魅惑の三角地帯へ♬「アバスク」

TodaKeikoAbasque谷2丁目に、ずいぶん前から気になっている店があった。六本木通りと青山通りに挟まれた渋谷2丁目の東側の三角地帯。ここ数年、人気の飲食店が増えた話題のエリア。そのエリアにある会社に1年だけ籍を置いていた。六本木通りと八幡通りの交差点にある半地下の店、「アバスク」。店名通りのバスク料理の店。2007年の開店直後、その店の佇まいと店頭に貼り出されたメニューに、気持が引っかかっていた。その後、仕事の本拠地を自由が丘に移したため渋谷2丁目とは縁遠くなり、未訪問のままに時間が経った。

AnchoïadeSaladeんなある日、青山円形劇場で芝居を観終わった後、アバスクに行ってみようと閃いた。青山通りを渡り、八幡通りを六本木通りに向かってのんびり歩く。馴染みの店が変わっていたり、元気に頑張っていたり。沖縄チャイナの店「TAMA」、シチリア料理の「ドンチッチョ」など、また行かねば!の店が並ぶ。左手に「渋谷区渋谷四丁目五番五号」という「渋谷エコセンター」の巨大看板が見えたらゴール。通りを挟んで向かい側の松下ビルの1階。見た目はレストランというよりはお気軽なカフェの風情。

AgneauTripeアを開けると小ぢんまりとした店内はほぼ満席。カウンタなら空いているとの案内に了解。メニューを眺めていると、ソムリエバッジを付けたサービススタッフが丁寧に説明してくれる。押し付けがましくない柔らかなトーンで、プリフィクスのメニューがお得だとのこと。なるほど。アラカルトの組合せよりも確かにお得。それも1.5人前ぐらいだから2人でシェアし、足りなかったら追加という作戦を勧められる。なるほど×2。小食の2人にはぴったり。すると窓際の席が空いたからと案内される。好感度アップ。

VinBlancSorbetスクは独立運動で長らく紛争が続いた、フランスとスペインの国境付近の地域。フランスにもスペインにも属さぬ独立した国家を求めるバスク。けれどもバスク料理は両国の良いとこ取り。有機野菜のアンショイヤード(アンチョビソース)、バスク風トリップのトマト煮、子羊のグリエなどをチョイス。やや不満は残るものの、概ね満足の味。アバスクサラダに添えられた砂肝のコンフィは絶品。ワインの品揃えも、小さな店の割には充実。バスク地方のワインも揃えられている。料理やワインのお値段も手頃。

の店はなかなか良いんじゃない?ランチも再開するみたいだから来てみようかなぁ」iPhoneで検索しながら妻が(ちょっと上から目線で)呟く。何しろ彼女の働くオフィスは目の前。調べてみるとミシュランの星を2010年から3年連続で獲得。その時のシェフは独立し、若いシェフに代わって1年ほどになるとのこと。オーナーは接客を担当してくれた方らしい。おしっ、バスク料理の何たるかを知るためにも再訪してみよう。それにしても、美味しい店が増えたと噂の渋谷2丁目。まだまだこんな店がありそうだ。魅惑の三角地帯の探検だ!

美味しいリゾート「シックスセンシズ・コンダオ」

Restaurant2Restaurantゾートの愉しみは食事にもある。シックスセンシズ・コンダオのレストランは2つだけ。朝食は7:30から。お気楽夫婦は毎朝自転車に乗って出かけた。毎朝ほとんど一番乗り。健康的な2人。「シンチャオ!」すっかり顔馴染みになったスタッフに案内されるのは、初日に迷って決めた席。「奥さまはコーヒー、ご主人はブラックティですね」しっかり覚えてもらったらしい。アーリーバードの日本人夫婦。ビュフェスタイルの朝食はメニューが豊富。フレッシュジュース、生野菜やフルーツが美しく盛付けられている。

JuiceEggBenedictッグベネディクトお願いします♬」妻はお約束のメニューをオーダー。ある日はワッフル、あるいはフレンチトースト。どれも妻の定番。そしてどれも高水準。屋台風に演出されたフォーもかなりの美味しさ。パクチーやミントをたっぷり乗せ、ライムを絞って食す。ん、んまい。そこに毎朝ドンペリのロゼをオーダーする家族が登場。いつものテラス席に座り、小さな息子はパッションフルーツだけを食べ、父親はひとりピンドンを飲み、奥さまはバギーに乗った幼子をあやす。不思議と嫌みにならないセレブな風景。

LunchLunch2ンチはプールサイドで。ある日はマーケットと呼ばれる一画にあるデリ「Deli’cious(ネーミングがナイス!)」のサンドウィッチを持帰り。ヴェトナム風のバゲットにバラエティに富んだ具を挟む。コールスローなどのサラダ付き。部屋に備え付けの食器に盛付け、プールサイドの小さなテーブルに並べる。これが実に美味しいのだ。ビールにぴったり。またある日は、ヴェトナミーズレストランの料理でイン・ヴィラ・ダイニング。野菜たっぷりの香ばしい焼きヌードルなど。これまたビールにぴったり。

VietnameseNoodle々ヴェトナム料理が大好きな2人。二子玉川の「ジャンズ」、六本木の「ベトナミーズ・シクロ」など馴染みの店も多い。そんな2人が、ヴェトナムで、それも高い水準で毎日いただけるのだから感涙もの。ある日のランチはヴェトナミーズレストランで。フォー・ガー(鶏肉のフォー)にはたっぷりの香草と香辛料が付いてくる。野菜好き、香辛料♡LOVEの妻は満面の笑み。私のオーダーはたっぷりの野菜と一緒に炒めたフォー。ビールにぴったり。野菜が新鮮で香り高く、シャキシャキに美味しい。実に嬉しい。

OpenKitchenIcecreamェトナミーズレストランはオープンキッチン。それも客席との仕切りは全くなく、店の外壁もない。客席もオープン。そんな店でノンラー(丸傘)姿のオバちゃんたちが立ち働く。ヴェトナムの親戚の家を訪ねた気分。「帰りにデザート食べてこうか」と妻。隣のデリでアイスクリームを食べようという提案。毎日6種類のシャーベットとアイスクリームが無料でいただける。マンゴーのシャーベット、ココナッツのアイスクリームなど、新鮮なフルーツを使ったものが多く、どれも絶品。

南アジアのリゾートの中では、ここが今までで一番かなぁ」ホテルマニアの妻が絶賛。その評価の理由は料理にもあるようだ。チェックアウトを終え、スタッフたちに「またお出でください」と握手をされ送迎車に乗り込む。車の中で「この辺りは春にはいろいろな花が咲いて、とても奇麗です。その頃にまた来てください」そんな挨拶をされ、「また来れるといいなぁ」と妻が呟く。また来たいと思わせる、実に心地良く快適で、実に美味しいリゾートだった。

空と海を眺めるリゾート「シックスセンシズ・コンダオ」

MyVillaBedroomィラ125。それがお気楽夫婦が過ごしたヴィラのNo。全体で50棟のヴィラがあるリゾートのちょうど真ん中。両端にあるレストラン、ジム、スパなどに出かけるには、ヴィラに人数分備え付けられた自転車を使う。カートを呼んでタクシーのように使うこともできるが、自転車がお気楽で快適。すれ違うスタッフたちと「シンチャオ!(おはよう〜こんにちは〜こんばんは)」と挨拶し合う。英語が通じないガーデナーや清掃スタッフたちとも「シンチャオ!」のひと言で互いに笑顔になれる。

BathroomSunriseンベッドルームのヴィラはステュディオタイプ。天蓋付きのベッド、カウチがあるベッドルーム&リビングルーム。巨大なバスタブ、ダブルボウルの洗面スペース、やはり巨大なデイベッドがあるバスルーム。屋外シャワー付き(ここは蚊に注意)の裏庭。そして何よりもリビングルームから続くテラス、インフィニティなプライベートプールという設備が素晴らしい。インテリアは素朴なデザインながら機能的。例えば、少し歪な木製の扉を開けると、内側にはもう一つ扉の付いた最新のワインセラー、そんな感じ。

DaytimeDaytime2ィラに最初に入った時のトキメキは忘れられない。リビングとテラスの間にある大きなガラス窓を開け放つと、プライベートプール。その向こうには波穏やかな海。そして鮮やかな青い空。風に揺れる椰子の樹。流れる白い雲。昔で言えば絵はがきのような、今ならプロモーション映像のような、現実なのにうっとりしてしまう夢のような景色。この空間を5日間も独占できるという幸福感が溢れる。さっそくキリッと冷えたローカルビール333(バーバーバー)と、ミネラルウォーターで乾杯。

ScoolSunset気楽夫婦のリゾートでの過ごし方は、何もしないこと。島内観光には出かけず、海では泳がず潜らず、徹底的にリゾートに籠る。ジムには毎朝通うし、夕暮れ時にはスパに出かけるけれど、日中は本を読み、ビールを飲み、ぼぉ〜っと海と空と雲を眺める。それが基本。例えば夜明け。漁火しか見えなかった漆黒の世界が、ゆっくりと太陽を迎える。波の音しかしない静かな夜明け。例えば昼。青い空に蝶が舞い、ツバメが飛び交い、雲が飛び去る。広い海岸には人影はない。砂浜に穴を掘るカニが遊ぶだけ。

Sunset2Night方になると風向きが変わり、少し気温が下がったかと思うと、決まってスコールがやって来る。プールサイドバーのスタッフにもらったココナツジュースを飲みながら雨を眺める。するといつの間にかスコールは去り、雲が赤く染まって来る。ウェルカムドリンクとして冷えていたスパークリングワインをぐびり。夕焼けを眺めながら夕焼け色のワイン。至福の時間がゆったりと流れて行く。空と海が深い青色になる黄昏時、プライベートプールの照明をつけ、日中とは趣が違う青の風景を味わう。

んだか気持も身体もほぐれるねぇ」と妻。このリゾートの客室には時計がない。BOSEのプレーヤーにiPhoneをつなぎ、好きな音楽を聴く。リゾート用にスタンバイしていた本を読む。ワインをぐびり。心地良い時間が過ぎて行く。蚊取り線香の煙がたなびく。身体のあちこちが痒い。これで蚊さえいなかったら…。

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SINCE 1.May 2005