香港で3つ星のサービス!?「龍景軒(ロンゲィンヒン)」

フォシーズンズ茹で海老港で訪ねるべき店はどこでしょうかね?ミッドタウンの名店SILIN火龍園の支配人、根本さんに伺ったところ「広東料理でしたら、まずは龍景軒ですかね」躊躇いなく答えが返ってきた。香港を訪ねると1日5食、帰国時には体重が確実に4、5kg増えるという彼にそう言われたら訪ねない訳にはいかない。香港に到着した翌朝、グランドハイアット香港のコンシェルジェに予約を依頼。「人気の店ですから予約が取れるかどうか」それでも香港島サイドに滞在中の最終日に予約が取れた。「良かったです。お2人はラッキーです」3日後、そんなコンシェルジェのことばの本当の意味を知ることになる。

龍景軒のグースォーシーズンズホテルの4F、ヴィクトリア湾を見渡す眺めの良い店。まずは白ワインをグラスで。グラスワインも何種類かのリストからチョイスできる。むむっ。ラベルも見せてくれるし、テースティングもさせてくれる。選んだワインはすっきり美味しい♪滑り出しは良好。まず始めは広東料理の定番、焼鵝(ローストグーズ)と白灼蝦(茹で海老)をオーダー。どちらもお気楽夫婦の大好物。「やっぱり香港で食べる海老は美味しいねぇ♪」妻が山盛りの茹で蝦と格闘しながら笑みを零す。東京で食べると値段は香港の倍、海老の量は1/5程度。食べ終える絶妙のタイミングでおしぼりが取り替えられる。柔らかく優しく、そして的確で心地良い接客だ。

フォーシーズンズ野菜炒めいて「マッシュルームとズッキーニ炒め」「荷葉飯(蓮の葉ご飯)」をチョイス。「このズッキーニうんまぁ〜いいっ♪蓮のご飯も小さくて(1人分というメニューがある)嬉しいね」どの料理も味のバランスが良く、食材の新鮮さが分かる。そして仕上げも丁寧。実に美味しい。実に嬉しい。支配人らしき人が各テーブルに目を配り声を掛ける。「写真をお撮りしましょうか。もう1枚。あぁ、こちらの方が良い。今の方が良い笑顔でした」スタッフもキビキビ動き、オーダーを取り、料理を運び、サーブする。これは画期的。香港の多くの店は分業制で、オーダーを取る人、料理を運ぶ人、サーブする人が明確に分かれ、仰々しく、客との間に距離を作ってしまう。「味もそうだけど、このサービスに感激しちゃうね」同感。料理の味にホスピタリティという調味料が加わると、美味しさが倍増する。

フォーシーズンズ荷葉飯本人観光客と見るとアワビやフカヒレを薦める。暇な時は少しでもお茶を飲むと煩いぐらいに継ぎ足すのに、忙しくなった途端に呼んでも来ない。地元の常連客とは声高に会話するが、外国人観光客とはほとんど会話がない。それが香港のサービス。ホテルの中華料理店でも同様だった。ホテル自体のサービスレベルは高くても、レストランではそれを望めなかった。そんな常識が覆った。「やろうと思えば香港でもできるんだねぇ」と妻。お気楽夫婦が求めていなかった(諦めていた)サービスを、香港で受けられるという喜びは格別だ。いやぁ、美味しかった♪明日のランチも予約しようか。「あぁ、残念です。明日は予約で席はいっぱいです」そんなスタッフのひとことが嬉しい。実に良い店だ。

満福樓お茶満福樓のグースローストグースはこの店(満福樓)の方が美味しいかもしれないけど、お茶のサービスが煩わしいね」翌日のランチで妻が零す。上海料理の老舗「香港老飯店」も、ミシュランの☆が付いた「唐閣(T’ang Court)」も、ペニンシュラの「麒麟樓(Spring Court)」も、美味しかった。今までならそれで充分満足だった。けれど、龍景軒のサービスの満足度には遠く及ばなかった。龍景軒のサービス、ホスピタリティは、一度味わってしまったら忘れられない“禁断のサービス”なのかもしれない。

ォーシーズンズホテルの「龍景軒」に香港で唯一☆☆☆を付けた「ミシュラン香港版」にはこう書かれている。The serving team is highly professional and describe dishes with great care and obvious pride.(サービスチームはとてもプロフェッショナルで、矜持を持ったおもてなしの心で料理を提供する)

■食いしん坊夫婦の御用達へ 龍景軒(ロンゲィヒン)満福樓(ダイナスティ)

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