2月生まれに乾杯!「ORIGAMI」

ORIGAMIMenuる週末、お気楽夫婦は友人を待っていた。場所は赤坂山王、かつて星ヶ丘と呼ばれた一画。老朽化のため2006年にキャピトル東急ホテルとしては営業終了し、新たに2010年に竣工したザ・キャピトルホテル東急で再開されたコーヒーハウス「ORIGAMI」。名物料理パーコー麺などで知られるその店で、スカッシュのスクール仲間である友人と私の誕生日祝いをしようという企画。2人の誕生日は2日違い、5日と7日。当日は、毎年恒例の都内近郊ホテル宿泊で、お気楽夫婦は既にホテルにチェックインしていた。私の誕生日を祝うためか、単に自分が泊まりたいだけなのか分からない、妻からのプレゼント。

FishPorkめぇ〜ん。入口が前と変わったよね、うろうろしちゃったぁ(涙)」待つことしばし、友人が登場。まずはスパークリングワインで乾杯。「誕生日おめでとう♡」それに、今年もよろしく、だよ。「えぇ〜っ!そうだっけ?そんな気がしなかったぁ。では改めて、今年もよろしくお願いします」年末に会って以来の妻と友人、すっかり話に夢中。2人の代わりにメニューをチョイスし、レコメンド。2人にはお得なプレフィクス・メニュー、自分にはローストビーフ。2人にはそれぞれ魚料理と肉料からから1品選び、オードブルを含め3人でシェア。この店は、ホテルが建替えで休業中の間も赤坂見附の東急プラザに場所を変えて営業していた人気の店。(価格以外は)お気軽なコーヒーハウスなのに料理には定評がある。

Roastbeef PerformanceRoastbeefのパテすっごい美味しいね♬」「サーモンのマリネも良い感じだよ♫お皿を交換しようっ!」どれどれ、ふぅむ。確かに唸る味。なかなかの滑り出し。メインの鰆、萬幻豚のグリルもそれぞれかりっとジューシー。かなりの高得点、高水準。そしてローストビーフは目の前でシェフが切り分け、生のホースラディッシュをおろしてもらえる。う〜っ、これは旨い。本場と言われるロンドンで食べたローストビーフより何倍も美味しい。ホースラディッシュの香りが柔らかで濃厚なローストビーフと良く合う。味と香りと食感が絶妙なハーモニーを奏でる。幸せ気分になる一品。それぞれの皿を3人でシェアし味わう。カジュアルな店だからこそ許されるリラックスしきった食べ方。この店を選んで正解だった。

Presentぅ〜っ、美味しかったね」食事を終え、客室に会場を移して3人で2次会。再度シャンパンで乾杯。そして、プレゼントの交換。友人からはモエ・エ・シャンドンと、ヴァレンタインの前倒しだというMAJANIのチョコ。友人へはショコラティエ・ミキのボンボンショコラ。「きゃぁ〜っ!ありがとう。嬉しい〜っ♡」ショコラティエ・ミキのチョコが大好きな友人、期待以上の反応。「ところでね、どうしたら良いと思う?」苦しい恋を妻に相談する友人。相談する相手としてはいかがなものかと思うけれど、夜はまだまだ長い。じっくり話しなさい。2人の会話を聞きながら、独り持ち込んだシャンパンを飲み、持ち込んだチーズをつまむ。夜はゆっくり更けて行く。

れ?もう1本全部飲んじゃったの?」と妻。「うわぁたいへん、終電に乗らなきゃ!」と友人。いつの間にか、私の酔いと共に夜はすっかり深まっていた。自分の誕生日さえ忘れなければ、一生お互いの誕生日を忘れない2月生まれの2人。これからも、よろしく!

■お気に入りホテルカタログ「ザ キャピトルホテル東急

かえるの子はかえる『ろくでなし啄木』

RokudenashiTAKUBOKUる週末、お気楽夫婦は石田衣良の人気シリーズ『池袋ウェストゲートパーク』で知られる池袋西口に向った。IWGPの主人公、真島誠が店番をする実家の果物屋のモデルと言われている店は…などとこれ以上話の道草はせず、向ったのは東京芸術劇場中ホール。三谷幸喜が今年50歳になるのを機に、舞台、映画、小説などのジャンルを超えた新作7本を発表すると宣言。その舞台第1弾『ろくでなし啄木』の会場だ。出演は、藤原竜也、中村勘太郎、吹石一恵の3人芝居。主人公の石川啄木を演じる藤原竜也は、蜷川幸雄の舞台『身毒丸』でデビュー。お気楽夫婦は、その彼の初舞台をはじめ、NODA MAP『オイル』『ロープ』など何本かの作品を観ている。巧いし、華がある。お気楽夫婦お気に入りの良い役者だ。

演の二代目中村勘太郎と言えば、十八代目中村勘三郎の長男。2012年に父親の名跡を注ぎ、六代目中村勘九郎を襲名する予定。『あっぱれさんま大先生』で人気子役だった前田愛と結婚し、今年父親になるらしい。歌舞伎の名門に生まれながら、いや生まれたからこそ革新の舞台を創って来た父、中村勘三郎。コクーン歌舞伎や平成中村座を立ち上げたり、野田秀樹や串田和美と組み歌舞伎の上演をしたり、現代劇やTVドラマの出演も多い。お気楽夫婦は、何度も勘三郎(勘九郎の時代が多かったけれど)の舞台を観てきた。唾を飛ばし、全身汗まみれになりながら、巧さより先に舞台への情熱を感じる芝居が多かった。そんな勘三郎もお気に入りの役者の1人。その息子、勘太郎は2004年に出演したMODA MAP『走れメルス』で観ているが、その演技の記憶は薄い。どおれ、お手並み拝見。

RokudenashiTAKUBOKU2いた。藤原竜也が完全に食われていた。「はたらけど はたらけど猶 わが生活 楽にならざり ぢっと手を見る」などの歌で知られる夭逝の天才歌人、石川啄木。その啄木が実は女たらしで、借金を重ね、博打に女郎遊びにうつつを抜かし…などという“悪”の啄木を演じる藤原竜也の毒を、簡単に飲み干してしまう勘太郎。悪どい商売にも手を染めながら、現在は啄木のパトロンになっている香具師の役。巧さよりも分厚い存在感が舞台で輝く。藤原竜也とは異なる種類の華がある。その演技のあちこちにも父である勘三郎が透けて見える。実に良く似ている。鍛えられている。父親以上にセリフが安定していながら、弾けてもいる。歌舞伎の舞台を幼い頃から勤め、磨かれた演技、セリフ回し、滑舌、所作、身のこなし…。

えるの子は買える?いや、決して買えはしない。血が、伝統が、経験が、舞台が、子を鍛える。襲名は名を継ぐだけではなく、そんな歴史をも継ぐのだ。かえるの子は還る。そう、舞台で祖父を見て、父を見て、祖父の芝居に還り、父の舞台に還り、父と自らの名を振り返る。そして、新たな芸を育て自分の名前にする。歌舞伎は伝統芸能と言われるけれど、歌舞伎者は傾奇者。継承していくだけではなく、新たなものを取り入れて、革新を続けて行くのが歌舞伎。かつての中村勘勘九郎と次代の勘九郎、中村勘太郎親子の芝居を観て、その血の流れを感じた舞台だった。

ころで、吹石一恵は近鉄バファローズにいた吹石の娘だって知ってた?彼女も初舞台とは思えないほど巧かったよね。「え?この前亡くなった親分?」と妻。それはもしかして、大沢啓二のことで、娘ではなく孫の大沢あかねと勘違い?「え?大沢あかねって誰?」劇団ひとりと結婚した…もう話の道草は止めよう。

映像に弱い?お気楽夫婦の食卓「ぶりしゃぶ」

Kan-buri曜日の朝、お気楽夫婦が決まって視るTV番組がある。朝日放送系『朝だ!生です旅サラダ』である。神田正輝(番組スタート時は草野仁)と向井亜紀のメイン司会、生中継担当のラッシャー板前は番組スタート時からほぼ変わらず、マンスリーゲストの海外の旅、週替わりのゲストの国内の旅の紹介という構成も不動。以前は竹内都子の「宿かり日記」というホテル・旅館の紹介が中心だったコーナーから、三船美佳の「元気な散歩道」(本日、2/5放送分から「日帰りハッピー」に変更)という商店街などを訪ねるコーナーに変わったぐらい。1993年から続く長寿番組と言っても良い、週末の旅番組の王道。お気楽夫婦は、旅の情報、宿の情報を得る貴重な時間として毎週楽しみにして視ている。

の番組でもうひとつ、欠かせないのがラッシャー板前の存在だ。彼が担当するのは、全国各地の特産物などを求め、現地から生中継するコーナー。かつての熱湯CM系のたけし軍団リアクションの伝統を受け継ぎ、中継レポートのリアクションをきちんと芸風として保持し続ける。例えば、熱々の鍋の具材を頬張り、「あぢぢっ!」と見事に視聴者の期待に応える。あれである。そして、朴訥としたラッシャーの顔つきに日本各地の漁師さんや農家のおばちゃんたちが実に絡みやすい、ほのぼのコーナー。実に美味しそうに食べるラッシャーを「あ痛ったぁ〜!」と応える神田正輝というお約束も微笑ましい。本気で悔しかったのか、最近は「神田正輝の日本全国 コレ!うまかろう!」などというコーナーを新設し、スタジオでも美味しいモノを食べ始めた。…それにしても、こうして書いてみると、きちんとこの番組を視ているなぁ、ウチ。

Buri-Shabuる週末、生中継のコーナーで紹介されたのは富山県氷見市の寒ブリ。魚市場で紹介された活きの良い立派なブリをその場で調理してラッシャーが食べる。厚切りの刺身で食べようとすると、脂が醤油を弾いてしまう。脂の乗ったブリがぷりぷりと美味しそう。そして、薄く切った切り身をさっと湯を通して食べる“ぶりしゃぶ”も、実に旨そうだ。今年はブリが豊漁で、例年の1/2から1/3の値段で良いブリが買えるらしい。ん、今日はこれだっ!よしっ、行くならあの店だ!…お気楽夫婦の住む街には、1軒だけ昔ながらの魚屋がある。駅前の戦後間もなくからあるような“マーケット”の一画。大きなガラスのショーケースの中には、季節毎に新鮮な魚介類が並ぶ。干物も絶品で、かつて誘惑に負けて自宅では禁じられている焼魚(それも煙がすごいメザシ)をこっそり食べてしまい、妻に嫌な顔をされたことがある。

っそく、魚屋(2人はただそう呼んでいる)に向うお気楽夫婦。ショーケースに寒ブリは並んでいないが、店の奥に富山産鰤と書かれた箱を発見。ぶりしゃぶ用に切ってください!「はいよ!だったら背中の方が良いね。何人前ぐらい?」2人分で。鮮やかな手さばきで切り分けられて行く立派なお姿のブリ。ラッシャーのように中継したいぐらい。豪快に切られた切り身はちょっと厚めだが、実に美しく輝いている。よし、後は昆布だ。普段全く料理をしない2人。昆布も新たに調達だ。そして、いよいよ夕食の時間。ゼータクにダシを取った鍋にブリの切り身をさっと通す。橙色の鮮やかな身が、表面だけうっすらと白くなる。今だ!火を通し過ぎてはいけない。ぱくり。うっ、うまぁ〜い!脂が程よく抜け、さっぱりとしたブリの食感はとろけるようだ。たっぷりの卸ダイコンと柚子の香りが食欲をそそる。良いねぇ。冬は鍋だね♡寒ブリだね♪

れにしても、映像に弱いお気楽夫婦。ある時は『食彩の王国』を視て夕食のメニューを決め、またある時は『アド街ック天国』を参考に街を訪ねて食事をする。「早い話がミーハーってことだね」う〜むむ、言われてみればそうかもしれない。影響され、実行し、ブログにまで書き込んでしまう。番組制作社やスポンサーにとって、実にありがたい存在の2人だった。

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SINCE 1.May 2005