横浜中華街なら「上海料理 状元樓」

chuukagaijougenrou2010年10月時点の世界の人口は、国連推計で69億人。そして、2011年10月には70億人を突破するという予測がある。その内、中国人は13.4億人。世界中の人口の5人に1人が中国人。さらに、華人と呼ばれる世界各地に散らばる中国人まで加えると、世界人口の25%ぐらいがChinese!そんな中国人たちが移住先の世界各国で、集住して街を形成しているのがチャイナタウン。NYC、サンフランシスコ、ロンドン、パリなど主要な大都市にチャイナタウンは存在し、NYCではその勢力を拡大し、隣接するリトル・イタリーを浸食している。日本でも三大中華街と呼ばれる横浜中華街、神戸南京町、長崎新地中華街がいずれも賑わいを見せている。

takenoko-ingenshoukoushu華料理好きのお気楽夫婦。日本の三大中華街はもちろん、NYC、ロンドンなどでもチャイナタウンをわざわざ好んで訪ねた。その中でも世界最大規模の中華街、横浜中華街は2人のお気に入り。けれど、エリア内に500軒もの店があり、年間2,000万人の観光客が訪れる人気のエリア。店が多過ぎ、人が多過ぎ、いつも訪れる店に迷いがあった。その上、食べ放題の店、肉まんや小龍包専門のファストフード店、焼栗の露店、占いの店などが乱立。美味しい中華料理を落着いて食べたい2人にとっては逆風の傾向。そんなこともあり、横浜駅前の中華料理 嘉宮に足が向くことも多かった。けれど、そんな2人には切り札があった。上海料理の老舗、状元樓 中華街大通り本店だ。

mantoucreapる週末、横浜のホテルに宿泊した2人。お目当ては久しぶりの中華街での食事。中華菓子の売店をのぞき、焼栗の試食をしながら、人混みが戻って来た中華街大通りを歩くお気楽な2人。目指すは通りの中程にある状元樓。予約の名前を伝えると、落着いた雰囲気の1階、ゆったりとしたボックス席に通される。席に着く直前に男性スタッフと視線が合った。「あぁ〜っ、お久しぶりです。予約のお名前では気が付きませんでした」ご栄転おめでとうございますと挨拶を交わす。男性は状元樓の店長。昨年まで自由が丘の「SHANGHAI DINING 状元樓」の店長だった坂東さん。自由が丘で顔馴染みになっていただけに残念な異動だった。久しぶりの会話の後に、さっそくオーダー。

annintennaiずは焼物かな、皮蛋も良いね。筍とインゲンの辛味合えも美味しそう♡合菜載帽も食べようか♬」一気に妻のテンションが上がる。「いろいろお召し上がりでしょうから、前菜はハーフにしておきましょうか」と坂東さん。それは嬉しい。小食の2人は、大盆の中華料理では数種類しか食べられない。メニューにはないけれど小盆であれば、いろいろな料理が楽しめる。生ビールをぐびり、何種類かの前菜、蒸焼きスープ入り饅頭、そして合菜載帽。「うん、やっぱりこれは美味しいねぇ」炒めた野菜の上にふんわりとオムレツの帽子が載っている。春餅(シュンピン)に甜麺醤を付け、ネギを乗せ、野菜と卵を巻いてぱくり。ん〜んまい。春餅だけを追加して平らげる。「私もこの料理は好きなんですが、自由が丘ではオーダーされる方がいらっしゃらなくてメニューから外したんですよ」そんなエピソードを伺いながら、箸が進み、紹興酒も進む。

の店は味付けも上品だし、どの料理も確実に美味しいから、安心してオーダーできるよね」妻も納得の味。デザートの胡麻入り白玉団子、フルーツ入り杏仁豆腐まで完食。すっかり満足、満腹。店長にご挨拶しつつ店を出ると、焼栗のスタッフに声を掛けられ、しばし逡巡。「じゃあ、一番小さい袋で」と妻が頼むと、いつの間にか坂東さんがやって来て「この店はここで焼いてますが、工場で焼いているようなところは美味しくないですから、店を選んだ方が良いですよ」とアドバイス。そう言いながら、袋から溢れるほど栗を追加していただく。「うわっ♬ありがとうございます」妻が満面の笑み。「栗を頂いたから言う訳じゃなくって、もう中華街だったら迷わず状元樓だね」妻の呟きに同意。

桃源郷はセカンドハウス「シャングリ・ラ ホテル 東京」

BedroomView bath源郷(シャングリ・ラ)という名前のホテルがある。香港に本拠地を置くシャングリ・ラ ホテル&リゾーツという高級ホテルチェーン。やはり香港からスタートしたペニンシュラ、マンダリン・オリエンタルと並ぶアジア系ラグジュアリー ホテル グループの雄。その桃源郷ホテルの日本最初の拠点が、東京丸の内に2010年3月に開業したシャングリ・ラ ホテル 東京。すでにマンダリン・オリエンタル ホテル東京が2005年12月に、ザ・ペニンシュラ ホテル東京が2007年9月に開業しており、これで香港御三家?が全て東京に揃ったことになる。ラグジュアリーホテル好きのお気楽妻は、虎視眈々と未踏峰のホテル宿泊のチャンスを狙っていた。

Cocktail TimeHors-d'oeuvreる週末、お気楽な2人は桃源郷ホテルにいた。宿泊を思い立ったきっかけは東日本震災で稼働率が落ちたホテルの支援。特に海外からのビジネス客を狙ったラグジュアリーホテルの稼働率は下がり、中国本土や東南アジアを中心に展開するシャングリ・ラは、中国人をはじめとした海外からの宿泊客が落ち込み、震災後の数週間ほど休業していた。香港好きのお気楽妻はそんな状況を憂い、シャングリ・ラ営業再開のニュースを聞くとさっそく予約したという訳だ。…というのは表向きの理由。真相はこうだ。恒例の2月のバースデー宿泊の際に、ザ・キャピトルホテル東急とシャングリ・ラ ホテル 東京とで迷った結果、シャングリ・ラに宿泊しなかったことが心残りだった事と、予約した翌日のスカッシュレッスンが休講だったこと。なるほど、シンプル。

BreakfastEgg Benedict京駅でビールとおつまみを買込み、気分はすっかりヴァカンスなお気楽夫婦。日本橋口の改札を出て、歩いて数分の距離にある桃源郷に向った。1階にはチャイナドレスのドアスタッフがスタンバイ。気分はもう香港だ。スワロフスキーのシャンデリアがエレベータ内を優雅に照らす。28階のロビーラウンジに立ち寄り、エレベータを乗り換えホライズンクラブまで案内される。クラブラウンジのソファに座り、ウェルカム・ドリンクをいただきながらチェックイン。こぢんまりとした居心地の良いラウンジだ。「IGA様、明日のチェックアウトのご希望時間は何時でしょうか」レイトチェックアウトを希望すると、多少の差額を支払いアップグレードすれば夕方まで使用できるという。それではと、部屋を比較した上で、アップグレード。角部屋のビューバス付のプレミアルームは広々として気分爽快。

Gymムで軽く汗を流し、クラブラウンジでシャンパンをいただく。そして、当日の夕食を共にする友人たちを招き、彼らが手土産だと持ち込んだスプマンテで乾杯!残念ながら東京スカイツリーを眺められるはずの風景は、あいにくの雨で望めない。それでも2面の大きな窓のある部屋は、3人のゲストを招いても圧迫感がない。「さっすがゴーカだねぇ♪」「ゼータクな部屋ですねぇ」「なるほど、この窓は二重ガラスなんですね」それぞれのキャラごとに、それぞれの感想が楽しい。せっかくのラグジュアリーホテル滞在だからこそ、友人たちと過ごす。ジムに通い、クラブラウンジで食事をし、友人を招いて一緒に食事をする。それがお気楽夫婦の滞在パターン。まるで自分たちのセカンドハウスにお招きした気分。そんなホテルの使い方を続けている。いわば都心のホテル群が2人の別荘。毎回違うロケーションで自分たちも楽しみ、友人たちと楽しむ。別荘のように維持費はかからず、掃除も要らず、クラブラウンジには「お帰りなさいませ、IGA様」と迎えてくれる執事たちもいる。まさに桃源郷。

っぷり眠ったし、のんびりできたぁ~」朝のクラブラウンジで大好物のエッグ・ベネディクトを食べながら妻がつぶやく。「私もこちらが一番大好きです。サイコーにホテルらしい朝食メニューですよね」顔見知りになったクラブラウンジのスタッフから声を掛けられる。妻も思わず微笑み返し。このホテルのスタッフのフレンドリーで柔軟な対応はお気楽夫婦好み。「香港のシャングリ・ラにも、また宿泊してみようか」妻の評価も上がったらしい。

■お気に入りホテルカタログ 「シャングリ・ラ ホテル東京

何を食べるか < 誰と食べるか「ヤマガタサンダンデロ」

Warasaる週末、友人たちと共に山形に向った。東京駅から新幹線には乗らず、タクシーに乗って数分。場所は銀座。「おいしい山形プラザ」という山形県のアンテナショップ。そこには山形県産のさくらんぼ、ラフランスなどの農産物、トチモチなどの素朴で懐かしいお菓子がある。ここまでは一般的なアンテナショップ。ちょっとだけ違うのは、ショップの2階に山形県の旬の食材を使って料理するレストラン「ヤマガタ サンダンデロ」があること。この店は、山形県鶴岡市にある人気のスローフードレストラン「アル・ケッチァーノ」の奥田シェフがプロデュースする店。ヤマガタ サンダンデロという店名は、ことばの響きはイタリアン。料理もイタリアンがベース。けれども「山形産なんだって?」という意味の庄内弁。ちなみに、「アル・ケッチァーノ」も「あるんだってねぇ」という庄内弁。

Gassan-dake5人のスカッシュ仲間が選んだメニューは、「Atta Mennna アッタ メンナ(温めるものという庄内弁?)」という1人4,400円の取り分けセット。わらさのカルパッチョから始まり、月山筍のフリット、甘エビのリゾット、2種類のパスタ、庄内豚のステーキなど少量で取り分けて食べる料理がたっぷり。かなりお得なコース。「これ美味しいぃ〜♡」悲鳴に近い声を上げるスカッシュ仲間。松葉や香草と一緒にからっと揚げた月山筍が気に入った模様。そんな料理を味わい、飲むのは月山ワイン。月山というのは山形県の中央に聳え、日本百名山にも数えられる秀麗な山稜を持つ山。山岳信仰で有名な出羽三山のひとつ。昭和40年代に、その麓で収穫される山ブドウでワインを造ることから始まったのが月山ワイン。白のボトルが2本空になり、赤もあっという間に蒸発。いずれもシンプルで美味しいワインだ。

Amaebiぇっねぇっ!ホントにすっごいどれも美味しいねぇ♬」とパン教室の先生のテンションが上がり、「食材が良いですよね」と新進気鋭の建築家が頷き、「この揚げた葉っぱが全部タケノコだったら良いのにねぇ」と元CAのマダムが微笑む。お気楽妻も気が置けない仲間たちとの会話に笑顔が絶えない。5人の仲間はスカッシュコートで知り合い、酒の場で親しくなり、Facebookで盛り上がった。リアルな世界で語る時間に加え、ネット上でコメントし合い、ことばで語るより時には密になる互いの情報を共有する内に急速に親しくなったメンバー。「なんだか皆のこと、ますます好きになっちゃったぁ♡」酔っぱらったパンの先生、今度は乙女モードが入ったらしい。

Tomato-Pasta理は何を食べるかだけではなく、誰と食べるかによって味は変わる。同じ料理を同じように食べても、誰と食べるかによって味は大きく違う。どんなに素晴らしい料理でも、気詰まりのまま会話を探し食べたとしたら、その味はどうだろうか。一緒に食事をする仲間たちとの会話は最高のソースであり、最高のスパイス。ましてや旬の食材を活かし、その食材を絶妙に組み合わせる料理、そして時には周囲が(たぶん)煩く思ったのではないかという笑い声を許してもらえるお店であれば、まずい料理があるはずはない。その日も海鮮塩味系のパスタに粉チーズをと店のスタッフにお願いした仲間が嗜められ、気まずい思いをする前に笑い話になり、食事の場の空気が一段と柔らかくなった。

夜は楽しかったね♡残業疲れの身体がすっかり解れたよ♬」「ところで、あのタケノコ何て名前だっけ?」「風邪を引きずっていたのに、元気になりました。昨日はすっかりリラックスしてしまいました」さっそくFacebookの書き込みが溢れる。食事会開催前にFacebookの会話で楽しみ、食事を楽しみ、終わった後にもうひと盛り上がり。3度美味しいお得な仲間たち。オトナになって知り合った、価値観が近い仲間たちは、気兼ねのない友人でもある。「これさぁ」記事を読みながら妻が呟く。「誰と食べるかじゃなく、君たちの場合は誰と飲むかっていうのが正しいんじゃない」そう続けた妻の視点は、相変わらずクールだ。

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