お気楽夫婦は南を目指す?「アオテア・ランギ」恵比寿

Photo多、ボストン、ウチナー、ニュージーランド。お気楽夫婦が老後に住みたいと思っている街。しかし、改めてこうして並べてみると、この組み合せは、変だ。博多とボストンは2人で訪れた上で具体的に“住む”ということをイメージしているのに対し、ウチナー(沖縄)は対象エリアが広く、街というには漠然とし過ぎ。ましてやニュージランドは、街ではなく国だし。そして致命的なことに、2人ともまだ訪れたことがない。それなのに、なぜニュージーランドなのか。南半球のちょうど北海道と本州のような形をした国。住民よりも羊の数が多い国。ヨットとスカッシュが盛んな旧イギリス連邦。オールブラックス。ジュール・ベルヌ作『二年間の休暇』で15人の少年を乗せたヨットが漂流する前に停泊していたのはニュージーランドのどこかの街の港だった。…その程度の情報。

Photo_4比寿に美味しいニュージーランド料理の店があると聞いた。中でもお薦めはムール貝だという。ムール貝には目のない私としては、行かねばなるまい。ということで、ある週末、スカッシュ仲間と一緒に出かけた。店の名前は「アオテア・ランギ」。マオリ(ニュージーランドの先住民)のことばで、ニュージーランドの大空という意味らしい。全部で20席余りの小さな店。入口横のテラスには4人がけのテーブル席が2つ。秋風が爽やかなこの季節はテラス席でしょう、ということで皆でテーブルを囲む。まずはニュージーランドのビール、スタイン・ラガー。スカッシュの後では、こんな小さな瓶は蒸発してしまうように喉に吸い込まれる。ぷは。いくつかのオードブルの後に、待望のムール貝をオーダー。4種類あるソースのうち、にんにく香草バターソース、アメリケーヌソースの2種類を選ぶ。

Photo_3つことしばし。ムール貝が入った寸胴がどかんと登場。日本のものと違い、深緑色の“グリーン・マッスル”と呼ばれる小振りの貝。「おぉ〜っ!美味しそう♪」「良い香り♫」「うわっ!旨っ♬」にんにくと香草の香り、貝の旨味が解け合ったソースが素晴らしい。「フランスパンに合うねぇ」ひとつ食べた後は、貝殻でソースをすくい、くぷっと飲む。く〜っつ。たまらん。この店自慢のニュージーランド産ワイン、ソーヴィニヨンブランのとある銘柄(忘れた)をオーナーがグラスに注いでくれる。くぴっとひとくち。爽やかな香りが鼻孔に抜けて行く。「うわ〜っ、美味しい!」飲んべのスカッシュコーチが目を丸くする。「なぜ白ワインなのに、こんな口の広いグラスなんだろうと思っていたんですよ」広口のグラスで冷えた白ワインを含むと確かに香りの抜けが良い。最高のマリアージュ。ニュージーランドのグリーン・マッスルとソーヴィニヨンブラン、素晴らしい組み合せだ。

Photo_4らに「NZ産 子羊骨付きロース炭火焼」が登場。「これには、美味しい赤ワインだ♪」既に何種類かの白ワインを飲み比べしていた(飲めない妻を除いた)メンバーは、迷わず赤ワインをオーダー。「うん、この赤(これも銘柄は忘れた)も美味しい〜っ!」NZワインに惚れ込んだオーナーが開いたこの店のニュージーランドワインを飲みにくるだけでも、訪れる価値がある。「私、羊大好きなんだ♪」ジンジャーエールを飲みながら妻もご満悦。他にもマオリの香草で味付けされた牡蛎やサーモンなどのシーフードも旨い。ふ〜む、良いね。ニュージーランド。南半球の季節は、春。「気候的にもいい時期ですよね」オーナーが現地のワインの美味しい店やワイナリーを教えてくれた。(あくまで酔っぱらっていなかった妻からの伝聞)よぉっし、皆で行ってみるか!ニュージーランド!

■お気楽夫婦の御用達へ 「アオテア・ランギ

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