春はお手頃ご近所で。「はしぐち亭/李朝/萬来軒」千歳烏山

トマトサラダックの業績が好調だ。iPhoneやiPADが売れているアップルも、期間限定バーガーが絶好調のマクドナルドも。デフレ、不況下の日本でも、ただ安いだけではなく、価値を持ったものなら少々値が張るモノでも売れるという好例。生活費を切り詰めるだけでは息切れ(これを“節約疲れ”というらしい)してしまう。たまにはちょっとゼータクするということは大切。消費にメリハリが付く。フツーに買ったり食べたりしていると、慣れてしまって本来の価値を忘れてしまうこともある。節約をゲーム感覚で実行し始めたお気楽夫婦。疲れる程の節約はできていないけれど、効果が出始めている。タクシー利用は減り、外食は…余り回数は減っていない。あれ?

ゴルゴンゾーラと生ハムのブルスケッタ途半端に外食するなら、デパ地下で買った方が安いし美味しいし、外で食べる時は美味しいものを食べに行くぞぉっ!という気持で行かなきゃね」とお気楽妻。確かに妻の言う通り。Dean & Delucaでデリを買っても3,000円弱。その程度の価格であれば、外食ではなくデパ地下が安くて美味しい場合が多い。その価格帯で外食するなら、デパ地下より美味しい(付加価値のある)店でなければいけない。すると普段の夕食に選ぶのは、必然とお店は美味しくお手頃な価格の店に絞られる。さらに帰りのタクシーのことを考えると、ご近所で食べて歩いて帰れる店になる。ふぅむ、これをお気楽夫婦の法則と名付けよう。

マッコルリ参鶏湯んな法則に従ってお店を選ぶと、洋食部門では「はしぐち亭」が上げられる。軽めのオードブルを一品、たっぷりのサラダ(自家製ドレッシングが実に旨い♬)を2種類、パスタかオムライスなどの炭水化物モノ、それにビールと白ワインを1杯づつ。Dean & Delucaのデリほど洗練はされていないけれど、お気軽で、お手頃で、美味しいご近所の名店。韓国料理では最近開店したばかりの「李朝」は赤丸急上昇。こぢんまりとして、落ち着いた内装の店内。焼肉店の喧噪の中ではなく、韓国料理を食べたい時には絶妙。そしてこの店の参鶏湯(サムゲタン)は絶品。そしてお手頃な価格。3種類あるマッコルリを飲みながら、まったりと烏山の夜を楽しみたい。

鴨とこんにゃくのピリ辛煮焼ギョーザして何と言っても、中華部門の「萬来軒」は外せない。最近は、一段と常連の客だけでテーブルが埋まることが多くなり、一見の客を余り見かけない。気心の知れた客に囲まれて、マイペースで接客をするおばちゃんのリラックス度が上がっている気がする。友人たちの間で再評価されている大振りの焼餃子(萬来軒にそんなオーソドックスなメニューがあったのか!と思われていた)が最近のヒット作。カリカリ&ジューシーで外せない。そして鍋を振るおじちゃんおススメのメニュー「鴨とこんにゃくのピリ辛煮」や「タケノコとチシャの煮込み」など、幸せの味。そんな料理とビール1本(生ビールなんざぁ置いていない)と瓶出し紹興酒1杯で、至福の時がやって来る。そしてもちろんお手頃価格。

くづく烏山は良い街だよね♡」と妻。舌と財布にとって幸せな街、春の烏山でご機嫌なお気楽夫婦だった。…ところで、節約って?

自由が丘、横浜、中目黒、芦花公園「お花見の日々」

自由が丘緑道ランドマークと桜る週末、甥と姪が突然やって来た。高校2年生の甥が、とある大学のオープンキャンパスに参加したいと言う。困った。年度末の慌ただしさの中、狭いわが家に2人のワカモノがやって来てしまったら、時間と空間が逼迫してしまう。何とかせねば。お気楽夫婦は緊急体制。急遽仕事のスケジュールを変更。金曜日に早めに帰り、日曜に出勤することに。金曜の夜に2人をリビングに寝かせ、土曜の午後には帰ると言うワカモノ2人を自由が丘へ連行。妻と2人は南口の緑道で束の間の散策。私は仕事先のイベント会場でご挨拶。そして2人が行ってみたいという、横浜みなとみらいへ向かう。2つの街は既にお花見日和。桜の花も綻んでいる。少々肌寒いけれど、爽やかな春の空気を纏いながら、のんびり歩けば気分も上々。

ミミガージーマミ豆腐週、ばたばたと慌ただしい日々が続く。お気楽夫婦のお気楽ではない日々。夕食は会社でコンビニご飯。これはいかん。そんなタイミングで妻からのメール。「さすがにエネルギーが切れそう(涙)年度末の忘年会でもやろうか」了解。桜も満開。お花見の頃合いも良し。中目黒辺りで美味しいものでも食べようか。「目黒川の桜は観たことがないなぁ、行ってみようか」…あれ?私は毎年のように来ているのに。妻が初めてと言うことは、妻以外の女性と花見に来ているということ?それも夜桜しか記憶に無いぞ?ははぁ。思い出してみたらそうかもしれない…などと独り言を言いながら妻と合流。草花木果という沖縄料理屋へ。つい先日、飲んべ隊員と一緒に来たばかりの店。

泡盛目黒川夜桜気楽夫婦恒例の年度末の忘年会。今年一年お疲れさまと乾杯。「良い街だね。この店も良い感じだよ♫」それは良かった。ミミガーやジーマミー豆腐を食べながらオリオンビールをぐびり。黒糖空豆をつまみながら泡盛をぐびり。さくっと飲んで、さくっと店を出る。妻にとって馴染みのない街、中目黒をご案内。店を出て、目黒川沿いを散策。提灯が下がる川沿いの路には大勢の人が溢れている。場所柄シートを敷いて花見をすることができず、ビールやワインのグラスを片手にそぞろ歩く人が多い。川沿いの店はどれもこぢゃれた佇まい。どの店もほぼ満席。路には臨時の露天屋台が出たり、美容院の店先でワインを売っていたり。「良い桜だし、良い街だねぇ。住んでも良い街かも。また来ようね♫」一気に妻のお気に入り度アップ。

蘆花恒春園花の丘お花見シュークリームして翌週末、地元の公園に向かったお気楽夫婦。蘆花恒春園にある「花の丘」という穴場スポット。住民が丹精込めて育てた花壇や高遠彼岸桜などの桜並木が広がるまったりスペース。家族連れがお弁当を食べ、老人グループがビールやワインを酌み交わす。夕方からのボクササイズを控えるお気楽夫婦は地元の名店ラ・ヴィエイユ・フランスのスイーツを買込み、満開の桜の下で味わう。花よりスイーツ。ビールも良いけど、桜を眺めながらのシュークリームも悪くない。「なんだか今年は忙しいのにたっぷりお花見した感じだね。良い春だね♬」妻のことばに頷く。毎年の春、毎年の桜、毎年の春野菜の天ぷら(笑)。同じように巡って来るけれど、同じ春はなく、永遠の春もない。「でも、毎年同じように楽しいね♡」お気楽妻の面目躍如。春爛漫。

春は筍、再び「銀座 天一 渋谷東急店」

タケノコ天イカ天になると無性に食べたくなるものがある。「たらの芽、蕗の薹 天一」などというシンプルで、そして小さな広告が日経新聞に載ると、そわそわしてしまう。寒さが緩み、桜の花が綻びかける前に食べに行かなければいけない。お気楽夫婦にとって、これだけは欠かせない春の味。春の天ぷらを食べずに終わってしまうと、1年を通した外食生活の中で美味しい機会をひとつ逃してしまったという無念が残る。あと1年待たないと、あの味が楽しめないのだと。春の天ぷら。それも、春の野菜たち。たらの芽、筍、蕗の薹。そして、決まって訪れる店は、東急本店にある天一。お気楽夫婦が好きなのは、銀座の本店ではなく、ここ。デパートの中だから敷居が低く、揚げ場もこぢんまり。お好みで食べても、ちょっとゼータクぐらいの雰囲気。

海老天稚鮎天る夜、仕事を終えたお気楽夫婦は渋谷に向かった。待ち合わせは天一の揚げ場。少し早く着いた私が店に入ると、カウンタの先客は接待の日本人と2人の南米系の男性。妙な組合せだ。待ち合わせだと告げ、ビールをオーダーすると穴子の骨のから揚げがつまみとして供される。かりこりと齧りながらメニューを眺める。季節のたねとして、たけのこ、白魚、たらの芽とある。思わずにんまり。なんとか春の天ぷらの季節に間に合った。ビールをぐびり。旨い。遅れて妻がやって来る。春は彼女が忙しい季節でもある。だからこそ、妻の元気の素として春の天ぷらたちを食べに来たのだ。「何から食べようか♫」まずは、たらの芽、筍。ふぅわりとした春の香りを味わう。さくっとした春の歯応え。春そのものを味わう。

ししとう天ケノコ、美味しいね♡」うん、これは良いね。口中に香ばしさが広がる。「ありがとうございます。揚げる前に少し炊くんです。そうすると香りが良くなるんです」揚げ場の板さんが答えてくれる。「次はアオリイカかな」内側がほんのり薄い青みがかった絶妙の揚げ具合。イカの甘さがたまらない。「これは幸せの味だねぇ♡」続いて車エビ。頭の唐揚げがぱりぱりと香ばしい。王道の美味しさ。「稚鮎はいかがですか」もちろん、ください♫だんだん稚鮎が出るのは早まってますね。そんな会話をしていると、カウンタの隣で、接待の男性が「ウチもそれください」とオーダー。南米系の男性たちにスペイン語と英語で稚鮎の説明をしている。天ぷらとしても、話題としても良いネタだ。稚鮎を丸ごと食べる春の味。クジラだけではない日本の繊細で多様な食文化を伝えてやってくれ!心の中でインターナショナルな接待を応援。

丸十天唐、アスパラガス、穴子、蓮根、茄子。ゆったりと揚げたて熱々の天ぷらを味わう。何度も何度も大根おろしのお代わりがやってくる。これがまた美味しいし、おつまみ代わりにもなる。「天茶もらえますか」国際接待チームはご飯ものでシメ。ふんふん、なかなか良いチョイスだぞ。それに対し、小食なお気楽夫婦のシメはデザートを兼ねた丸十(サツマイモ)。からっと揚がったサツマイモは甘く、ボリュームたっぷり。大根おろしをたっぷり付けて、ぱくり。甘めのタレ、適度に絞った大根おろしとサツマイモの甘さが、なんとも言えない抜群の組合せ。実に旨い。「ふぅ、満足♡天ぷらは鮨よりも季節感あるし、野菜もたっぷり食べられるし、お好みで食べても安いから良いよね」妻はかなり満足の模様。「やっぱり春は天ぷらだねぇ♬」つい先日、春の鯛を握ってもらいながら、やはり春は鮨だねと呟いていた妻が、微笑んだ。

【お気楽夫婦の御用達】  ■銀座 天一 渋谷東急店

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SINCE 1.May 2005