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公共施設をこんなに豪華に造ること自体、採算性を考えていなかったとも言える。特に、スパ施設に関しては国内でもトップクラスだろう。バーデゾーンと呼ぶ総合スパ施設。室内プール、屋内外に天然温泉水を使った11種類のスパ、ドライサウナ、ミストサウナなどがある。それ以外にも天然温泉大浴場、岩盤浴、エステティックサロン、バドミントンや卓球、バスケットボールまでできる体育館、ボーリング場まである。雇用・能力開発機構(旧:雇用促進事業団)…これがこの施設を建てた厚労省が管轄する独立行政法人の名前。そして、それを世界的に有名な姉妹の一族の傘下ホテルになった。プレオープンのタイミングで訪れたお気楽夫婦。つい批判的な記事を書いてしまった。けれど、経済的に成立するなら、有効活用すべき良い施設であることは間違いない。再度訪れることがあるかどうかは別にして(車を持たない2人とって、アクセスが余りに悪いのだ)再評価したい宿である。実際、バドミントンは楽しかったし、スパ施設は快適だったのだから。
ということで、2012年に再訪。すっかりオペレーションは安定し、部屋の内装も整い、豪華巨大ホテルとして営業していた。ハード面(施設)は元々充実していたのだから、ソフト面(サービス)が改善されれば良いホテルになるはず。さらなるソフト面での充実を期待したい。
■快楽主義宣言へ *ヒルトン小田原リゾート&スパ 滞在記
・「3組の夫婦とワンちゃんと」 2012年6月10日
・「再生の宿」小田原ヒルトン」2005年6月9日
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帰省の際、長弟家族が父母と一緒に暮らす生家に宿泊し、互いに気を遣うよりは…という理由を付けて、お気楽夫婦は旅館泊まりを選択する。ホテル好き、旅館好きの2人にとっては好都合。そして、故郷の街は、旅館の選択肢が実に広いのだ。地元あつみ温泉には、多くの旅館が軒を連ねるが、なかでも有名な2軒の名旅館がある。たちばなや、そして萬国屋というライバル同士。萬国屋は140室、825人収容の大規模な老舗旅館。宴会場は最大500人まで収容できる大広間もある。けれど、細やかな接客、清掃が隅々まで行き届き、清潔感溢れる館内施設が人気。お気楽夫婦のお気に入りは、温海川を見下ろす露天風呂付きの部屋。明るく開放的で、湯上がりに川面を眺めながら涼やかな気分になれる絶好のロケーション。大型旅館にありがちな、マニュアル一辺倒の接客ではなく、柔らかな対応が地元の同窓会などでも人気の理由に違いない。遠来の客に安心して薦められる名旅館だ。
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数年前までは典型的なバブルの遺産だった。1980年代に開発が始まり、リゾート法による重点整備地区第1号に指定された巨大リゾート。広大なスキー場とゴルフ場、スパ施設、会員向けコンドミニアム、ホテルなどが次々に建設され、JRとの連携で専用リゾート列車が走った。北海道の山中に高層ビルが何棟もそびえ立つ様は、まさしくバブルの塔だった。そしてバブル崩壊後、会員権販売が不振に陥り、1998年に経営破綻。その後も紆余曲折があり、現在は“ホテル再生の神様”星野佳路率いる星野リゾートにより運営されているアルファリゾート。お気楽夫婦が訪れたのは、1997年の経営不振が周知の事実となった頃。なくなる前に行っておこう!という軽いノリだった。
ところが、行ってみたら驚いた。その雪質の良さ、施設の広大さは想像以上だった。日本には存在しなかったスケールの大きさは、ワクワク感を超え、現実感がなくなってしまう規模。まるで異空間に迷い込んだようだった。宿泊したのはガレリア・スイート。全室スイートルームの高層ホテルという発想自体がバブリー。お気楽夫婦が宿泊した部屋は、ジャグジーとサウナ付きの100㎡以上の専有面積。滞在中に一度も使わないベッドルームもあるゼータク(ムダ?)な間取り。一部施設は既に一時使用中止しており、寂しさはあるものの、スパやレストランなどの施設も充分楽しめた。抜群の雪質、広大なゲレンデ、カービングスキーの機能とで、何倍もスキーが上手くなった(気がした)。また行こう!そう思わせるリゾートだった。
それから10年余り。スキーの熱が冷め、ゴルフをやらないお気楽夫婦。再訪は叶わず。いつか、お気楽夫婦に真の意味でゆとりができ、滞在型のリゾートを楽しめるようになった時に、訪れる日が来ることを楽しみにしている。…星野リゾートさん、それまでよろしくお願いします。
*現在は「星野リゾート トマム」