ちしておりました」男性スタッフに迎えられる。ん?支配人だろうか?ちょっと緊張気味。「六本木の店から、お召し上がりいただいたメニューのFAXが入っていまして・・・」さすが!総支配人。前日は海鮮中心だったから今日は肉とか麺を中心に食べようか。「そだね♪」まずは絶賛モノのXO醤を食べ比べ、お気楽夫婦が大好きな「ピータン」をオーダー。香港ではどの店でも甘酸っぱい、独特の味の生姜が添えられる。お〜っ!この店でも♪「ん、ちょっと香港とは違うけど、近い味だね。美味しいよ。XO醤もやっぱり美味しいね♬」妻が満足げに頷く。滑り出しは順調。
「おぉ〜美味しそうだぁ!」皮付きのポークがカリカリに焼かれて登場!うぁ〜、こりゃジューシー♫「小籠包」や「精進野菜の南乳土鍋煮」などもタイミング良くやってくる。ん〜、んまい。もっと早くこの店に来ておくんだったねぇ。「でしょう、何度も世田谷線に乗る度に言ってたのに、余り興味示さないから・・・」すまん。妻の食に掛けるエネルギーは私以上。素直に反省し、スパークリングワインをひとくち。夏の暑い季節、シャキッとした発砲のお酒が美味しい。中華料理ともなかなかの相性。それにしても、広い店内は日曜の夜だというのに(たぶん、ご近所の)客でいっぱい。家族で、若いカップルで、老夫婦で、いろんな世代の客がゆったりと食事をしている。穏やかな休日の良い風景だ。街に根付いたこんな店がもっと増えると良いよね。
締めは冷麺。これもしゃっきり、きちんと美味しい。「これから店がもっと人気になっても、この本店と、せいぜい数店の支店までで留まると良いんだけどね」そうだね。美味しい店の多店舗展開は難しい。そこに行かなければ食べられない味は、シェフに依る。とすると、厳密には1店舗だけの味のはず。そのノウハウをいかに伝えても、店舗数を増やして行けば味の水準が落ち、その水準の落ちてしまった店に初めて行った客の評価がブランド・ロイヤルティを下げてしまうというリスクがある。味は経営ではなくシェフの腕であり、サービスもまた人であるということで言えば、多店舗展開に必要なのは人材。「この店がミッドタウンに店を出す時に、この店を閉めて準備したっていうのは、凄いことだよね」味は人、サービスも人、それが伝わる店が大好きな2人だった。「また、今度はミッドタウンの店に行こうか!」お気楽夫婦のチェーン・イーティングな生活は続く。