吃驚(びっくり)ホテル「AliIa SCBD & Park Hyatt Jakarta」

Jakarta01Jakarta02直に言うと、ジャカルタの街も、宿泊するホテルもさほど期待はしていなかった。バリに向かう経由地として航空券が取りやすかった、だけだった。ところが、ナイトフライトで早朝にジャカルタ空港に到着し、そのまま向かった最初のホテル「Alila(アリラ) SCBD」のフロントで吃驚(びっくり)。朝の6時にも関わらず、笑顔と共に迎えられ、そのままチェックイン!アップグレードされた広めの客室に通された。何と素晴らしい!さっそく荷解きをして、ホテルの向かいにあったPaul(妻が目ざとく見つけた)で買ったパンで朝食。旅の始まりとしては最高の滑り出し。良い旅になりそうな予感。

Jakarta03Jakarta04室は55㎡のプレミアムルーム。2面が大きなガラス窓。バスルームとシャワールームも足元まで窓ガラス。開放的で明るい造りだ。ソファもやたらと広く(デイベッド?)、街を見下ろしながらのんびりと読書ができる。ホテルの場所はSCBD(Sudirman Central Buisness District)という新都心の高層ビルに囲まれた、それでも緑豊かなエリア。すぐ隣のビルには大きなスーパーやショップ、飲食店が入っていて、やたらと便利。悪名高い交通渋滞もホテルの窓から見下ろしている分にはとても興味深く、むしろ車やバイク、人の動きが楽しい。シャワーの水圧が低かったり、バスタブのお湯の排水がやや悪いのはご愛嬌。これも許せる範囲の個性か?と鷹揚になれる。

Jakarta06Jakarta05食は軽く済ませようとラウンジ代わりのレストラン「Vong Kitchen」に向かう。ハイアットグループの会員カテゴリーのグローバリスト特典として、カクテルタイムに1ドリンク+軽食が供されるとチェックインの際に聞いていた。ところが、選んだ料理がやって来て吃驚。少食の2人にはそれだけで充分な大きさのピッツア、サラダ、オードブルにデザートまでが軽食とは言えないボリューム。軽く済ませるどころか、すっかり満腹。さらに、翌日の朝食でもサプライズ。オーダービュフェに加え、メッセージ付きのフルーツプレートがスタッフの笑顔と共にやって来たのだ。吃驚×吃驚。

Jakarta07Jakarta08気楽夫婦の最大のお気に入りポイントは、ジム&プール。明るく広々としたジムエリアは、有酸素系マシンの充実ぶりはもちろん、バトルロープなどレアなフィットネス器具もあり、筋トレ好きとは言えない2人も興味津々。すぐに飽きたけど(汗)。ビルの谷間にある屋外プールは、周囲からの視線が気にならない絶妙な場所で、ラッププールとジャグジーが並行に配置される。眺めて良し、プールでウォーキング(泳ぎは苦手)しても良し、のんびりジャグジーに浸かっても良し。「良い街だし、良いホテルだね」と妻が早々に高評価発言。確かにまた訪れたくなるオシャレで個性的で魅力的なホテルだ。

Jakarta09Jakarta10路に立ち寄ったのは、2022年開業の「パークハイアットジャカルタ」。バリの滞在は「グランドハイアットバリ」という古い(1991年開業、2015年改装)ホテルだったため、比較するとパークハイアットの最新設備(都市型とリゾートの違いはあるが)が際立った。その上、滞在したのがパークスイートデラックス(127㎡)という広々とした客室だったため、ホテルフリークのお気楽妻は吃驚+ハイテンション。角部屋の2方向全てが床面までの大きなガラス窓。インドネシア独立の象徴であるオベリスク「モナス」を見下ろすロケーション。スモッグに覆われたジャカルタにあっても豪華で爽快な客室だ。

Jakarta11Jakarta12室にはハイカウンタの大きなダイニングテーブル、ソファコーナーが2ヶ所も!!ある上に、 最も眺めの良い客室のコーナーには革製のラウンジチェアがある。どの場所も明るく、落ち着いて読書することができる。*貧乏性のワタシは全ての椅子やソファの座り心地を試してみた(笑)。床までガラス窓はバスルームも同様で必要以上に明るい。ビューバスはもちろんシャワーも窓に面し丸見え。向い合せのツインボウルも使い勝手が良く、タオルを掛ける場所も複数あり(意外に重要)便利。ここよりも広い客室にも泊まったけれど、機能的で無駄がなく便利だしスタイリッシュだと妻の評価も高い。

Jakarta13Jakarta14らにお気楽夫婦の評価を高めたのは、プールとスパ。プールはジャカルタの街を見下ろす35階の屋上にあり、落とし気味の照明がちょっとオトナのプールの上には屋根があるがプールサイドの壁は開き、プールに続くデッキスペースは完全なオープンエア。プールバーはベランダと室内の席が半々。実に開放的でオシャレ。ガシガシと泳ぐプールと言うよりは、眺めて楽しみ、デッキで読書をする2人にはぴったりなプールだ。その日もウォーキングでプールを2往復程度、その後にデッキチェアでリフレッシュドリンクをいただき(無料!!)、のんびりジャグジーという極楽コースを堪能した。

Jakarta15Jakarta16して何と言っても妻に再訪を決意させたのは、ダイニングの充実っぷり。グローバリスト向けのカクテルタイムのドリンク&オードブルも、朝食のプレゼンテーションも素晴らしい演出。特に朝食の「ダイニングルーム」は、明るく清潔なオープンキッチンと料理コーナー(これがまた美味しそうなディスプレーなのだ!!)が一体となり、広々としたスペースが心地良い。オーダー式のビュフェスタイルで、卵料理やワッフルがスタッフによってサーブされる。スタッフの対応も和かで素晴らしい。料理の美味しさが倍増する。「これは参ったね」と妻の最高評価発言が飛び出した。

「吃驚だね。ちょっと舐めてたね、ジャカルタ。すまん、すまん。また来なきゃだね。次はパークハイアットと、グランドハイアットも行ってみなきゃだね」と妻。こうして辛く苦しい(笑)ハイアット修行の旅は続くのだった。

会いたい、行きたい、食べたい旅「GW’23②名古屋・浜松」

Nagoya Hamamatsu01古屋にはかつて前職の新規拠点立上げで長期出張していた。名古屋メシなどということばもなく、東京ではまだ知られていなかった名物の手羽先を「うみゃあ、うみゃあ」と言いながら毎晩のように食べていた。その頃に仕事でお世話になったKさんと、久しぶりにお会いしたかった。彼は若い頃、某バンドのメンバーとしてデビューし、地元では(そこそこ)有名だったらしい。けれど私にとってはスケベなおやぢ以外の何者でもなく、それもスケベ発言もセクハラにならない周囲に愛されるおやぢだった。現在はスタジオ運営で縛られており、時間を取るのが難しい。そこで、SNSで繋がっていつつ面識のない妻を撒き餌にした。すると見事にKさんが釣れた。病気の話題が増えた以外は、全く変わっていなかった。相変わらず物言いがストレートで、人間味溢れた魅力的なジジイになってらした。どちらかの(笑)葬式の前に妻を紹介できたし、おまけに(失礼)妻の元上司のIさんにも会えた、楽しく満足の夜だった。

Nagoya Hamamatsu03Nagoya Hamamatsu04えらい楽しかった。Eちゃん(お気楽妻のこと)可愛い59歳(これ余分笑)」「こちらこそ。いい歳の重ね方だなーって思いました」「Eちゃん素晴らしい人です」Kさんとお気楽妻がさっそくSNSでやり取り。すけべ心と女性に対する気遣いは健在。やっぱり変わらないKさんに安心♬ そんなどえらい楽しかった翌日は、妻のオススメ明治村へ。観光などほとんどしない2人にとっては珍しい行動。やや乗り鉄の気配がある2人は名鉄の車載モニター付き(走行スピードが表示される)特急にワクワク。妻は何度目かの、私は初めての明治村訪問。正直に言います。ちょっと明治村を舐めてました、私。ところが…。

Nagoya Hamamatsu05Nagoya Hamamatsu06治村、本物でした。“本物の価値を残す、伝える”というコンセプトそのままに、壊される運命だった建築物を残す。と、ことばにすると簡単だけれど、現地に行ってそれらの建築物を見ると、その揺るがない方針と運営の見事さに驚く。移築するだけではなく、周囲の移築済みの建物とのバランスを考慮し、自然の森の中に溶け込ませる。そして自然と共生した街そのものが博物館となり、公園となり、巨大なオリエンテーリング会場となる。当日も何千人もの小中学生が園内を歩き回っていた。中部地区の教師たちにとっては放し飼いOKの貴重な学習の場なのだろう。ワカモノたちも楽しそう♬

Nagoya Hamamatsu07Nagoya Hamamatsu08治村の白眉は、何と言っても「旧帝国ホテル ライト館」。と言うより、私はこのライト館しか知らなかった。実は明治村を舐めていたのは、これだけしか知らなかったから。大いに反省。そして、名建築とはかくも人を魅了するのかと再認識。建物だけでなく、インテリアの細部までライトの意匠が溢れる。直線の組み合わせでこれ程多彩なデザインが生まれるのかというバリエーション。そしてリズミカルで遊び心のあるデザイン。ホテル好きのお気楽夫婦としては、このホテルが現役の頃に、中央玄関だけでも圧倒されるこのホテルの全貌を眺めてみたかった。そして勿論泊まってみたかったと夢想。

Nagoya Hamamatsu09Nagoya Hamamatsu10古屋を後にした2人は、お気楽妻の生まれ故郷浜松へ。元々はGW恒例の妻の帰省にルートを大きく迂回して(大き過ぎ)金沢、鯖江、名古屋を経由して旅してみようというのが今回の企画。妻の故郷ではちょうど「浜松まつり」が開催中。4年ぶりに市中で「御殿屋台」の引き回しが行われる(さらに「どうする家康」で主役で出演中の松潤が来訪)とあって、期間中の来場者数は255万人(コロナ前に戻ったというより、20年間で最多だったらしい)!だったとのこと。久しぶりに本来の祭りの姿が戻ったことで、街中で参加者の笑顔が溢れ、お気楽夫婦も自然と笑みが零れる。賑やかな街は良いなぁ、やっぱり。

Nagoya Hamamatsu11Nagoya Hamamatsu12気楽夫婦は浜松滞在中に行っておきたい店があった。3代100年続く老舗「割烹弁いち」だ。15年ほど前に初訪問。季節ごとに全国各地から取り寄せた食材を使った見目麗しい料理と、店主が料理に合わせて選んでくれる日本酒との組合せの素晴らしさに感涙。それ以来、帰省の度に訪れ、毎年のお節料理もお願いしているお気に入りの店だ。その日も店主の鈴木さんに勧められるまま、日本料理と日本酒のマリアージュを堪能した。伺う度に酒が飲めない妻を笑顔にさせ、飲んべの私を満足させるこの店は、まさしく旅の目的である、行きたい、食べたい、(店主の鈴木さんに)会いたいが叶った店だ。

Nagoya Hamamatsu15Nagoya Hamamatsu16気楽妻の生まれ故郷浜松で会いたいのは、もちろん義父母。2人で穏やかに生活し、決して溌剌と元気な訳ではないが、大きな病気も怪我もせず、年に何度かのひとり娘の帰省を楽しみにしている。その時間を大切にするために、ワタシはひたすらマスオさんに徹する。外食の手配(今回はご近所のウナギ屋)をして、毎食のメニューを考え、滞在中はひとり台所を預かる。さらには妻と一緒に部屋の大掃除(普段彼らがやらない場所)やら買物や洗濯などの家事代行(笑)の日々。義父の運転免許証も返納し、すっかり出歩かなくなった2人の散歩もサポートする。ある意味介護の準備であり、予行練習でもある。

「彼らもいつまでも元気って訳にはいかないからね」と、妻のことばはドライなようで優しい。子供のないお気楽夫婦だからこそ、いろいろと心配を掛けた親に向けて愛情をお返しすることができるのは嬉しいし、2人が元気でいてくれる今が有難い。そう、やっぱり「会える内に」会いたいのは、もちろん義父母だ。

会いたい、行きたい、食べたい旅「GW2023①金沢・鯖江」

kanazawa01kanazawa02活ということばは余り好きではないけれど、タイミングを逃さず、会いたい人に会い、行きたい場所を訪ね、食べたいものを食べることを心がけている。今年のGWは、そんな旅をした。北陸新幹線でまずは金沢へ。車窓の風景を眺めるのが電車旅の醍醐味のひとつだけれど、このルートの山々を望む風景は素晴らしい。高崎に近づくに従って赤城山の雄大な姿が望めるし、軽井沢に向かう途中で妙義山、その先に浅間山、善光寺平からの北信五岳が実に美しい。そしてクライマックスは富山平野から眺める立山連峰だ。そしてさらに金沢には旅のもうひとつの楽しみ、美味しい酒と料理が待っている。

kanazawa03kanazawa04沢駅に到着し、ホテルにチェックインする前に向かったのは駅ビル「あんと」の中にある「黒百合」と言う金沢おでんで人気の店。コロナ禍前、前回訪問の際には余りの行列の長さに入店を諦めた店だ。夕食には少し早い時間帯ということもあり、整理券ももらうこともなくスムースに入店。作戦成功。まずは、車中でずっと仕事をしていた妻に遠慮して、飲むのを我慢したビールをぐびり。お預けの時間が長かった分だけ更に旨し。そして待望の金沢おでん。スジ煮込み、ダイコン、タケノコなど、タッチパネルで選んだネタがあっという間に供される。柔らかく優しい出汁をまとった旨うまおでんだ。

kanazawa05kanazawa06の拠点となるホテルは、2度目の滞在「ハイアットセントリック金沢」。もちろん、ハイアット修行の一環だ。前回と同様にポイントでスイートにアップグレード。室内はウォークスルーのレイアウトで実に快適。金沢らしい弁柄の壁紙や館内のあちこちに配されたアートが楽しい。早めの夕飯の後だからとホテル内の「ルーフテラスバー」に向かう。ここはどこだ?というくらい、店内の客はYouばかり。Youがオープンエアのテラス席が好きなのは世界共通。お気楽な2人も、テラスのソファ席でまったりと金沢の暮れなずむ空を楽しむ。そして改めて生ビールをぐびり。良い旅のスタートだ。

kanazawa07kanazawa08日は金沢の街歩き。以前訪れた際に「ひがし茶屋街」「にし茶屋街」を歩き、その風情に惹かれたものの、少し違和感があった。何故だろうと考えてみて分かった。何だか映画のセットを歩いているような気持ちになるのだ。街の人が暮らしている気配はなく、観光客向けの土産物屋や飲食店の街なのだ。ではと、今回は「主計町(かずえまち)茶屋街」に向かう。鏡花通りを歩くと、昔からそのまま住み続けている風情の町家が佇み、良い感じ。「柳宗理記念デザイン研究所」に立ち寄り、彼の足跡を辿る。柳宗理は50年に渡り金沢美術工芸大学で教鞭をとった金沢所縁の人とのこと。ふむふむ。

kanazawa09kanazawa10計町茶屋街は浅野川沿いに昔ながらの料理屋や茶屋が立ち並ぶ風情ある街並み。記念館になっている泉鏡花の生家、鏡花が幼い頃に遊んだという「久保市乙剣宮(くぼいちおとつるぎぐう)」、その横から茶屋街に下る「暗がり坂」など、細い路地を歩いていると、まるで鏡花が生まれた明治の頃にタイムスリップしたような感覚に陥る。他の2つの茶屋街と異なり広くはない街でもあり、団体の観光客も少なく、裏通りの路地はひっそりとして、そぞろ歩くにはぴったり。好きだなぁ、こんな街並みと呟くと、いいね、と妻も呼応する。桜の頃や夜の食事のためだけにでもまた訪れたい街だ。

kanazawa12kanazawa14沢の魅力は食にもある。前回の訪問の際にはゼータクに料亭と回らない寿司屋だったが、今回の旅はお気軽に食べるのがテーマ。妻の卒業後に長期滞在する街候補地の下見も兼ねているから、暮らすように旅する、普段使いのように食するのが基本スタンス。その日のお昼は兼六園横の茶屋で蕎麦と治部煮。散策途中の休憩で一服。近所を散歩したついでに立ち寄りましたという風情を演出。翌日のランチは回る寿司屋の姉妹店。地元の人で大行列の回転鮨屋を諦めて、お隣の系列店でいただいたお手頃ランチでも十分満足。更に寿司の上に金箔をあしらう辺りが金沢っぽく、旅人心をくすぐる。

kanazawa16kanazawa15の訪問先は、鯖江。一般的には「めがねのまち」だけど、お気楽夫婦にとっては大切な友人夫妻の住む街。前回の訪問から3年、お互いに久しぶりの再会前からワクワクだの、どきどきだのと、メッセージをやり取り。可愛いったらありゃしない。改札を出ると2人が迎えに来てくれているから、思いっきりハグ♬コロナ退散(まだ?)万歳!! 前から食べたかった福井名物「ソースカツ丼(絶品!!)」を堪能した後は、彼らオススメの「西山公園」へ。ツツジの名所とのことだけれど、まるでお気楽夫婦の到来に合わせたように満開。こんなツツジ見たことないぞっ!という絶景。街を挙げての歓迎(?)は感動モノ。

「いい時間だったなぁ♬ 途中下車して良かった」妻が珍しくストレートな感想を溢す。会っていないのにお互いにSNSで近況を知り合い、緩やかに繋がっている今だからこそ、会える時に会うことの嬉しさが増す。コロナ禍(終わってないけど)を経て、会えることの有り難さを実感する。だからこそ、きっとまた会おうね♬ 「行きたい、食べたいも、泊まりたい!も、だね」卒業間近の妻の鼻息は荒い。

002184422

SINCE 1.May 2005