六丁目の朝日と『三丁目の夕日』

Photoお気楽夫婦の住むマンションは、世田谷の西の外れ。駅から歩いてすぐのランドマーク的な建物だった。しかし周囲には高層ビルも増え、入居した頃に比べると眺望はすっかり失われた。それでも最上階の通路から眺めると新宿のスカイスクレーパーが間近に見える。

Photo_2この展望台(?)からは、朝日が昇る頃、夕日が沈む頃、煌く夜景などをそれぞれ楽しむことができる。地図が好きで、高い処が好きで、サバンナのマサイ族のように(矯正視力ではあるが)遠くまで見渡せる妻にとっては絶好のエンタテインメントポイント。

Photo_5ある日、友人夫妻と出かけた秋の高尾山。夏は「高尾山ビアマウント」というビアガーデンになる展望台で遥か都心を皆で眺めた。「あ、東京タワー♪」妻が指差す方向を3人で見ても、晴れ上がったクリアな秋空の下、それでもぼんやりとした建物の塊としか見えない。

「あれが初台のTOCだから、そこから右方向に六本木ヒルズが見えて、そのすぐ横に見えるよ」…ん?オペラシティまではなんとなく分かった。六本木ヒルズも言われてみればずどんとでかい建物がそれだと分からなくはない。しかし、その横に赤いはずの東京タワーは…見えませんが。「うわぁ~ほんとだ!見えた♪」いつの間にか望遠鏡にかじりついた友人が子供のように歓声を上げた。妻の視力は望遠鏡並みということか。

Photo_4先日『ALWAYS 続・三丁目の夕日』を観た。“東京の空は広かった”と映画の惹句にあるように、日本橋の上空は広く、東京タワーから眺める東京の風景はクリアだった。しかしある新聞によると当時の都内の空は煤煙で濁り、現在の方が余程きれいだと言う。

確かに高度成長期の空や水は経済優先の犠牲にされた。あるいは汚染に対する消極的な無知。ちょうど現在の中国の状況のように。価値観が変り、情報や知識がきちんと伝わることで守れるものも防げるものもあり、またその限界もある。かつてより澄んだ東京の空気は石原都知事の政策による(ちょっと傲慢だけど)都内に入る車の規制の成果でもあるだろうし、排ガス規制や、世界的に進んだ公害対策の効果でもあるだろう。

ところで、昨年は妻の実家近くの温泉旅館で年末を過ごした。浜名湖の夕日で年を納め、2人が住む街、六丁目の朝日で1年が始まった。今年は…。「あれ?まだ締めくくるには早いんじゃない?クリスマスもあるし、まだまだ忙しいよ!」遠くまで見える視力を持つ妻は、(時間的に)遠い先を見ずすぐ近くを見る。空間的には遠くまで見えるのに、時間的には遠くを見ない。「だって先のことを考え過ぎても仕方ないじゃない」目先のことは妻が、その先のことは私が担当。こんなバランスで2人の1年が今年も過ぎて行く。

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  1. 日田温泉 旅館 亀山亭ホテル


    日田温泉 亀山亭ホテル-九州大分県日田市-

    大分県にあるやすらぎと味の宿 日田温泉 亀山亭ホテル
    でございます。創業百二十余年になる老舗で、
    夏秋は鵜飼いと屋形船。特に、8階展望風呂の
    夕陽の眺望がすばらしい。

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