暴飲暴食の街、初見参!「グランドハイアット香港」①
2005年 5 月07日(土)
初めて香港を訪れたのはクリスマスの頃だった。“魔窟”と呼ばれた九龍城塞が解体される前に行きたい、という思いは叶わなかったけれど、返還前の啓徳空港に降り立つことはできた。テーマは「香港を食べに行く」というものだった。その年に発行された「太陽」の特集のタイトルそのもの。その特集は、食通として知られ、その後ご自身でプロデュースするレストランビルまで作った作家の祭瀾さんが「暴飲暴食の芸術」という、魅力的なタイトルのエッセイを寄せていた。これだ!我々も芸術的とまでいかずとも、魅力的な“暴飲暴食”をしてしまおう!…無謀な夫婦は思った。
特集のお店紹介の写真は菊地和男さん。この人の撮る写真には、味も香りも一緒に印刷されている。一目見たら、食べに行かずにいられないというシズル感たっぷりの魅惑のショット満載。結果、その特集に掲載された多くの店に行くことになるのだが。…そんなバイブルを手に、初めての香港の街を訪れた。
宿泊先は君悦酒店(グランドハイアット香港)。ホテルがある灣仔(ワンチャイ)からは、お目当てのレストランが散在する中環(セントラル)や、尖沙咀(チムシャーツイ)に行くにも便利。「港灣壹號(ワン・ハーバー・ロード)」という広東料理の名店もある。シャンパン・バーという魅惑的な名前の付いたバーもある。食い倒れ旅行にはぴったりだ!ホテルを選んだ理由は単純でストレートだった。そして、その時はまだ、自分たちの犯す過ちを知る由もなかった。
北西側の窓からは、スターフェリーの発着やヴィクトリア湾の夜景が見渡せる。隣接するコンベンションセンターは返還の式典に向けて急ピッチで工事中。(初めて見たときに驚愕する例の“竹の足場”で覆われていた)そしてベッドサイドには、ウェルカムチョコレートがたっぷりと。これだけでも妻はご満悦。幸先の良いスタートだ。(続く)