味の継承、そして巣離れ「梅本(尾山台)」

Ume9Ume1田谷尾山台で本日オープンです!わくわく、そわそわ、私が緊張してもしょうがないんですが…」馴染みの京料理店「用賀 本城」の女将さんがFacebookにアップした投稿で、梅ちゃんの店「梅本」の情報を知った。彼が本城を辞め、独立すると聞いたのは年末に店に伺った時。女将さんの投稿によると、「本城」開店の翌年の5月から7年近く、本城さんの弟子として頑張ってきたとのこと。カウンタの中で、ずっと寡黙に仕事をしていた彼が、どんな店を開くのか。バタバタであろう開店当日を避け、数日後に1人でふらりと(妻が残業で独りメシだったので)訪ねてみた。*それにしても女将さん、ショップカードの写真が小さすぎて、店の住所を読み取るのが大変でしたよ!(笑)

Ume2Ume4急大井町線の尾山台駅から歩いて1分!商店街のメインストリートから横に入ってすぐ。ビルの2階ではあるものの、絶好のロケーション。店の外まで溢れる祝花。何か持参すべきだったかなと思いつつ、店に行って食べることが何よりのお祝いだろうと手ぶらで店に入る。「いらっしゃいませ!」と元気な声と、驚いた梅ちゃんの顔。本城の女将さんの書き込みで知って来たのだと伝えると、「ありがとうございます。びっくりしました」と、ようやく我に返った模様。カウンタに座ると目の前には本城さんからのお祝いの品。生ビールをいただきながら、店の様子を尋ねる。まだ開店早々のバタバタでお任せメニューしかないとのこと。否応もなく、梅ちゃんにお任せ。楽しみだ。

Ume5Ume6に客がいなかったこともあり、梅ちゃんにポーズを取ってもらったり、店内の様子や料理を遠慮なく撮影。なんだかすっかり大将の顔をしていると梅ちゃんに伝えると、「そう呼ばれるのがまだ不思議な感じなんです」とはにかむ。最初の皿は本城さん仕込みの美しい料理。酒器に描かれた鳥獣戯画も面白い。聞けば、独立前からコツコツと器を集めていたらしい。そんなところは食器好きの女将さん譲りか。それにしても、本城にいた時はほとんど会話しなかったのに、実に良くしゃべる梅ちゃん。こちらから話しかけているからでもあるけれど、不思議。そう尋ねると「あえて無口でいました」ふむ。芯がある答えだ。ん、これは美味しいね、ある一皿を褒めると、満面の笑み。

Ume7Ume10阪に住んでいた頃、用賀で店を出したばかりの本城さんを訪ね、料理を食べ、戻ってすぐに「給料はいらないから」と弟子入りの申し出をして断られた梅ちゃん。ところが、数週間後に(スタッフが辞めたらしい)本城さんから誘いの連絡があり、働き始めたというエピソードを聞く。ご縁だねと言うと、笑顔で頷く。結婚のお相手も女将さんからの紹介だと言う。子供のいない彼らにとって、梅ちゃんは我が子同様、そのお子さんはお孫さん同様なのだろう。「ありがたいです。それに、公邸料理人も憧れなんです」と梅ちゃん。料理人の目指すべき道が分かり難くなり、自分がそれを示したいと開店当時語っていた本城さん。梅ちゃんは、その道を辿ってくれる愛弟子でもあるのだ。

Ume8IGAさん、梅ちゃんの店に行ってくださったそうで、ありがとうございます。本人から喜びの報告がありました」翌日、女将さんからメッセージ。「なんせ1人なので、心配の毎日です」と、やはり母親っぷり全開。本城さんの味を受け継ぎ、女将さんの愛情を注がれて育った巣を飛び立った料理人。まだまだの皿もあったけれど、それは本城さんと比較した評価。比較される相手が師である本城さんならば、超え甲斐のある大きな山だ。女将さん曰く、「まだ若干33歳、伸び代に期待してください!」もちろん。それに、すでに充分美味しいですよ、お母さん。もとい女将さん。自由が丘から電車でわずか2駅3分、そして駅から1分。オフィスから5分余りの場所に、ふらりと立ち寄れる良い店ができた。梅ちゃん、次回は妻と一緒に伺います♬


▪️梅本 店舗情報(駅からダッシュで15秒)…関西人やなぁ、梅ちゃん。

Umemoto

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