Archive for 6 月 18th, 2011

アカルイ入院生活「アキレス腱手術」

Shiseikaiく言えば鷹揚な、あるいは剛胆な、有り体に表現すればノリの良い先生だった。「確かに手術する方法と、しないという選択があります。もちろんどちらにもリスクはある。再断裂の可能性は手術の方が若干低くなるかな」スカッシュの試合中にアキレス腱を断裂。救急車で運ばれ、応急措置の後に自宅に戻り、妻は懸命にアキレス腱の治療方法についてネットで調べていた。「手術を選びます」迷いはなかった。それは何よりもコートに戻りたいため。スカッシュをやりたいがため。「だったら明日ひとつ空きができたんで、手術は明日。あとは病室が空いてるかどうかだなぁ」調べるとその日の朝に退院した人が2人いたらしく、空きがあるとのこと。「断裂した後の手術は早い方が良いからね。すぐに手術できるって、珍しいことだよ。じゃあ、さっそく入院手続きをしてください」受付から3時間待って、診察は僅か数分。そして、その日のうちの入院と翌日の手術が決まった。

院手続きと検査がありますから、この順路で回ってください」整形外科のスタッフから指示を受ける。病院内で食事はできるか尋ねると「あぁ、だったら検査の前に食べた方が良いわね。余計に歩かなくて済むから、じゃあここを真っすぐ行って…」担当医のキャラは周囲に影響するのか、命に直ちに関わる症例の少ない整形外科の特性なのか、とてもフランク。外科、泌尿器科、産婦人科など診療科ごとに待合室にいる患者たちの醸す雰囲気が違う。慣れない松葉杖をぎこちなく操りながら妻と病院の食堂に向う。さぁて、これからどんな作戦で臨もうか。「まず、入院に必要なものをメモするね」妻は初めての入院、初めての手術。なのに臆することなく、いつもの通りぱきぱきと物事を処理して行く。「会社からパソコン持ってこられると良いんだけどねぇ」おいおい、病室で仕事かい。「個室だったら周りを気にせず仕事できるんだけどなぁ」確かに4人部屋しか空いていなかったけれど、私が気にしてるのはそんなことではなく…。「着るものはスポーツウェアの方が良いね。パジャマを兼ねられるし、動きやすいし。なんだか合宿みたいだね♬」ん?もしかして、ちょっと楽しんでいやしませんか。

Opemaeントゲン、血液検査などを終え、入院手続きに向う。病室は明るく大きな窓がある。「窓際にしましたけど、入口に近い方が良いですか」担当のナースの説明に「入口の近くにしてください」と妻。「窓が明るいと、朝早く目が覚めちゃうからね」と説明し、「こっちの方が仕事しやすいかな」と呟く。あくまで病室はサテライトオフィスと認識しているらしい。妻が書いた入院生活に必要なモノ一覧の1行目には、パソコンと記してある。やれやれ。自宅に戻り、入院備品一式を揃え、再び妻の待つ病院に向う。「手術は明日の午前中の3番目らしいよ。と言っても昼過ぎになるらしいけど」夕食までにシャワーを済ませることになる。アキレス腱を切った左脚を大きなビニール袋で被い、濡らさないようにガムテープで巻く。退院しても同様のやり方でシャワーだけ許されるらしい。2人は素人のケガ人と介護人。慣れずに危なっかしいながらもシャワーを済ませる。ふぅ。こんな生活が毎日続くのだ。

nyuinshoku術の当日、昼過ぎまでに自宅で仕事を済ませ病院に向う。初めての点滴を受けながらベッドの上でパソコンに向う妻。「ここ静かだし、電話も入らないから仕事が進むススム!」満足そうに妻が微笑む。「昨日なんて11時過ぎまで仕事できたし」突っ込む気にもならず、手術の順番を待つ。「お待たせしましたぁ。さぁ行きましょう」やはりノリの良い当直ナースが妻を手際良く手術室に運ぶ。長い廊下の突き当たりに明るい手術室。「はい、ご主人はここまでです」「じゃあね」と妻。頑張ってと言うと「頑張るのは先生だから」と軽く答える妻。まぁ、そりゃそうだけどね。妻が手術室の扉の向こうに消え、病室に戻り待機。本を読みながらも落着かない。「はい、終わりましたので、いらしてください」再び向う手術室。「ご家族の方はこちらでお待ちいただいて、先生から説明があります」ん、例のやつだ。手術は成功ですが、残念ながらガン細胞が全身に…とか言われて愕然とするヤツだ。

こにすたすたと先生が現れる。「あぁ、手術は上手く行きました。本人も退院したいと言ってらしたから、明日退院なさっても良いですよ」え?昨日入院して、手術した翌日に退院ですか。良いんかい。本人も、って部分麻酔の患者とそんな会話をしたんかいっ。「うん、明日会社に行くよ。麻酔が切れると痛みがあるっていうから痛み止めの薬はもらったし」そういう問題か?…こうして僅か2泊3日の入院生活が終わり、慌ただしい介護と痛勤の日々が始まった。

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