街を元気にするものは?「さぬきうどん」高松訪問

PhotoPhoto_2本全国に元気のない街が増えている。財政破綻した夕張のような特定の街だけではなく、ほぼ全ての地方都市の中心街に元気がなくなっている。かつて人通りの絶えなかった商店街はシャッターを下ろした店が目に付く。中心市街地活性化法など、いわゆる「まちづくり三法」の改正等によって地方都市の再生を図ろうとする試みが各地で取り組まれているが、全ての都市に効果のある特効薬は存在しない。20年程前、当時勤務していた会社で、新規ネットワークの開拓のため全国を飛び回った時期があった。北海道から台湾まで、年間100日以上出張の日々が続いた。中心街はまだ活気があり、地元の方から案内され出歩く夜の街も個性的で魅力的だった。

Photo_3Photo_4んな街のひとつ、高松を久々に訪ねた。1989年春、開通したばかりの瀬戸大橋を初めて渡ってからちょうど20年。2日間で岐阜、名古屋、岡山と各地で打合せを重ねるハードなスケジュール。その最後の訪問地として。元気のない商店街が再生を図る取り組みの中でも注目されている高松市丸亀町商店街を視察するのが目的。土地所有の概念を再構築し、長期的構想の基で商店街を経営し、街の再生を図ろうという新たな試みだ。まだ1期工事が終わったばかりで今後の展開に成否がかかる。わずか90分だけの滞在で関係者への取材も叶わなかったが、街の再生への確かな息づかいは感じることができた。

Photo_5Photo_6して、高松と言えば「さぬきうどん」である。90分の滞在だろうが、重い荷物を抱えて街を歩き続けようが、うどんを食べなきゃ高松訪問の意味は半減する。高松駅に到着したのが12:35。街を歩きながら写真を撮り、人の流れを把握し、うどん屋を探す。ひと通り街を歩き終えたところで時計を見ると既に13:30。帰りの電車は14:10。時間との勝負だ!時間がないこともあり、目指すのは地元民も通うセルフの店だ。名店と言われる店は郊外に多いが、そんな場所まで行く時間は当然ない。駅から中心街に向かう途中で行列ができていた「こんぴらや」に向かう。こんな時は迷わず1点(店)勝負。店内を覗くとピーク時間を過ぎていることもあり空いている。チャンスだ。

Photo_7人気 温玉ぶっかけ」という入口の看板をチェックしつつ、店内に入る。オーダーの仕方が良く分からない。様子眺め。でも真似すべき先客がいない。この店は麺を茹でるのは店のスタッフにお願いする方式のようだ。大、小とあるが、確か小はひと玉、大はふた玉のはず。小を見くびって大を頼んではいけない。温玉ぶっかけの「小」ください♪「1分ほどかかりますが」む、僅か1分?問題なし、と言うよりも他のメニューだったらもっと速いってことか。恐るべしセルフ店。茹で上がりを待っている間にサイドメニューを選ぶ。おっ!好物のサツマイモ天ぷら。うむ、半熟卵の天ぷらは珍しい。慌てて皿に載せる。うっ!卵が重なってしまった。気付いたが、時間がない。他のモノを選ぶ心理的余裕はない。「お待たせしましたぁ」頼んだ温玉ぶっかけができてしまった。「このダシを少しかけてください」むっ、素人と見破られたか、親切に教えてくれる。でも素直にありがとう。

Photo_8Photo_9ギ、天かす、刻み海苔、そして主役の卵とうどんを丼の中でかき混ぜる。ふわんと良い香り。もち肌のうどんに卵が絡んでぴかぴかと黄金色に輝く。うっ!旨そうだ。最初のひと口。旨ぁ〜い♪優しいダシの味がコシのあるうどんに良く合う。うぐっうぐっ。うどんを啜る。うぅ〜ん、旨い。きちんと粉の美味しさが判る味。こりゃ止まらない。うぐっ!慌ててお茶を持ってくるのを忘れていた。むせ返りそうになりつつサツマイモの天ぷらがのどを通るのを待つ。引き続きうどんを啜る。うんうん旨いっ。ふぅ〜、ごちそうさま。美味しかった。時計を見ると13:50。駅は歩いて10分程の距離。何とか間に合いそうだ。食器を返し店を出る。満足。う〜ん、やるなぁ、さぬきうどん。ふっと入った店でこの満足感。これはまたこの街に来る必要がありそうだ。休日1,000円の高速料金が導入されてから「うどん喰い」のために街を訪れる人が増えているらしい。

れから電車を乗り継ぐこと5時間。無事東京に戻り妻に迎えられる。「お帰りなさい。今回はたいへんなスケジュールだったね」うん、うどんが美味しかったぁ♪「ん?」・・・私の出張はいつも誤解に満ちている。

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