読んでから観る?観てから読む?『県庁おもてなし課』他

Kencho1970年代、角川商法と呼ばれていた角川映画と角川書店。書籍販売の売上増を狙い、自ら映画化。出版と映画のメディアコンプレックスの先駆け。第一弾は、1976年の横溝正史原作『犬神家の一族』。「金田一さん、事件です」というキャッチで、主演の石坂浩二が予告編に登場し、CMがヘビロテで流された。第2弾は、1977年に公開された森村誠一原作『人間の証明』。キャッチは「母さん、あの帽子どうしたでしょうね。ええ、夏、碓氷から…」と流れ、ジョー山中が歌う「ママァ、ドゥユー〜リメンバー♬」と主題歌が続いた。分かる人には分かる(笑)。そして、キャンペーンキャッチは、「読んでから観るか、観てから読むか」。これは実に普遍的なテーマ。

Tosyokanくの映画作品は、原作の方が先に世に出る。出版され人気が出た作品が映画化される場合が多い。監督や出演者のファンなら原作を気にせず観に行くのだろうが、原作の愛読者としては悩む。読みながら自分なりの物語世界のイメージが拡がり、自ら監督する映像を頭の中に浮かべ作品を読んでいる。主人公がぴったりという場合もあるけれど、思い入れが強い作品ほどキャスティングに不満が出る。また、せっかくのあの部分がこんなシーンになるの?…だったり、え!あの部分をカットするか!…などとストレスが溜まることが多い。表現形態の違う別の作品だと思って観れば良いのだけれど、原作が好きなだけにそうもいかない。いっそのこと観ないという選択もある。

FuneWoAmuの春、なぜか好きな小説たちが映画化され、一斉に公開されている。有川浩の『図書館戦争』、『県庁おもてなし課』、東直己のススキノ探偵シリーズ『探偵はBARにいる2(原作は『探偵はひとりぼっち』)』、そして未読ながら三浦しをんの『舟を編む』の4作品。妻にどれかを(あるいは全てを)観に行こうと提案すると、有川浩原作の2作品は真っ先に却下された。文庫本は解説から読み、ネタバレも気にせず、映画を観てからでも原作を読む妻。観ると読むの順番も、キャスティングも気にしない。けれど、映画はワカモノ向けの作品になっていそうな気配が嫌われたようだ。

Azumaを編む』は、私が躊躇った。読んでから観る派である私としては、文庫化を楽しみにしている1冊。主人公役の松田龍平は好きな役者だけれど、先に映像が刷り込まれてしまうのは嫌だ。う〜む、ということは、残るは1作品。映画『探偵はBARにいる(原作は『バーにかかってきた電話』)』の1作目は、原作の匂いを残しつつ、実に良い映像世界を創っていた。原作との違いも楽しめた。主役の2人、大泉洋と松田龍平のコンビが実に良い。あ!ここでも松田龍平。『ススキノ探偵』シリーズの高田と、『舟を編む』の馬締光也のキャラクターが被ってしまうのか。松田龍平がどう演じ分けるかが楽しみでもあるし、悩ましくもある。これが映像作品の功罪。

むんだったら、全部1人で観に行ったら?」と妻。もちろんそんな選択もある。ところがこれがまた悩ましい。50歳をとっくに超えた私。夫婦50割引が適用される。どちらかが50歳以上であれば(夫婦でなくとも可)、2人で2,000円。ところが、1人で観に行くと1,800円。実にもったいない。200円で一緒に映画観ませんか?と、誰かを誘えば良いのか。「分かった。じゃあ『探偵〜』は観に行こう」と妻。きっとこの辺りが落とし処。他の3作品はDVDレンタルの運命か。

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