秋味堪能!参りました!の栗ご飯「用賀 本城」

KakiSobanomi賀神社のすぐ側にある、その小さな店はその日も賑わっていた。予約が取れない人気店として、すっかり有名になった「用賀 本城」。ある週末、友人たちと共に本城のランチに出かけた。同じメンバーで2度目のランチ訪問。ご近所に住む地の利を活かし、スカッシュ仲間の奥さまが予約開始日に店に並んでくれたおかげ。「今日は余裕だね!って、早めに店の前まで様子を見に来たら、もう並んでる人たちがたくさんいてね、焦ってそのまま並んじゃったよぉ〜」と予約担当の奥さま。ムードメーカーの彼女の周囲には、いつも元気オーラが溢れている。時には元気が零れてしまい、皆で拾ってあげなければいけない程。皆で改めて彼女に感謝して乾杯。昼下がりに飲む1杯のビールの旨さに、さらに感謝。

SashimiWan回同様に5人が予約した席はカウンタ。この店の魅力はこのカウンタ席にある。7人掛けの小さなカウンタ席。けれど、1人分のスペースはゆったりと、がっしりとした造りの椅子、奥行き充分なカウンタテーブル。実に居心地が良い。そして、目の前に展開される本城劇場。演じるのはもちろん主役の本城さんを中心としたスタッフたち。季節毎の食材を手際良く美味なる料理に仕立て、実に美しい所作で一皿一鉢に盛付けていく。人数分きちんと並んだ器の行く先を眺め、その先が自分たちの手元にやって来ると、わぁと小さな溜息が出る。「美味しそうだねぇ」「器がキレーだぁ」「箸を付けるのが勿体ないね」何度味わっても同様のコメントが零れる。毎回新鮮な気持で味わえる魅力。

AgemonoSakeれは柿と胡桃を…」本城さんが丁寧に料理の説明をしてくれる。一様に頷く5人。けれど失礼ながらきちんと覚えちゃいない。料理評論家でもレポーターでもない5人は、ただ舌の先から身体ごと本城さんに委ねている。安心して任せ切っている。目の前のヨダレものの美味を一刻も早く堪能したいと思っている。そして期待以上の反応が自分の舌から全身に広がって来るのを感じ、「美味しいぃ〜♬」「くぅ〜っ」「幸せだぁ」感嘆と絶賛の大合唱がメンバーの口から漏れる。「おおきに」小さく頷く本城さんの柔らかい笑顔が目の前にある。「そう言えばアド街に…」という妻のことばに、「まだ開店して間もないウチんとこの店がって言うたんですけどね…」必要以上に客の会話に踏み込まず、的確な距離感で交わされる小さなエピソード。このやり取りこそがカウンタ席の魅力だ。

Kurigohan変わらず儲け度外視とも思える絶品かつお得なランチメニュー。なぜこの価格のランチに松茸が出る?この食材と手間では採算合わんでしょ!と。そんなランチメニューの掉尾を飾ったのが、栗ご飯。それまでの料理はもちろん感涙ものだった。当然お酒もぐいぐいと進んだ。けれど、最後のこの栗ご飯が全てをさらって行った。黄金色に輝く栗の甘さ、大粒の栗の存在感と歯応え、ふんわりとしたご飯の炊き加減、その適度に固めのご飯(絶妙に私好みの固さ!)と栗のバランスが茶碗の中で小宇宙を創ってしまう。参りました!の栗ごはん。

は冬だね!忘年会はどう?」「じゃあ次回は、夜の部だね!」そんなメンバーとのやり取りがあり、年末の予約をその場でお願いする。「夜はまだ来たことがないから楽しみだねぇ」と、ワシントンDCに赴任することになったご主人と共に渡米するスカッシュ仲間の奥さま。次回は彼女の壮行会にもなるだろう。「大丈夫!2人の生活が嫌になったらすぐに戻って来るから!」彼女の明るい冗談に「じゃあ、年明けにはまたランチで!」妻もお気楽に応える。それもまた良し?

■食いしん坊夫婦の御用達へ(お店データ/過去の記事) 「用賀 本城

秋のお土産、お裾分け「秋の到来物」

JapaneseSakeShochu&Kosyuも深まったある日、お気楽夫婦宅に2本の銘酒が届いた。1本は妻の故郷浜松にある「割烹 弁いち」からのいただきもの。弁いちオリジナルの古酒。日本酒をねかせて熟成させる、なんと日本酒。たまたま前職で日本酒の古酒専門店「酒茶論(しゅさろん)」との関わりを持ち、何度かお邪魔して古酒を飲ませていただいたことがあった。その琥珀色の酒は、日本酒というよりもブランデーやシェリー酒、紹興酒、シングルモルトウィスキーに近い香りと味わい。以前弁いちに伺った際に古酒を出していただき、そんな話題になった。それを覚えていただいたのか、この秋にお店にお邪魔した際にお土産にといただいた。創業天保6年、岐阜の達磨正宗の古酒をブレンドしたものだという。開栓が楽しみだ。

KaraimoCakeCakesう1本は鹿児島から。赴任する夫と共に渡米することになったスカッシュ仲間の奥さまからのお土産。赴任先のワシントンDCに向う前の帰省の際に、わざわざ買ってきたいただいた。1912年創業の山元酒造の期間限定商品「さつま五代 原酒」という感涙ものの芋焼酎。酒好きの彼女からいただいた酒。一緒に飲みたかったけれど、それもどうやら叶わない。封を切るタイミングを考え、大切に飲まなければ。そして、お酒を飲まない妻には鹿児島名物のスイーツ。フェステバロの「唐芋レアケーキ」という人気の逸品。「ずいぶん前にお取り寄せして食べたことあるよ♬美味しいんだよねぇ♡」と妻。冷蔵庫で冷やし、うっとりと食す妻。故郷自慢のサツマイモ、酒とスイーツとを相手によって使い分け。ワシントンに向った奥さまは、贈り物の達人の風格。

ApplesAppleJam野からリンゴがたくさん届いたのでお裾分け!今からクラブに持って行くね♬」ある週末、お気楽夫婦が通うスポーツクラブのご近所に住むスカッシュ仲間の奥さまからメール。彼女の故郷長野から届いたのは、酸味が強い紅玉と、甘みが強く酸味はほどほどの秋映。さっそく甘い秋映は生でいただき、酸っぱい紅玉はリンゴジャムに。薄く切った果肉の上に、砂糖と白ワイン。朝のヨーグルト用だから形を崩さず、りんごの歯触りさくさく感を残す程度に煮込む。え?はい。それは私の仕事。「酸味と甘さが絶妙にヨーグルトに合うね、美味しい♬」妻もご満悦。

BeniazumaJamり合いからサツマイモが届いたから、荷物になるけど持って行って!」さらにある週末、スカッシュ仲間宅でのパーティで、前回同様に元気な奥さまにお裾分けだといただいた。「うわぁ〜いっ!」と妻。それにしても、なぜ女性はサツマイモが大好きなのか。妻も例外ではなく、翌週末に昼食用だと芋を蒸した。え?昼食?今は戦時中?確かに甘くて美味しい。けれど、途中で飽きてしまう。胸焼けしそうになりそうになりながら、ビールで辛うじて流し込むように食べる。そして、奇跡が起きた。残った芋で妻がジャムを作り始めた。レモンをたっぷり絞り、白ワインをたっぷり。う〜ん、これは美味しい。クラッカーにジャムを乗せていただく。何とも美味である。そんな風に、季節の味を適量分けていただき、どちらも美味しくいただいた。実に嬉しい。信州生まれの奥さまはお裾分けの達人の輝き。

や食べ物に季節感がなくなり、その土地でしか食べられないものがなくなった。いつでも、どこでも美味しいモノが望めば食べられる。けれど、思いもしないタイミングでいただく季節の味、各地の名産。これは嬉しい。そして、季節をきちんと感じ、正しい秋の味をいただける。「次は上海ガニかなぁ」と嬉しそうに呟く妻。毎年恒例、そんな季節がやって来た。

自由が丘から、ありがとう。「自由が丘女神まつり2011」

OutdoorBarBackStage年もその街にはたくさんの人と笑顔が溢れた。期間中ずっと天候に恵まれ、例年以上の人出。去る10月9日、10日に第39回自由が丘女神まつりが開催された。主催は自由が丘女神まつり実行委員会。加盟店数1,200店以上の自由が丘商店街を中心に編成されるチームは、若手のメンバー中心。まだ若い商店街のイベント事業部長が実行委員長となり、何ヶ月も前から企画が検討される。そして本番。駅前広場のメインステージを中心に、12の支部毎に趣向を凝らしたイベントが開催される。メインステージではファミリー向けのコンサートあり、トークセッションあり、有名アーティストによるライブあり。分刻みのスケジュールで何かしらのイベントを開催している“まつりの核”。

JazzStationMainStageえば今年は、DEPAPEPE、ORIGINAL LOVE の田島貴男、井上あずみなどのライブがあり(All Free!)、自由が丘森林化計画というプロジェクトのテーマ曲を作曲した植松伸夫のライブとメンタリストDaigoによるパフォーマンスを開催。それぞれ大勢の観客を集めた。メインステージの周囲には本部テント、クイズラリーの受付、JT「ひろえば街が好きになる運動」受付、協賛各社のテントなどが点在。それ以外に、街のいたるところにある各支部のイベントコーナーでは、ジャズライブあり、フラのステージあり、ジャンボスライダーあり、シャンソンやフラメンコのライブあり。もちろワゴンセールや飲食ブースあり。街を挙げての学園祭ならぬ、巨大な街頭祭。

Jukebox在するイベント拠点のひとつ、とある証券会社に向う。いつもは接客スペースとして使っている1階の店舗部分を女神まつりの拠点として提供。今年は自由が丘森林化計画に協賛する東京コカ・コーラボトリングがブースを構え、オリジナルエコバッグ作成体験とノンアルコールカクテルの試飲を行っていた。入口から中を覗くと見慣れた顔。「あぁ〜、IGAさん!ご無沙汰しています」すっかり商店街のスタッフのように街に馴染んでいるコカ・コーラの営業担当が笑顔で迎えてくれる。「あっ!IGAさん、こんにちは」同様にプロジェクトの最初から関わったCSR担当の女性。2人共イベントスタッフとして街に溶け込み、祭を楽しんでいる様子。

SouthStreet口の緑道に向うと、移動もままならない程の人。最も混雑している生ビールとワインのブースに並ぶ。やっと順番が回ってきて生ビールをオーダー。サービングしてくれるのは某印刷会社の営業担当。「あぁ、IGAさん!」前日彼は駅前テントで東日本大震災支援の受付を行っていた。神出鬼没。そして彼も本職とは全く関係なく、イベントスタッフとして参加し、心から楽しんでいる笑顔。ビールを受け取り笑顔を返す。今年の女神まつりのテーマは「自由が丘から、ありがとう。」それはもちろん街から来街客へのメッセージであり、ふだん自由が丘の街がお世話になっている方々へのメッセージでもある。自由が丘の街を愛し、街を訪れていただくことへの感謝。大勢の来街客を迎えるスタッフの笑顔がその象徴。

CouponTicket由が丘らしい良いイベントだよね」お気楽妻も笑顔。このイベントのノリはまさしく学園祭。参加する客も迎えるスタッフも楽しめる。けれど、スタッフはプロ。飲食ブースの料理はもちろん本格的だし、イベント運営も手慣れたもの。セザンジュという可愛い制服を着た地元女子大生スタッフを街の案内役として主要拠点に配置し、赤い揃いのツナギを着た清掃スタッフに街を巡回させ、これでもかと分別ゴミ箱が置かれる。街は混雑していながらも実にきちんと統制され、ゴミも散乱しない。そして撤収も素早く、イベント開催前よりも街がきれいに現状復帰される。まさしくプロの仕事。来街者の気付かない細部まで目が行き届いたスマートな運営。実に見事。

年も楽しんだ。いつも通りに関心もした。こちらこそ。自由が丘に、ありがとう。そして思う。自分が関わるこの街のように、自分の住む街でもこんなイベントがいつの日か実現できないだろうかと。決して参加者だけに“閉じた”イベントではなく、街を挙げて、住民と街とが一体となる“開いた”イベントが。

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SINCE 1.May 2005