秋の神宮外苑散策♬「国立競技場の秘密」

GingkoStreetGIngkoの季節に花見をせずにいられないのと同様に、秋になると紅葉を愛でに出かけたくなる。季節の移ろいを楽しむ、日本人のDNAに刻まれた(?)良き風習。それに、遠出しなくても都内にも紅葉の名所がある。例えば新宿御苑。あるいは神宮外苑の銀杏並木。どちらも人の手がきちんと入った、造形的に整った都会の紅葉の名所。手つかずの自然の紅葉の美しさは言うまでもないが、これも悪くない。ある冬晴れの週末、お気楽夫婦もぶらりと青山方面へ紅葉狩りに出かけた。青山一丁目の駅を降りると、改札付近からすでに大勢の人。銀杏並木の両脇の舗道は通勤ラッシュ並み。さすが人気の紅葉スポット。

TicketsUniform金色に縁取られた大通りが、絵画館に向かって真っすぐに延びる。青く澄んだ晩秋の空。実に絵になる風景だ。人混みを避け、神宮外苑の周回道路を歩く。大学名入りのウェアを着たランナーや、素人ランナーが行き交う。左手に神宮球場、第二球場、さらには国立競技場が見えて来る。ところで、この神宮外苑の由来を調べてみた。明治天皇が崩御し、旧青山練兵場(現在の神宮外苑付近)で大葬儀が行われ、その地に明治天皇の遺徳を後世に伝えるためにスポーツや文化振興の施設が造られた、とのことらしい。現在は、国の管理を離れ、宗教法人明治神宮の外苑という位置付け。

NewStadiumRenewStadium宮外苑のゆったりとした敷地と緑は都心には貴重。これらは皇室の遺産でもあり、オリンピックの遺産でもある。それも2度の。1940年、東京オリンピックが開催されることになったものの、戦争に突入した日本が辞退。幻のオリンピックとなった。その際にメイン会場の候補となった地のひとつが神宮外苑。1924年に竣工した明治神宮競技場が、1964年の東京オリンピックに向けて国立競技場として建替えられ、2つのオリンピックを結ぶ存在となった。そして、3つ目の2020年東京オリンピックに向けた、新国立競技場の建設計画が話題になっている。実は、その模型を観られる施設がある。

StadiumRun在の国立競技場の中にひっそりと「秩父宮記念スポーツ博物館」がある。神宮外苑散策の途中、入口を発見して思わず入場したお気楽夫婦。東京オリンピックを始めとしたポスターが壁一面に飾られた受付付近から、すでに昭和の香りが漂う。階段を上がると東京オリンピックの日本選手団のユニフォーム、入場チケット、マラソンコースの地図など、昭和の子供だった2人にとっては心躍る展示が続く。そして新国立競技場の模型がどかんと現れる。それも巨大な施設であるが故に、建築費や景観の問題になった第1次案ではなく、(おそらく)改訂された案の模型。*左が評判の悪かった1次案。右の写真が展示中の模型。いずれにしても巨大!

こで走ってみたいねぇ」大学生ランナーが走るトラックを眺めながら、中学時代に陸上部員だった妻が呟く。彼女は200mで県大会まで出場したランナーだったらしい。国立競技場のトレーニングセンターをビジターとして使えば、トラックも走れると聞き、2人の目が輝く。実は私も中学時代、地区予選で敗退したへっぽこ短距離ランナー。ガチで勝負しようか!と妻に挑まれても微妙な勝負。それでも来年には取り壊し始める、この競技場で一度は走ってみたい。「あれ?例の入口だね」妻が発見したのは、グランドにある地下へ通じる入口。奥田英朗『オリンピックの身代金』にも登場する、国立競技場のちょっとした秘密。TV朝日系で放送されるドラマも楽しみだ。

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