映像に弱い?お気楽夫婦の食卓「ぶりしゃぶ」
2011年 2 月05日(土)
土曜日の朝、お気楽夫婦が決まって視るTV番組がある。朝日放送系『朝だ!生です旅サラダ』である。神田正輝(番組スタート時は草野仁)と向井亜紀のメイン司会、生中継担当のラッシャー板前は番組スタート時からほぼ変わらず、マンスリーゲストの海外の旅、週替わりのゲストの国内の旅の紹介という構成も不動。以前は竹内都子の「宿かり日記」というホテル・旅館の紹介が中心だったコーナーから、三船美佳の「元気な散歩道」(本日、2/5放送分から「日帰りハッピー」に変更)という商店街などを訪ねるコーナーに変わったぐらい。1993年から続く長寿番組と言っても良い、週末の旅番組の王道。お気楽夫婦は、旅の情報、宿の情報を得る貴重な時間として毎週楽しみにして視ている。
この番組でもうひとつ、欠かせないのがラッシャー板前の存在だ。彼が担当するのは、全国各地の特産物などを求め、現地から生中継するコーナー。かつての熱湯CM系のたけし軍団リアクションの伝統を受け継ぎ、中継レポートのリアクションをきちんと芸風として保持し続ける。例えば、熱々の鍋の具材を頬張り、「あぢぢっ!」と見事に視聴者の期待に応える。あれである。そして、朴訥としたラッシャーの顔つきに日本各地の漁師さんや農家のおばちゃんたちが実に絡みやすい、ほのぼのコーナー。実に美味しそうに食べるラッシャーを「あ痛ったぁ〜!」と応える神田正輝というお約束も微笑ましい。本気で悔しかったのか、最近は「神田正輝の日本全国 コレ!うまかろう!」などというコーナーを新設し、スタジオでも美味しいモノを食べ始めた。…それにしても、こうして書いてみると、きちんとこの番組を視ているなぁ、ウチ。
ある週末、生中継のコーナーで紹介されたのは富山県氷見市の寒ブリ。魚市場で紹介された活きの良い立派なブリをその場で調理してラッシャーが食べる。厚切りの刺身で食べようとすると、脂が醤油を弾いてしまう。脂の乗ったブリがぷりぷりと美味しそう。そして、薄く切った切り身をさっと湯を通して食べる“ぶりしゃぶ”も、実に旨そうだ。今年はブリが豊漁で、例年の1/2から1/3の値段で良いブリが買えるらしい。ん、今日はこれだっ!よしっ、行くならあの店だ!…お気楽夫婦の住む街には、1軒だけ昔ながらの魚屋がある。駅前の戦後間もなくからあるような“マーケット”の一画。大きなガラスのショーケースの中には、季節毎に新鮮な魚介類が並ぶ。干物も絶品で、かつて誘惑に負けて自宅では禁じられている焼魚(それも煙がすごいメザシ)をこっそり食べてしまい、妻に嫌な顔をされたことがある。
さっそく、魚屋(2人はただそう呼んでいる)に向うお気楽夫婦。ショーケースに寒ブリは並んでいないが、店の奥に富山産鰤と書かれた箱を発見。ぶりしゃぶ用に切ってください!「はいよ!だったら背中の方が良いね。何人前ぐらい?」2人分で。鮮やかな手さばきで切り分けられて行く立派なお姿のブリ。ラッシャーのように中継したいぐらい。豪快に切られた切り身はちょっと厚めだが、実に美しく輝いている。よし、後は昆布だ。普段全く料理をしない2人。昆布も新たに調達だ。そして、いよいよ夕食の時間。ゼータクにダシを取った鍋にブリの切り身をさっと通す。橙色の鮮やかな身が、表面だけうっすらと白くなる。今だ!火を通し過ぎてはいけない。ぱくり。うっ、うまぁ〜い!脂が程よく抜け、さっぱりとしたブリの食感はとろけるようだ。たっぷりの卸ダイコンと柚子の香りが食欲をそそる。良いねぇ。冬は鍋だね♡寒ブリだね♪
それにしても、映像に弱いお気楽夫婦。ある時は『食彩の王国』を視て夕食のメニューを決め、またある時は『アド街ック天国』を参考に街を訪ねて食事をする。「早い話がミーハーってことだね」う〜むむ、言われてみればそうかもしれない。影響され、実行し、ブログにまで書き込んでしまう。番組制作社やスポンサーにとって、実にありがたい存在の2人だった。